現地の動き - Pick Up

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    1124. 近年の大気中メタン急増は、湿地・廃棄物・農業由来の微生物源からの排出増による

    大気中のメタンガスの増加は、2020年から2022年にかけて過去最高の増加を記録しました。今回、PNASで発表された論文は、近年の大気中メタン急増は、主に湿地・廃棄物・農業由来の微生物源からの排出量増加によって引き起こされたと推計しました。
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    1123.気候変動に関連する森林火災由来温室効果ガス排出量の増加

    人為的な気候変動により、森林火事はより大きく、より激しく、より一般的になりましたが、その要因分析はしばし困難です。Science誌に公表された論文は、機械学習のアプローチを使用し、全球森林パイローム(pyromes: 仮訳-比較的均質な火災特徴を有する地域)ごとに、気候・人為的要因・植生に対する感度の違いを分析した結果、気候変動の下で熱帯地域外(the extratropics)の森林火災の排出量が大幅に増加していることを明らかにしました。
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    1122. 水循環はグローバルコモンズである

    世界は洪水・干ばつなどの水災害の頻発化に直面しており、このような水循環バランスが崩れた事態は、人類史上初めてといえます。全ての人々にとって公平で持続可能な未来の実現には、水循環の安定性の復元が喫緊の課題です。水の経済学に関するグローバル委員会(Global Commission on the Economics of Water)は、水循環をグローバルコモンズとして認識することの重要性を訴えました。
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    1121. 国連生物多様性条約COP16がコロンビアで開催

    2024年10月21日から11月1日まで、コロンビアのカリにおいて、国連生物多様性条約(CBD)第16回締約国会議(COP16)が開催されます。今回のテーマは、自然との講和(Peace with Nature)で、各国政府だけでなく、地方自治体、企業、女性・若者及び先住民を含む一般市民が一堂に会し、「自然と共生する世界」という2050年ビジョン実現に向けた行動を加速します。
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    1120. 気候のオーバーシュートに対する過信

    最近公表された研究は、2023年の世界平均気温を押し上げたのはエルニーニョが主要な要因であり、人為的な温暖化の影響はあるものの急激な気温上昇の原因とはなっていないとしています。一方、世界の温室効果排出削減努力は、パリ協定の気温目標を達成するには依然として不十分であり、目標とされる地球温暖化の限界を一時的に超える(オーバーシュート)経路を想定した議論が行われています。Nature誌で公表された論文は、オーバーシュート後に気温低下が達成できる保証はないとし、気候リスクの削減に向けた短期的・急速な排出削減を呼びかけました。
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    1119. 貧困撲滅のための国際デー

    貧困撲滅のための国際デー(International Day for the Eradication of Poverty)とは、国際連合が制定した国際デーの一つです。2024年ノーベル経済学賞に、繁栄する豊かな国と貧しい国との違を決定づける政治的な制度の重要性を指摘した研究者が選ばれましたが、社会的・制度的虐待の撲滅に向け、公正・平和・包摂的社会のための協同が必要です。
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    1118. 世界食料デー2024

    世界食料デーとは、国際連合が定めた世界の食料問題を考える国際デーです。2024年のテーマは、「食への権利を、より良い生活と未来のために」(Right to foods for a better life and a better future) です。
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    1117. 東南アジア連絡拠点だより④:タイの有機農業を見学

    令和6年9月10日(水)および11日(木)、千葉大学千葉大学国際教養学部4年生の学生4名とともにバンコク郊外で有機農業を営む農家5軒を見学しました。
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    1116. 2024年気候報告書: 地球における危険な時代

    10月8日、BioScience誌に、2024年気候報告書: 地球における危険な時代(The 2024 State of the Climate Report: Perilous Times on planet Earth)との論考が発表されました。そのメッセージを紹介します。
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    1115. 世界の干ばつ事情

    9月末、欧州連合が発表したレポートによると、深刻な干ばつは現在世界の広い地域に影響を及ぼしています。エルニーニョ・南方振動(ENSO)とインド洋ダイポールモード現象の強い正の状態、および気候変動があいまって、世界の広い範囲で農業生産性に負のインパクトを及ぼし、緊急の食料安全保障危機に関する懸念が高まっています。気候変動に対し、農業の強靭性維持に貢献するのが、作物遺伝資源の多様性です。10月11日、作物遺伝資源多様性保全への多大な貢献により、2024年世界食糧賞を受賞するキャリー・ファウラー博士の特別シンポジウムをハイブリッド開催します。
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    1114. 2020年から2022年のメタン急増の要因は湿潤熱帯地方の湿潤状態に起因

    大気中のメタンガスの増加は、2020年から2022年にかけて過去最高の増加を記録するなど、過去10年間で加速しています。PNAS誌で公表された論文は、湿潤熱帯地方の湿潤状態が2020年から2022年のメタン急増を引き起こしたことを示しました。
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    1113. 最近の世界食料安全保障事情

    世界銀行のブログによると、国内食料価格のインフレ率は、多くの低・中所得国で高止まりしています。世界食料安全保障に影響を与える要因として、記録的な高温が商品作物市場にもたらすインパクト、またロシアのウクライナ侵攻後に急増する貿易関連規制が指摘されています。
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    1112. 2024年9月 世界食料価格動向

    国連食糧農業機関(FAO)は、10月4日、世界食料価格動向を公表しました。2024年9月の値は平均124.4ポイントで、8月から3%上昇と、2022年3月以来の月別価格指標上昇率を記録しました。価格指標に含まれるすべての商品価格が上昇し、その上げ幅は食肉価格の0.4%から砂糖価格は10.4%も上昇しました。明日10月8日、FAOチーフエコノミスト マッシモ・トレロ氏の特別セミナーをオンライン開催し、昨今の世界食料安全保障事情についてご講演いただき、パネリストおよび参加者と意見を交わします。
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    1111. 2024年世界食糧賞:作物遺伝資源の多様性

    気候変動・パンデミック・紛争・地球壊滅の危機に対し、長期的に世界の食料安全保障を維持する上で、作物遺伝資源の多様性は決定的に重要な役割を果たします。来週10月11日(金)開催の、特別シンポジウム『2024年世界食糧賞受賞者 キャリー・ファウラー博士特別シンポジウム』は、レジリエントな食料システム構築に資する研究の最前線に関する知見について意見交換を行う機会を提供します。
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    1110. 効果的な気候政策

    パリ協定の気候目標を達成するには、どんな気候政策が温室効果ガス排出削減に効果的かどうかの知識が求められます。Science誌に公表された論文は、1500気候政策について、機械学習を用いて評価し、二酸化炭素削減に貢献した63の政策を同定しました。
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    1109. 科学技術イノベーションに関するコミュニケーション

    気候変動が加速し、環境問題も山積していく中、人口増により今後も世界食料需要をけん引していくグローバルサウスの農林水産業動向は、世界および日本の食料安全保障にとっても重要な課題です。グローバルサウスの農林水産業における科学技術イノベーションの重要性を伝える際に、コミュニケーションの工夫が必要です。
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    1108. 食料システムのリスクとその対応

    今日の食料システムは、不確実性のもと、様々なリスクを抱えています。食料安全保障の維持には、不確実性を取り除く国際協調と、強靭で持続的な食料システムを構築していくための科学技術イノベーション、および行動変容による、全方位的な対策が求められています。来週10月8日(火)開催予定の、国際連合食糧農業機関(FAO)チーフエコノミストのマッシモ・トレロ氏を招いた特別セミナーでは、世界食料安全保障の確立 および強靭な食料システム構築に向けた戦略的な国際協力の在るべき姿について意見を交わす場を提供します。
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    1107. 微生物・プラネタリーヘルス・SDGs

    細菌、古細菌、ウイルス、真菌、原生生物などの微生物は、地球上の生命と生物圏の機能に不可欠です。Cell誌で発表された論文は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成における微生物の主な役割について議論し、持続可能な未来への移行を促進する微生物の研究と技術の最近の進歩について論じています。
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    1106. 食料のロスと廃棄に関する啓発の国際デー

    週末、9月29日は、食料のロスと廃棄に関する啓発の国際デー(International Day of Awareness on Food Loss and Waste Reduction)です。今年は、気候目標の達成に貢献し、持続可能な開発のための2030アジェンダ推進がテーマです。
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    1105. 地球システムバウンダリーの定量化

    すでに、人々の活動は、地球にとっても人にとっても危険な領域に達しているようです。本日は、地球システムバウンダリーの概念と共にLancetプラネタリーヘルス誌に掲載された報告書(Gupta et al. 2024)をご紹介します。