現地の動き - Pick Up

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    244.新型コロナの食への影響と提言:Nature Foodより

    新型コロナウイルスは、経済的および社会的システムのショック、フードシステムの混乱、および不可欠な健康と栄養サービスの適用範囲など、さまざまな角度から、食料・栄養安全保障に影響を及ぼしてきました。これらの影響は脆弱な層、特に低中所得国、女性、幼児、青年、高齢者、移民、避難民などに対して不均衡に大きなものになっています。また主食と比べて、野菜などの栄養価の高い食品が、バリューチェーンの不備などによってより大きな影響を受けています。2021年2月に掲載されたNature Food誌の論説では、新型コロナウイルス・パンデミックが食や栄養に与えた影響について述べられています。

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    243. 温室効果ガスの社会的費用

    2021年1月、米国でバイデン政権が誕生しましたが、最初のアクションの一つがパリ協定への復帰でした。2月26日、バイデン政権の省庁横断ワーキンググループは、科学的エビデンスに基づいて意思決定を行うことを表明した上で、暫定的に、割引率3%のもとで2020年における1トン当たりの二酸化炭素の社会的費用を51ドルと、オバマ政権時代に相当する水準に戻すことを発表しました。このほか、メタンは1,500ドル、亜酸化窒素は18,000ドルとされました。

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    242. パリ協定達成に向けた気候変動対策と公衆衛生の相乗効果

    温暖化を2℃よりも十分低い水準にとどめることを目標としたパリ協定に向け、各国は、自国が決定する貢献(NDC:nationally determined contribution)の具体化に向けて準備を進めています。2021年2月、The Lancet誌に掲載された論文は、パリ協定達成に向けた気候変動対策と公衆衛生の相乗効果(co-benefit/コベネフィット) を示しました。

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    241. 自然と共存する平和構築を

    約半世紀にわたり、人類による環境への負荷は次第に増大し、今や地球の緊急事態(a planetary emergency)をもたらしています。2021年2月、国連環境計画(UNEP)は「自然と共存する平和構築を(Making Peace with Nature)」を公表し、危機を乗り越え持続的な未来を築く方向性を提示しました。

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    240. ヤムの遺伝資源の利活用に向けて - 国際農研の取り組み

    西アフリカの最も重要な作物の一つ、ギニアヤムの多様な遺伝資源の利活用に向けた取り組みとして、国際農研ではゲノム情報の整備や利用に加え、多様性研究材料セットの選定など育種や栽培研究の効率化に利用できる技術の開発を進めてきました。これらの成果は、この作物がもつ幅広い遺伝的多様性を活用した優れた品種の開発を通じて、アフリカの食料不足・貧困問題の解決へ貢献すると期待されています。

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    239. フードシステムによる生物多様性喪失へのインパクト

    2021年2月、イギリスのシンクタンクChatham Houseが、「フードシステムによる生物多様性喪失へのインパクト」報告書を公表しました。 過去半世紀、我々のフードシステムは「食料をより安く」供給するためのパラダイムに支配されてきました。フードシステムの変革なしに、生物多様性喪失は加速し、人類の生存を維持することさえ不可能になります。2021年は、国連食料システム・サミットの開催も予定されており、フードシステム変革においてまたとない機会を提供してくれています。

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    238. 東・東南アジア地域の農産品から機能性食品の開発をめざす

    東・東南アジア地域は、在来農林水産物や伝統発酵食品など地域食料資源の宝庫です。国際農研では、これらの原料や製造方法、発酵微生物などにより生産された食品に含まれる未知の機能性成分の研究を通じて、人々の健康に役立つ機能性食品を開発につなげたと考えています。

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    237. 寒波と極渦 (polar vortex)

    2020年も2016年と並ぶ暑い年であったことが確定していますが、2020年末から2021年現在、北半球は数度の寒波に襲われています。米国での報道によると、これは極渦の崩れ(polar vortex disruptions)によるものとされています。1月に成層圏突然昇温(sudden stratospheric warming:SSW)が生じたのを機に、北極からの寒気がアメリカ、欧州、アジアに流れ込みやすくなっているようです。

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    236. SDG2 アドボカシーハブ:Good Food For All

    持続可能な開発目標(SDGs)の目標2「飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養の改善を実現し、持続可能な農業を促進する」を達成するために、多くのセクターが活動しています。セクターを超えた全体の調整を目的に設立されたのがSDG2アドボカシーハブであり、「すべての人に良い食料を(Good Food For All:GFFA)」を謳っています。

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    235. 21世紀の森林におけるカーボン変動のグローバル・マップ

    気候変動対策へ向け、世界は脱炭素化―カーボン・ニュートラル―のための具体的な対策を模索しています。気候変動緩和策における森林管理の役割は非常に大きく、二酸化炭素を吸収し、酸素を生み出すことで、地球上の生命を支えています。様々な関係者の活動がもたらす空間的なインパクトを把握するためのマッピング・ツール、データモニタリングが不可欠です。2021年1月、Nature Climate Change誌に、21世紀の森林におけるカーボン変動のグローバル・マップに関する論文が公表されました。

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    234. 国際的な研究ネットワークで社会貢献を目指す -イネいもち病研究を通してー

    国際農研は、開発途上地域の研究者や技術普及員と一緒になって現場の問題を解決したり、解決に向けた支援をしたりすることが一つの役割です。今回、国際農研が行うイネいもち病を克服するための国際的なネットワークを紹介します。

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    233. 最近の世界食料価格動向

    国連食糧農業機関 (FAO)によると、2021年1月、FAO食料価格指標は前月から4.3%上昇し、2014年7月以来の高水準となりました。この背景には、世界貿易の取引高が急拡大し、世界食料備蓄が急激に逼迫したという事情があります。

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    232. 日々の気温変動による経済成長への影響

    気候変動は地球規模での気温上昇をもたらすことで、干ばつ、洪水、森林火災、熱波やスーパー台風などを引き起こしています。気候変動研究では毎年の平均気温変化が経済抑制効果を持つことについて議論される一方、日々の気温変動のインパクトについては十分論じられてきませんでした。2021年2月、Nature Climate Change誌にて公表された論文は、日々の気温の乱高下は経済成長を抑制し、とりわけ低緯度の低所得地域が最も脆弱であると論じました。

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    231. 田んぼから温室効果ガスを減らす

    お米を作る際に地球温暖化の原因となる温室効果ガス(メタン)が排出されているのをご存知でしょうか。国際農研では田んぼの水管理法によってメタンを減らす研究を行ってきましたが、なんとその方法で米の収量も増えるのです。今回、ベトナムで行っているこの栽培技術による農家の利潤や環境への影響について行った現地調査を紹介します。

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    230. 病気に強い大豆をつくる

    世界の大豆の半分以上が南米3カ国ブラジル・アルゼンチン・パラグアイで生産され、現地ではダイズさび病が大きな問題となっています。国際農研は、国内外の研究機関とさび病菌に強い大豆の開発を行っており、パラグアイでは現地の機関とさび病に強い品種の開発に成功しました。

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    229. フードシステムを通じた栄養改善についての政策提言

    ロンドン大学シティ校食料政策センターが昨年12月に公開したポリシーブリーフでは、「フードシステムをすべての人がより健康的な食生活を送る方向に向けるための42の政策と行動」が提言されています。農業に関する提言では、農民による栄養ある作物栽培・販売支援のための普及システム・インフラ・教育の強化や、栄養ある作物栽培からの所得向上を促進する農業開発プログラムの改編、研究に関する提言では、育種における栄養価改善重視が謳われています

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    228. サブサハラアフリカでのインデックス保険によるリスク管理

    農業分野における天候インデックス保険では、例えば作期中の降雨量が通常の収穫に必要とされる降雨量を下回った場合に保険料が支払われます。しかし、モデルによる被害規模の推定に失敗すると農民への支払いが滞ります。このような問題を解決する一手として、近年目覚ましく進歩してきている作物モデルやリモートセンシング技術を使ったインデックス保険の改良が提案されています。

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    227. 米国が気候変動に対してリーダーシップを発揮する4つの方法

    気候変動対策のための国際協調において、ビックプレイヤーである米国の動向は注目に値します。マイクロソフトの共同創業者のビル・ゲイツ氏は、バイデン大統領のパリ協定への再参加決定を歓迎し、彼のブログGates Noteの中で『米国が気候変動に対してリーダーシップを発揮する4つの方法(4 ways the U.S. can reassert leadership on climate change)』をまとめました。

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    226. 国連海洋科学の10年

    2021年、国連の「持続可能な開発のための海洋科学の10年」がはじまります。海洋は、我々の地球で最大の面積を占めるエコシステムであり、気候安定化、炭素貯留、酸素生成、想像を超える生物多様性の育成、そして食料・鉱物・エネルギー資源および文化・リクリエーション価値を通じて人類の福祉に貢献しています。

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    225. 世界および地域レベルでの土地利用変化をもたらす要因

    人類による土地利用は、エコシステムを改変し、生物多様性を劣化させ、炭素・窒素サイクルを攪乱させ、大気に温室効果ガス(GHG)を排出してきました。2021年1月、Nature誌にて、1961年~2017年の期間における土地利用からのGHG排出トレンドについて地域・セクター別の要因分析を行った論文が発表されました。2017年には土地利用からのGHG排出は人為的なGHG排出の約25%程度を占めましたが、その原因は地域ごとに大きく異なりました。