農産物安定生産
熱帯等の不良環境における農産物の安定生産技術の開発
アフリカをはじめとする開発途上地域では、低肥沃度や乾燥などの不良環境のために農業生産の潜在能力が十分に発揮できておらず、十分な食料、栄養が確保されていません。
このプログラムでは、開発途上地域における農産物の生産性向上と栄養改善に向け、熱帯等における不良環境下で農産物を安定的に生産する技術を開発します。すなわち、第3期中期計画で推進してきた食料安定生産に関する研究成果をもとに、国内外の関係機関と連携した国際共同研究を通じて、不良環境でも生産性が高い育種素材や農業技術の開発、実証試験を行うとともに、マニュアルや解説資料などを作成し、品種開発関係者や行政部局、農民に対する開発技術の速やかな普及を目指します。
これらの試験研究ならびに開発技術の普及を推進し、研究成果を最大化することにより、開発途上地域における農産物の生産性向上と栄養改善、さらには世界の貧困撲滅と平和な社会づくりに貢献するとともに、世界的な農産物の安定生産を通じた我が国への食料安定供給にも寄与します。
具体的には以下の4つのプロジェクトを推進します(図)。
研究成果情報
関連するJIRCASの動き
福田善通博士が「イネいもち病抵抗性判別システムの普及と利用」で日本育種学会賞を受賞
国際農研においてイネいもち病防除技術開発のための国際ネットワーク研究を推進した福田善通博士(元 熱帯・島嶼研究拠点、前 生物資源・利用研究領域 主任研究員)が、2020年度日本育種学会賞を2021年3月20日付けで受賞しました。
アフリカの乾季がある熱帯・亜熱帯地域で利用できる「サイレージ・発酵TMR -調製マニュアル-」を発行
国際農研は、モザンビーク南部を対象として行った「アフリカ食料」プロジェクトで得られた畜産研究の成果に基づいて、現地で活動する研究者や生産者が、サイレージと発酵TMRの調製法を理解し活用できる情報を提供するためのマニュアルを発行しました。
プレスリリース
関連するイベント・シンポジウム
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オンサイト会議:国際農林水産業研究センター(茨城県つくば市) オンライン会議:Webex Eventsを使用したライブ配信
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つくば国際会議場 中ホール 200(〒305-0032 茨城県つくば市竹園2丁目20-3、最寄り駅「つくば」)
現地の動き
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Pick Up
5. 熱帯等の不良環境における農産物の安定生産技術の開発
2020-03-25 アフリカをはじめとする開発途上地域には、土壌の低肥沃度や干ばつ等の不良環境のために農業生産の潜在能力が十分に発揮できていませんが、こうした地域の小規模農民の多くは、気候変動をもたらす原因に最も関与していないにもかかわらず、最大の被害を被ることが予測されています。世界的に貧困・飢餓の撲滅を達成するには、土壌や水資源に恵まれない熱帯等の開発途上地域における食料増産・安定化を推進するための技術開発が極めて重要です。国際農研では、アフリカをはじめとする開発途上地域において、農産物の安定生産技術の開発に取り組んでいます。
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会議概要報告
アフリカにおけるツマジロクサヨトウ対策のための研究に関する国際会議の報告
2018-11-02 近年、アフリカ大陸において、ツマジロクサヨトウ(Fall Armyworm: FAW)が爆発的に拡散し、農業生産に深刻な影響をもたらしています。2018年10月29-31日、エチオピアのアフリカ連合本部にて、FAW対策のための研究に関する国際会議が開催され、国際農研からは、飯山研究コーディネイターが参加しました。
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海外連絡拠点
タイ科学技術博覧会2018にてサトウキビ白葉病の防除技術と熱帯土壌の肥沃度改善について展示
2018-09-04 タイ科学技術博覧会において、国際農研はタイ研究機関との共同研究の中から、サトウキビ白葉病が拡大する要因を解明し開発した防除技術と熱帯における土壌肥沃度の変動を長期連用試験で解明した成果を展示・説明し、来訪したたくさんの小中高校生や一般の方が熱心に耳を傾けました。
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出張者
農学知的支援ネットワーク(JISNAS)とワーゲニンゲン大学研究センターによるジョイントセミナー・ワークショップで講演
2018-02-14 ミャンマーのイエジン大学で開催された、農学知的支援ネットワーク(JISNAS)とワーゲニンゲン大学研究センターによるジョイントセミナー・ワークショップにおいて、サトウキビ白葉病の総合的病害虫管理体系開発に関する研究についての講演を行いました。
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出張者
小堀主任研究員がタイ農業局でサトウキビ白葉病IPMのセミナーを実施
2017-12-01 JIRCASの小堀主任研究員が、タイ農業局において、サトウキビ白葉病に対するIPM体系確立を目的とした研究成果についてセミナーを行い、バンコクや地方の農業事務所等から多くの方が参加されました。