現地の動き - Pick Up

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    408. ネット・ゼロ概念

    気候変動対策に対する国際的な議論において、ネット・ゼロという言葉が話題になります。ちょうど昨年10月末、日本政府も2050年までにカーボンのネット・ゼロ排出達成を目指すことを表明しました。ネット・ゼロは、化石燃料等の使用でカーボン1トンを排出するごとに、大気中からのカーボンを植林等により1トン吸収固定する、というイメージで理解されます。しかし、永遠に石(rocks)を木(trees)に転換し続けることは不可能であり、生物圏を含む自然を保全しつつ、化石燃料の使用を削減していく必要があります。
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    407. 2020年、大気中の温室効果ガス濃度、および、アジアにおける気温は過去最高値を記録

    10月25日、世界気象機関(WMO)は、2020年に大気中の温室効果ガスの濃度が記録を更新していると発表しました。10月26日には、同機関が2020年アジア気候白書を発表、アジアは過去最高の気温を記録したことを報告しました。アジアの食料・栄養安全保障状況の改善には、極端気象のリスクに強靭で、かつ気候変動を緩和するイノベーションが必要となります。とりわけ、食料の生産性を維持しながら、農業由来の温室効果ガス削減を可能にするようなイノベーションを、各地域の事情に合わせて適応していく必要があります。
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    406. 食料主権とは

    フードシステム変革が叫ばれる昨今ですが、その議論の中で耳にする言葉に、「食料主権(food sovereignty)」があります。食料主権は、食料安全保障(food security)としばしば対比されます。互いの定義が変化してくるにつれ、相反しない概念になってきましたが、食料安全保障は飢餓や栄養不良を理解するための説明的な概念やツールであり、食料主権は政治戦略が付随する点が異なるとも言われています。
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    405. 気温上昇抑制の1.5℃目標

    パリ協定、また10月31日から開催されるCOP26でも、平均気温の上昇を産業革命前と比べて2℃より十分低く、可能な限り1.5℃以内に抑えることが議論されています。2018年に公表された「IPCC 1.5℃特別報告書」によると、1.5℃温暖化の世界では、現在よりも気候関連リスクが高まりますが、2℃温暖化の場合よりは低く抑えられ、適応策策定の時間稼ぎが可能となります。1.5℃を大きく超えないためには、エネルギー・土地利用・都市・インフラ・産業における急激で広範なシステム移行が必要となります。
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    404. JIRCAS国際シンポジウム2021 プログラム公開・参加登録開始

    令和3年11月17日に開催するJIRCAS国際シンポジウム2021の参加登録を開始しました。今年のテーマは、アジアモンスーン地域における持続的な食料システム実現に向けたイノベーション ―「みどりの食料システム戦略」に資する国際連携に向けたプラットフォーム―  です。持続的な食料システム実現に向けて、研究機関や大学の関係者、さらに環境に関心を持つ一般の方とともに考える場を提供いたします。
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    403.アフリカにおける気候変動の影響

    2021年10月19日、世界気象機関(WMO)は、2020年アフリカ気候白書(The State of the Climate in Africa 2020)を公表しました。アフリカにおける気象・気候の変動は増し、経済・生態系・社会システムの攪乱をもたらしています。気候変動の影響でとくに象徴的なのが氷河の融解で、現在のペースでいくと2040年代までに氷河が消滅しかねないとされています。アフリカにとって、気候変動に実効性のあるパンデミックからの持続的でグリーンな回復を目指すことが重要です。
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    402. 野菜と果物の栄養改善への貢献とフードシステムにおける課題

    今年は国連の定める国際果実野菜年です。アジアとアフリカの何百万人もの人々は、食料不足ではなく、健康的な食料の不足に苦しんでいます。野菜や果物は、栄養価は高いにしろ高価であり、容易に入手できません。長い間、農業や開発の政策では穀類に注目しカロリーを充たすことに重点が置かれていました。野菜をとりあげるにしろタマネギとトマトだけで、もっと健康的な葉物野菜は注目されていませんでした。ワーヘニンゲン大学らは、低中所得国のフードシステムにおける野菜と果物の消費状況を調査し、この考え方を変える必要があると述べています。
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    401. サバクトビバッタの特異な繁殖行動を解明 -農薬使用量の減少に繋がる効率的な防除が可能に-

    サバクトビバッタは、西アフリカからインドにわたる半乾燥地域に生息していますが、しばしば大発生し、深刻な農業被害を引き起こします。国際農研では、サバクトビバッタの生態に基づく効率的な防除技術を開発するための研究を行っています。この記事では、農薬使用量の削減に繋がる、サバクトビバッタの繁殖行動を解明した研究についてご紹介します。
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    400. 地球システム、食料問題、イノベーション

    10月16日はWorld Food Day 世界食料デーであり、今日の食生活をささえる生産・消費の在り方が、我々の地球と人類の健康に多大な負荷をもたらしていることについて啓発活動が行われました。9月に開催された国連食料システムサミットにおいても、地球と人類に資する食料システムの転換を促すためのイノベーションの重要性が議論されてきました。Pick Up 400回目を機に、地球システム・食料問題・イノベーションの関係について、地理学者であるルース・ドフリース教授の議論を紹介します。
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    399. 稚エビの新しい生産技術開発~基礎研究と応用研究の両立~

    エビにはたくさんの種類がありますが、世界で最も多く養殖されているのはクルマエビ科のバナメイエビです。巨大化したエビ養殖産業を支えている現在の生産方法は、親エビへの負担が大きく、効率も良いとは言えません。国際農研では、生物学的な知見にもとづき、エビに優しく効率も良い新しい成熟促進技術を開発するための研究を推進しています。
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    398. 開発途上国地域での活用が期待される農業IoTソリューション

    開発途上地域の気候変動問題や農業労働人口の制約に起因する食料問題の解決に向けて、先端技術やデジタル情報の活用による農業の省力・軽労・効率化を可能とするスマート農業技術への期待が高まってきています。
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    397. 国際防災デー 2021: 開発途上国における災害リスクや損失削減のための国際協力

    10月13日は国際防災デー(International Day for Disaster Risk Reduction)です。災害は農業への影響を通じ、食料栄養安全保障に大きなインパクトをもたらします。直接的な影響は作物・畜産生産量の減少ですが、農民への経済ロスにとどまらず、バリューチェーンを通じ、その影響はセクター・経済全体に及びます。2021年の国際防災デーでは、開発途上国における災害リスクや損失削減のための国際協力がテーマとなっています。

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    396. CGIARにおける日本・日本人研究者の科学的貢献をJARQで情報発信

    CGIARは、開発途上国の農林水産業の生産性向上、技術発展を目的に1971年に設立された国際組織であり、傘下の15の国際機関(2020年現在)が独立した研究機関として機能し、作物、畜産、森林、漁業および自然資源管理など多様なテーマに即し、国際農業研究のフロンティアとして世界の食料・環境問題解決に貢献してきました。CGIARが2021年に設立50周年を迎えることを機に、CGIAR機関における日本・日本人研究者の科学的貢献とその主要な成果を、Japan Agricultural Research Quarterly(JARQ)の特集号として取りまとめ、今回、すべての論文の要旨を国際農研ホームページ上に公表しました。
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    395. 国連食料システムサミットと東京栄養サミット2021の相乗効果

    昨年12月から「成長のための栄養の行動年」が始まっています。これまでもお伝えしてきた通り、本年9月には国連食料システムサミットが開催されました。そして、12月には東京栄養サミット2021が開催されます。これらの2つのサミットは、すべての人が2030年までに安全で手頃な価格で栄養価の高い食品にアクセスできるようにするというミッションに共に関わり、全ての関係者が団結して積極的に参加することの必要性を訴えています。
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    394. プロジェクト紹介:「研究成果の実用化と事業展開を実現する民間連携モデルの構築」(実用化連携)

    これまでに国際農研により創出された研究成果は、対象国の研究機関や行政機関等によって技術普及・定着が図られてきました。しかし、研究成果の迅速な普及や自らの研究活動の発展に貢献した事例は限られていました。実用化連携プロジェクトでは、国際農研の初チャレンジとして、国内外の民間企業等との多様な連携を通じて、対象国・地域に適応する技術の最適化を図ることにより、国際農研が創出した研究成果の普及および研究活動の活性化に資するためのビジネスモデルを構築します。
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    393. 迫りくる水の危機に備えよ

    気候変動による洪水・干ばつや、気温上昇による世界・地域レベルでの降雨パターンの変化は、農期の変化を通じ、食料安全保障および人々の福祉に大きな影響を及ぼすようになっています。10月5日、世界気象機関(WMO)は、「水」にフォーカスを当てた気象サービス白書2021年を公表、持続可能な開発目標、気候変動適応、災害危機緩和に向けた政策整備・投資の緊急性を訴えました。
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    392. 国際協力の日

    10月6日は『国際協力の日』です。1987年に外務省と国際協力事業団(現:国際協力機構JICA)によって定められました。国際農研は、1970年に熱帯農業研究センターとして創立して以来、半世紀にわたり、熱帯または亜熱帯に属する地域やその他の開発途上地域における農林水産業分野の国際共同研究を牽引し、現在では29カ国66の研究機関と共同研究を実施しています。さらに、これらの地域の研究機関等と行う共同研究を推進するために、共同研究先の管理者や研究員を日本に招へいする事業も行っています。

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    391. 気候変動枠組条約締約国会議(COP26)への道

    2021年10月31日から11月12日かけて、イギリス・グラスゴーにて、第26回気候変動枠組条約締約国会議(Conference of Parties: COP26)が開催されます。この会議は、国際社会が気候の緊急事態を制御しうる最後のチャンスともみなされています。気候変動対策は地球規模での対応が必要となり、 COP26に向けて多くの国が野心的な目標を掲げつつありますが、開発途上国の中にはキャパシティへの支援を必要とする国が多いのも事実です。

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    390. サトウキビを病気から守る

    サトウキビ白葉病(はくようびょう)は、砂糖の輸出量が世界第2位のタイを中心に、アジア各地のサトウキビ生産に大きな被害を出しています。この記事では、国際農研が現地研究機関などと共同で行った、サトウキビ白葉病の防除法開発に関する研究に加えて、現地での研究生活の一部をご紹介します。
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    389. 気候変動と持続可能な開発目標(SDGs)の関係

    2021年9月、世界気象機関(WMO)は、気候変動と持続可能な開発ゴールとの関係性を示した報告書(Climate Indicators and Sustainable Development: Demonstrating the Interconnections)を公表しました。報告書は、二酸化炭素の大気濃度、気温、海洋酸性化といった7つの指標とSDGsの関係を示すことで、貧困・不平等・環境劣化といった問題の解決における気候変動対策の重要性・緊急性を訴えました。17のSDGsゴールのうち、7つの全指標から影響を受けるのは、SDG 2「飢餓をゼロに」であり、科学技術イノベーションを活用して気候変動適応・緩和策に取り組んでいく必要性があります。