情報

戦略的な国際情報の収集分析提供によるセンター機能の強化

今日、グローバル・フードシステムは、気候変動や感染症といった地球規模の危機にさらされています。また、国際的に取引される農産物の需要・供給の不均衡が、グローバル・フードシステムを通じて瞬時に波及し、国・地域の経済パフォーマンスに影響を与え、社会格差の拡大をもたらす時代に突入しています。さらに今後開発途上国を中心に予測される人口増や都市化による食料消費の質・量的変化の加速は、食料供給・流通・需要の全段階に影響を及ぼし、食料栄養安全保障に不確実性をもたらすと考えられます。

政策・戦略策定者にとり、グローバルなアジェンダ・セッティングの場に参画していくためには、グローバル・フードシステムに関わる現状分析・将来動向についての最新の知見や科学に基づく戦略的議論について、体系的に整理された情報へのアクセスが不可欠です。また、研究者にとっても、地球規模課題解決のための研究課題を見極める上で、世界の科学技術ニーズに関する情報を常に更新する必要性が高まっています。

本プログラムでは、複雑化・多様化する開発途上地域の農林水産業と地球規模の食料システムに係る課題や開発ニーズに関する情報を多角的に収集・分析し、国内外に広く情報を発信し、オピニオン・リーダーとして、科学的知見に基づき地球規模課題の解決策について情報発信していくことを目指します。

そのため、以下の取り組みを行います。

 

関連する研究プロジェクト

研究成果情報

関連するJIRCASの動き

Japan Award2025およびJIRCAS国際シンポジウム2025のアーカイブ動画を公開

2025年(第19回)若手外国人農林水産研究者表彰式(通称:Japan Award)およびJIRCAS国際シンポジウム2025「アジアモンスーン地域における農林水産業技術の実装加速化」のアーカイブ動画をYouTube「JIRCAS Channel」にて公開しました。

国際シンポジウム「気候変動が世界の食料需給に与える長期的影響と食料安全保障」のアーカイブを公表

令和6年12月5日、東京大学弥生講堂において、農林水産省の主催により、国際シンポジウム「気候変動が世界の食料需給に与える長期的影響と食料安全保障」が開催されました。このたび、シンポジウムの様子をJIRCAS公式YouTubeチャンネルにて公開しました。動画は日本語および英語の通訳音声付きで視聴いただけます。
 

プレスリリース

関連するイベント・シンポジウム

イベント
開催日
(日本時間)
第55回熱研市民公開講座「アフリカのイネを使った品種改良」
場所
石垣市健康福祉センター2階 視聴覚室
(907-0004 沖縄県石垣市登野城1357-1)
シンポジウム
開催日
(日本時間)
JIRCAS国際シンポジウム2025
アジアモンスーン地域における農林水産業技術の実装加速化
―生産力向上と持続可能な食料システム構築に向けた進展と展望―
受付期間:
- (日本時間)
場所
一橋講堂(ハイブリッド)
(101-8439 東京都千代田区一ツ橋2-1-2) 学術総合センター2階

現地の動き

  • Pick Up

    1392. 鉄を制するものはアフリカのイネを制す

    鉄は植物の必須元素ですが、東南アジアやアフリカの多くの地域では鉄が必要以上に供給されてしまい、植物、特にイネの生育に悪い影響を及ぼしています。この「鉄の過剰障害」メカニズムを解き明かし、そのような条件でもイネが健康に育つうえで重要なイネの遺伝子を発見するための研究について紹介します。

  • Pick Up

    1391. 窒素にとって炭は、地球を守る素晴らしき相棒

    肥料をたくさん使えるようになり、私たちは食べ物に困らなくなってきました。でも良いことばかりではありません。畑にたくさん肥料を入れすぎると、植物が使いきれなかった反応性窒素が川や空気を汚し、さまざまな環境問題を引き起こします。そういうことが増えているため、急いで対応しなければなりません。炭を土に入れることで、肥料の窒素を土の中に長く留め、無駄なく窒素を使えるどうかを調べる研究を紹介します。
     

  • Pick Up

    1390. 海洋の深層における複合的な変化

    地球の生命維持システムである海洋は、温暖化、酸性化、脱酸素化、塩分濃度の変動など、複数の気候関連ストレス要因が原因で、その深部まで及ぶ急速かつ広範な変化を経験しています。Nature Climate Change誌で公表された論文は、世界の海洋の広大な地域で、温暖化、塩分濃度の上昇または淡水化、酸素の減少、酸性化が同時に進行しており、気候変動によって海洋環境が未知の領域へと進んでいるエビデンスを示しました。
  • Pick Up

    1389. 猛暑と農業

    猛暑は、農業が直面する最も深刻な危険の一つです。猛暑の真の危険は、直接的な損失だけでなく、既存の脆弱性を悪化させる役割にあります。FAOとWMOによる共同報告書によると、猛暑は作物に被害を与え、家畜にストレスを与え、漁業を枯渇させ、山火事のリスクを高めます。猛暑の影響は、干ばつなどの他の災害と相まってさらに深刻化し、地球温暖化が進むにつれてさらに悪化すると予測されています。
  • Pick Up

    1388. より深刻で長期にわたる干ばつの影響

    気候変動は、世界中の多くの地域で、より深刻で長期にわたる干ばつをもたらしています。Science誌で公表された論文は、世界中に分布する草原と灌木地帯における実験の結果、生態系は複数年にわたる干ばつに順応することが観察された一方、干ばつの期間と強度が強まった場合、生産性が徐々に著しく低下していく状態へと変化していく可能性に警鐘を鳴らしました。

出張報告書

論文

2025