現地の動き - Pick Up

現地の動きから検索

  • Pick Up

    1244. 土壌の健全性が作物収量と窒素利用効率に与える影響

    世界人口80億人の食料生産を支えるため、年間1億2000万トン以上の窒素肥料が投入され、大気や水質の悪化、生態系の健全性、気候の安定性など、深刻な環境問題を引き起こしています。窒素利用効率(NUE)を高めて作物の収量を向上させ、同時に環境中の窒素過剰を抑制することは、地球の持続可能性にとって不可欠です。Nature Food誌で発表された研究は、土壌、気候、圃場管理慣行に関する高解像度の世界的データを統合し、土壌の健全性が農業生産性に及ぼす影響を体系的に評価し、食料安全保障と環境の持続可能性の両方を達成するために、土壌の健全性管理が重要であることを示しました。
  • Pick Up

    1243. 東南アジア連絡拠点だより⑧:タイの正月料理『カオチェ』

    タイの旧正月は『ソンクラン』と呼ばれ、4月13日から15日が祝日になります。別名『水かけ祭り』とも言われていて、皆で水を掛けあって新年を祝います。そんなソンクランの時期に食べる伝統料理があるのをご存じでしたか? 
  • Pick Up

    1242. 科学と政策の橋渡し

    気候変動、紛争、生物多様性の喪失、そして飢餓といった課題に迅速に対応するための政策策定において、食料システム科学の役割がこれまで以上に必要とされています。一方、多くの政策策定者にとって、科学を適用するにあたり、政策に必要な適切なデータや情報、そして明確さと実用性の欠如がしばし問題になるようです。世界最大のグローバル農業イノベーションネットワークであるCGIARは、科学を政策に結びつける取り組みの一環として、意思決定者のための食料システム科学の活用ガイドを発表しました。
  • Pick Up

    1241. アースデー2025

    生物多様性の破壊を伴う人為的な自然の改変は、地球を支える生態系の機能を損ねる可能性があります。4月22日アースデーは、地球が直面する様々な環境危機に対する行動を促す啓蒙の機会を提供します。
  • Pick Up

    1240. オーバーシュートに関する議論

    多くの国や企業の気候目標は、パリ協定目標を目指していますが、地球温暖化が1.5℃を超えることはほぼ避けられないと考えられています。レビュー論文にもとづき、『オーバーシュート』、すなわち、一定期間にわたり1.5℃という温暖化限界を超えるものの、一定期間内にその限界以下に戻る地球温暖化の軌跡、の概念について紹介します。
  • Pick Up

    1239. 国際農研の一般公開が6年ぶりに対面開催!

    明日、2025年4月19日(土)、世界中を駆け巡りながら研究に取り組む研究者たちがブースに立ち、研究内容をご紹介します。最前線の研究者と対話できる貴重な機会ですので、ぜひお気軽にお声がけください。
  • Pick Up

    1238. 地球温暖化によって海面熱波の持続期間が増加

    海洋熱波は、海洋生物に深刻な影響を及ぼす、温暖な海水が持続的に続く極端な気候現象です。これらの現象は、人為的な地球温暖化を受けて、より激しく、より長く、より頻繁に発生しています。4月14日に米国科学アカデミー紀要(PNAS)に公表された論文は、地球温暖化によって海洋が極端な表面熱状態を経験する年間日数が3倍に増加していることを示しました。
  • Pick Up

    1237. 気候変動インパクトの社会的側面

    最も貧困で脆弱な人々は、気候変動の原因にもっとも関与していないにもかかわらず、異常気象の影響を最も強く受ける傾向があります。気候変動と世界的な不平等のパターンの関係について論じた、世界銀行の考察を紹介します。
  • Pick Up

    1236. 健康な老化のための食生活

    世界では高齢化が急速に進行しており、不健康な食生活に起因する非感染性疾患の蔓延が医療システムへの負荷をさらに増大させる懸念に対し、健康的な食生活の促進は世界的な優先事項です。Nature Medicine誌に掲載された最近の論文は、最長30年間の追跡調査データを精査した結果、植物性食品を多く含み、健康的な動物性食品を適度に含む食生活パターンが、健康的な老化を促進する可能性を示唆しました。
  • Pick Up

    1235. 2025 年 3 月は史上2 番目に暖かい3月だった

    EUのコペルニクス気候変動サービスによると、2025 年 3 月は世界的に史上 2 番目に暖かい 3 月で、産業革命以前の水準より 1.60°C 高くなりました。また、北極の海氷は、衛星記録がある47年間で3月の月間最低面積を記録し、平均より6%低くなりました。
  • Pick Up

    1234. 連絡拠点だより⑦:タイの甘酒『カオマーク』

    日本では飲む点滴とも呼ばれ、美容効果もあるといわれている甘酒。実はタイにも『カオマーク』と呼ばれる甘酒があります。
  • Pick Up

    1233. 気候モデリングの未来

    天気予報とは対照的に、気候予測はリアルタイムで検証できないため、物理学的なモデルの構築に依存してきました。npj Climate and Atmospheric Scienceで公表された論文「気候モデリングの未来The futures of climate modeling」は、気候モデリングの現状と、将来の展開について考察しています。
  • Pick Up

    1232. ネイチャーベースドソリューションの実現可能性

    ネイチャーベースドソリューション(Nature-based solutions )は、とりわけ気候変動の影響と食料システムの非効率性という二重負荷に直面する脆弱な国々に有望な機会を提供し、世界の食料システム変革の道筋を提供することが期待されます。ただし、その技術的実現可能性と経済的実行可能性はコンテクストに大きく依存するため、適切なインセンティブと導入を促進する政策的条件が求められます。
  • Pick Up

    1231. 人為的活動の生物多様性への影響

    生物多様性の変化は、地域から地球規模まで人間社会に重大な脅威をもたらしており、人為的な活動の生態系への影響の理解が緊急に必要であることを浮き彫りにしています。Nature誌で公表された論文は、公表論文を網羅的に分析し、ローカルからグローバルまでいくつかの空間スケールにわたり、人為的な生物多様性への影響を定量化し、人為的な影響を受けた調査地が参照調査地よりも互いに類似しているか(homogenization)、または異なっているか (differentiation) を評価し、また種の構成の変化も調べました。
  • Pick Up

    1230. 2025年3月 世界食料価格動向 

    国連食糧農業機関(FAO)は、4月4日、世界食料価格動向を公表しました。2025年3月の値は平均127.1ポイントで、2月とほぼ変わらずでした。穀物と砂糖の価格指数の低下が肉と植物油の価格指数の上昇を相殺し、乳製品価格指数は安定していました。全体として、価格指標は 1 年前の同水準より 6.9%高くなりましたが、2022 年 3 月のピークより 20.7%低い水準でした。
  • Pick Up

    1229. 地球規模の水循環の恒久的な変化

    地球の温暖化が地球の水循環(地球と大気の間の継続的な水の移動)にどのような影響を与えるかは、水資源管理と天気予報にとっても重要な問題です。Science誌で公表された論文は、複数の地球規模の地球物理学的データセットを統合することで、現在の気候変動下で陸上の水貯蔵量が恒久的に減少している証拠を提示しました。この証拠は、長期にわたる干ばつ状態と特定の地域での降水量の減少により、土壌水分の減少が不可逆的である可能性があることを示唆しています。
  • Pick Up

    1228. 気候と炭素循環のフィードバックの相互作用により、温暖化が大幅に促進される可能性

    世界経済の脱炭素化に向けた取り組みにより、世界の人為的排出量は、最も極端な排出シナリオからは乖離しつつあります。一方、Environmental Research Letters誌で公表された論文は、今後1,000年間の長期予測を行い、永久凍土の融解などの気候とメタンを含む炭素循環のフィードバックループを考慮すると、2℃の閾値を大幅に上回る気温上昇につながる可能性を指摘しました。
  • Pick Up

    1227. 古文書から学ぶこと(寳川通信6)

    国際農林水産業研究センターは、発展途上国など農林水産業に困難を抱える地域において技術開発から実証、社会実装までの一連の研究開発を担う研究機関です。それら各地域では、各地域特有の生産上の問題が生じており、柔軟かつ斬新な研究アイディアで課題解決の活路を見出す必要があります。そのようなアイディアは実は実際の生産現場での過去の取り組みからもヒントを得ることができます。今回は、江戸時代から続く四国のサトウキビ生産について文献調査を進めていく中で、当時の地場智慧の集約された古文書から学ぶことの重要性を感じたので報告します。
  • Pick Up

    1226. 気候変動が桜の開花に与える影響

    種の分布限界で観察される開花季節の長期記録は、気候変動が開花季節に与える影響を理解し、開花予測モデルを開発するのに役立ちます。特に温帯地域では、桜の開花のタイミングは、自発休眠解除のための寒冷曝露(低温要求性)と花芽の成長のための熱要求性のバランスによって決まるとされています。一方、昨年のような異常な暖冬や、今年のように日々の気温変動が大きい気象条件が常態化すると、桜の開花予測も難しくなっていくかもしれません。
  • Pick Up

    1225. アフリカで農家の経営コンサルティング

    アフリカでは稲作以外にもさまざまな分野で技術協力が行われており、その多くが特定の農産物の生産性や収入を上げることに成功している一方で、必ずしも、経営全体の所得を高めることにはならず、農家の家計改善も進んでいないことが研究によって明らかになっています。そこで、アフリカ向けの「経営診断技術」を新しく作り、モザンビークで実際に試してもらった結果、数多くの農家が所得を大きく増やすことに成功しました。