現地の動き - Pick Up

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    1101. エリアンサスの高い水利用効率を支える代謝物

    糖料・エネルギー作物であるサトウキビは、近代品種間の交配により遺伝的基盤が脆弱であり、近縁遺伝資源であるエリアンサス(Erianthus arundinaceus)を用いた属間交配による遺伝的基盤の拡充および環境ストレス耐性の改良に期待が高まっています。このたびPlanta誌で公表された論文は、これまで漠然と理解されていたエリアンサスの高い耐乾性について、気孔密度が少なく特異的な代謝物を蓄積することによる高い水利用効率が貢献している可能性を見出しました。
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    1100. 2024年夏は史上最高に暑かった

    9月11日、アメリカ航空宇宙局(NASA)は、2024年8月が新たな月別最高気温を更新、6・7・8月の平均気温が昨年の記録を0.1℃上回り、この夏が1880年来の観測史上で最も暑かったと発表しました。
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    1099. 米国国務省キャリー・ファウラー博士のシンポジウムを10月11日東京で開催

    国際農研は、令和6年10月11日(金)に特別シンポジウム『2024年世界食糧賞受賞者 キャリー・ファウラー博士特別シンポジウム:作物遺伝資源多様性保全に捧げたキャリアと適応作物と土壌のための新ミッション』を東京大学弥生講堂にて開催します。
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    1098. 国際連合食糧農業機関(FAO)チーフエコノミスト特別セミナー 10月8日に東京にて開催

    国際農研は、外務省および農林水産省と共催で、国際連合食糧農業機関(FAO)チーフエコノミストのマッシモ・トレロ氏を招いた特別セミナー『世界食料栄養安全保障及び強靭な食料システム実現のための優先的政策・投資オプション』を令和6年10月8日(火)に東京にて対面開催します。
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    1097. 過去5年間メタン排出がこれまでにない速さで増加

    メタン(CH4)は気候変動の原因となる強力な温室効果ガスです。グローバル・メタン・プレッジのもと、150か国以上の国々が10年間でメタンを30%削減すると宣言しましたが、9月10日に発表された研究によると、過去5年間メタン排出がこれまでにない速さで増加、とりわけ農業と廃棄物由来の排出が多くを占めました。
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    1096. 気候とSDGのシナジー

    SDG目標の80%以上が気候と関連するという事実を踏まえれば、気候変動とSDGsの目標達成に向けてバラバラに対応する余裕は残されていません。第5回グローバルシナジー会議(the Fifth Global Synergy Conference)、および「国連未来サミット」(The UN Summit of the Future)のテーマの一つ、気候変動対策と持続可能な開発目標のシナジー最大化の戦略を掲げた国連の報告書を紹介します。
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    1095. 2024年8月 世界食料価格動向 

    国連食糧農業機関(FAO)は、9月6日、世界食料価格動向を公表しました。2024年8月の値は平均120.7ポイントで、砂糖・食肉・穀物価格指標の下落が植物油・乳製品価格の上昇を上回ったことで、前月よりごく僅かに下落しました。この値は前年比で1.1%低く、歴史的に最高値160.3ポイントを記録した2022年3月に比べ24.7%低い値にとどまりました。
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    1094.タイ科学技術博覧会2024に出展、国際農研の貢献が表彰されました

    タイ科学技術博覧会は、年に1回開催されるタイ国最大の科学技術展覧会です。今年は8月16日から25日までの10日間、ノンタブリ県内のインパクト展示会議センターで開催されました。会期中、現地の小中学生、高校生を主として約20万人の来場者がありました。
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    1093. 2024-34年の世界食料安全保障見通し

    アメリカ合衆国農務省(USDA)は、マクロ経済モデル・83か国の低中所得国の需要予測にもとづき、2024-34年の世界食料安全保障見通しを発表しました。短期的な懸念材料はあるものの、旧ソ連諸国や南・東南アジア地域での一人当たりGDP改善により、83か国対象国における食料安全保障の危機に直面する人々は2023年の人口比19%から2034年までに人口比5.5%に改善することが予測されています。一方、83対象国平均で、次の10年間に穀物需要は年率2.4%増加する見込みで、その要因はアジアでは所得成長であるのに対し、サブサハラアフリカでは人口増と推計されています。
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    1092. 健康・持続的かつ文化的に適切な食生活

    我々の食料システムの環境インパクトを削減し健康を向上するうえで、食生活を変えることは最も重要なアクションの一つです。Nature Food誌の論説は、健康で持続的な食生活を推進するにあたり、対象地域の人々の文化的遺産・価値観・嗜好に配慮する必要があると論じています。
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    1091. 損失と損害のためのアトリビューション科学

    世界中で極端気象が起こる中、とりわけ適応能力の低い途上国が打撃を受けるようになっています。これを受け、損失と損害(Loss and Damage)のための基金を早急に立ち上げる必要性が叫ばれています。PNAS Nexus誌で公表された論文は、投資の意思決定に貢献するとして、極端現象と気候変動の因果関係を分析するアトリビューション手法と複数のエビデンスを統合するビジョンを提案しました。
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    1090. 「人新世」概念の意義

    地質学会等を中心に2009年以来、「人新世」を新たな地質時代とする議論が行われてきましたが、その提案は2024年3月に地質学会小委員会で否決されました。ただし、20世紀半ば以降に地球システムを大きく変化させてきた人為的な現象を反映する「人新世」概念は、自然・社会科学・人文科学・政策にとって有用であることは確かです。8月26日のNature誌論説は、「人新世」の意義を論じました。
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    1089. 2023年の気候に関する記録

    アメリカ気象学会の科学誌(Bulletin of the American Meteorological Society (BAMS))にて2023年世界気候白書が公表され、大気中の温室効果ガス濃度、陸域・海域の世界平均気温、海水面、海洋熱量が過去最高水準を記録したと発表しました。
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    1088. 古代の野生近縁種が気候変動に強いコムギ生産システムの鍵を握る

    何百万年もの間、変化する気候を生き抜いてきた作物の野生近縁種が、人類が最も広く栽培している作物であるコムギを気候変動に適応させるための解決策を提供するかもしれません。国際トウモロコシ・コムギ改良センター(CIMMYT)が主導する2つの新しい研究は、この古代の遺伝的多様性を利用することで、コムギの育種に革命をもたらし、世界の食料安全保障を守ることができることを明らかにしました。2024年8月27日に公表された、CIMMYT & Crop Trustプレスリリース の内容を紹介します。
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    1087. 世界食料安全保障に向けたAIの活用

    近年、農業食料部門においても、人工知能(AI)への期待が高まっています。Artificial Intelligence in Agriculture誌に掲載された論文は、AIを活用することで、食品の生産・流通・管理の在り方を抜本から変え、食料安全保障と持続的な未来を保障する可能性を強調しました。
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    1086. 食品ロスと廃棄

    世界人口の29%が中程度または重度の食料不安に陥っている世界において、食品ロスと廃棄が総食料生産の約3分の1に達しているという事実を受け入れることは困難です。Nature Food誌は、食料システムにおけるロス・廃棄の問題の根本的な要因・インパクト・解決策に関する議論を紹介しています。
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    1085.炭素の社会的費用における所得加重

    炭素の社会的費用(Social Cost of Carbon Dioxide: SCC)は、追加的に二酸化炭素が排出されることで社会が追加的に受ける被害を指し、その水準は気候変動への対応を進めるための強力な指針となります。Science誌に公表された論説は、米国の気候変動のグローバルなインパクトに配慮した所得加重の新ガイドラインによりSCCが大幅に高くなることを示し、米国の気候政策に大きな影響を及ぼす可能性があると論じています。
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    1084. 生物多様性および気候変動に同時に取り組む必要性

    今年後半、世界のリーダー達が、生物多様性の喪失および気候変動に取り組むため、2つの別々の国際会議に招集されます。Journal of Applied Ecology誌に掲載された論文は、生物多様性および気候変動に同時に取り組む必要性を訴えました。
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    1083. プラネタリートラスト:世代間公平性に向けた共通認識の基盤づくり

    国連が2024年9月に開催予定の「未来サミット」(The UN Summit of the Future)に向け、地球システム維持における世代間の公平性(Intergenerational equity)実現に向けた基盤づくりとして、プラネタリートラスト概念に注目が集まっています。
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    1082. 食料システム変革介入評価法の課題

    食料システム変革の過程は複雑で予測不能です。The Journal of Nutrition誌に公表された論文は、食料システム介入のインパクト評価を厳密に実施するうえで、「変化の理論Theories of Change」を用いて介入によるトレードオフやシナジー及び意図しない帰結を含む様々なアウトカムを想定し、複数の手法を用いた柔軟な介入・評価手法設計を行うことの重要性を提案しました。