情報

戦略的な国際情報の収集分析提供によるセンター機能の強化

今日、グローバル・フードシステムは、気候変動や感染症といった地球規模の危機にさらされています。また、国際的に取引される農産物の需要・供給の不均衡が、グローバル・フードシステムを通じて瞬時に波及し、国・地域の経済パフォーマンスに影響を与え、社会格差の拡大をもたらす時代に突入しています。さらに今後開発途上国を中心に予測される人口増や都市化による食料消費の質・量的変化の加速は、食料供給・流通・需要の全段階に影響を及ぼし、食料栄養安全保障に不確実性をもたらすと考えられます。

政策・戦略策定者にとり、グローバルなアジェンダ・セッティングの場に参画していくためには、グローバル・フードシステムに関わる現状分析・将来動向についての最新の知見や科学に基づく戦略的議論について、体系的に整理された情報へのアクセスが不可欠です。また、研究者にとっても、地球規模課題解決のための研究課題を見極める上で、世界の科学技術ニーズに関する情報を常に更新する必要性が高まっています。

本プログラムでは、複雑化・多様化する開発途上地域の農林水産業と地球規模の食料システムに係る課題や開発ニーズに関する情報を多角的に収集・分析し、国内外に広く情報を発信し、オピニオン・リーダーとして、科学的知見に基づき地球規模課題の解決策について情報発信していくことを目指します。

そのため、以下の取り組みを行います。

 

関連する研究プロジェクト

研究成果情報

関連するJIRCASの動き

COP30(ブラジル・ベレン)で国際農研の研究成果と取り組みを発信

2025年11月13日~15日にブラジル・ベレンで開催された国連気候変動枠組条約第30回締約国会議(COP30)において、国際農研は各種イベントに参加し、研究成果や国際連携による取り組みを紹介しました。

ラオス教育スポーツ省大臣から感謝状を授与-ラオス国立大学農学部創立50周年記念式典にて

2025年12月9日、ラオス人民民主共和国の首都ビエンチャンで開催されたラオス国立大学農学部創立50周年記念式典において、国際農研の丸井淳一朗主任研究員が、発酵食品分野における長年の国際共同研究の功績に対し、ラオス教育スポーツ省大臣名義の感謝状をラオス国立大学学長より授与されました。

プレスリリース

関連するイベント・シンポジウム

イベント
開催日
(日本時間)
第55回熱研市民公開講座「アフリカのイネを使った品種改良」
場所
石垣市健康福祉センター2階 視聴覚室
(907-0004 沖縄県石垣市登野城1357-1)
シンポジウム
開催日
(日本時間)
JIRCAS国際シンポジウム2025
アジアモンスーン地域における農林水産業技術の実装加速化
―生産力向上と持続可能な食料システム構築に向けた進展と展望―
受付期間:
- (日本時間)
場所
一橋講堂(ハイブリッド)
(101-8439 東京都千代田区一ツ橋2-1-2) 学術総合センター2階

現地の動き

  • Pick Up

    1409. 2025年を振り返って

    2025年は国際開発において歴史的な変化の年となった中、国際食料システム変革を推進する潮流はとどまりませんでした。国際農研も、国連食料システムサミットフォローアップ会合サイドイベントや国際シンポジウムを通じ、コミットメントを示しました。
  • Pick Up

    1408. 農地保有規模ごとの土壌劣化対策の必要性

    土地は世界の農業食料システムの基盤ですが、かつてないほどの圧力に直面しています。FAO世界食糧農業白書(SOFA)2025年版によると、農場規模のパターンは地域によって異なり、土地劣化と農業生産性の関係は不均一で、土地の状態と農場構造毎に合わせた介入が重要です。土地劣化の原因と実態は均一ではありません。
  • Pick Up

    1407. 危機に瀕した世界におけるレジリエンス(回復力)とリジェネレーション(再生)

    近年、リジェネレーション(Regeneration:再生)という言葉は持続可能性における一種のバズワードとなり、農業分野でも言及されています。Ambio誌に発表された論文によると、レジリエンス思考はシステムが困難な時期を乗り越えられるよう支援する仕組みに焦点を当ててきたのに対し、リジェネレーション思考は継続的な再生が可能な本質的に健全なシステムの構築に重点を置いており、持続可能性科学における補完的な概念であると結論付けています。
  • Pick Up

    1406. 包括的な食料システム変革は、地球温暖化抑制と健康・環境・社会的包摂の改善を両立させる

    世界の食料システムを変革するにあたり、具体的な対策がシステム変革にどのように貢献できるかを理解する必要があります。Nature Food誌で公表された論文は、食料システムに関する個々の対策が個別に実施される場合は成果指標の間で何らかのトレードオフを伴うのに対し、すべての対策を組み合わせ、食料システム以外の対策とも足並みをそろえることで、地球温暖化の1.5℃以下への抑制と健康・環境・社会的包摂の改善の両立が可能とし、包括的なシステム変革達成のためのパラダイムシフトの必要性を訴えました。
  • Pick Up

    1405. 温暖化による極端豪雨が、アジアの人口密集地域を脅かす

    11月末、スリランカ、またインドネシア、マレーシア、タイ南部を襲ったサイクロンは極端な豪雨をもたらし、多くの人的・物的被害をもたらしました。極端現象と気候変動の因果関係を分析するWorld Weather Attribution (WWA)は、世界平均地上気温の上昇のほか、高い海面水温と、現在進行中のラニーニャ現象とインド洋ダイポールモード現象(IOD)という自然変動モードも豪雨に影響を与えた可能性がある一方、急速な都市化と人口・インフラの密集が洪水へのエクスポージャーを高めた可能性を指摘しました。

出張報告書

論文

2026

2025