国立研究開発法人 国際農林水産業研究センター | JIRCAS

高付加価値化

開発途上地域の地域資源等の活用と高付加価値化技術の開発

 このプログラムでは、環境と調和した持続性の高い農林水産業の実現による農山漁村開発を支援し、開発途上地域の農民の所得向上と、我が国が進めるグローバル・フードバリューチェーン戦略に貢献することを目指して、アジアにおける多様な地域資源の活用と新たな高付加価値化技術の開発に取り組みます(図)。

 品質の高い生産物を確保し、フードバリューチェーンを構築するには、多様な地域資源や食料資源の特性を評価するとともに、これらの特性を活かして高付加価値化するための加工・流通技術の開発や消費者ニーズの解明が必要です。また、資源循環型で持続性の高い農林水産業を確立するための技術開発や、生態系と調和した森林資源ならびに水産資源の保全・利用技術が求められます。これらの目標を達成し、迅速な技術の移転・普及を図るため、以下の5つのプロジェクトを推進します。

高付加価値化プログラムの概要

研究成果情報

  • タイ発酵型⽶麺の液状化は、麺をpH 4程度の酸性に保つことで抑制できる (2019)

    タイ発酵型米麺の液状化は細菌による澱粉分解に起因し、麺のpHが6以上になると誘発されるが、pH 4程度に保つことで抑制される。液状化の抑制には、製麺後の発酵型米麺および原料である発酵米粉がpH 4程度の酸性であることの確認や、製麺工程で麺の洗浄に用いる水を酢酸等の食用可能な有機酸によりpH 4程度に調整することが推奨される。

  • ダッタンソバは加圧を要しない膨化処理により苦味の⽣成を抑えられる (2019)

    子実に多量のルチンを含むダッタンソバは食品材料としての幅広い活用が期待される。加圧を要しない高温加熱のみの簡易膨化処理により、殻のままポン菓子状の製品化が可能となり栄養価の高いソバ加工品ができる。高温処理によりルチン分解酵素活性を抑制し苦味を呈するケルセチン生成を抑制することで製品にルチンを豊富に残存させることができる。

  • オイルパーム古⽊中の遊離糖及びデンプン量を決定する要因を同定 (2019)

    オイルパーム古木中の遊離糖及びデンプン蓄積量の季節変動は積算温度に最も強く調節されている。気温と降水量を観測することでバイオマス資源として利用するオイルパーム古木の伐採適期が把握できる。

  • Bacillus aryabhattaiは農作物残渣内の澱粉からバイオプラスチックを⽣産する (2019)

    日本の土壌から新たに単離した細菌Bacillus aryabhattaiはアミラーゼ遺伝子(amyA)を保有し、菌体外に分泌した澱粉分解酵素(アミラーゼ)による澱粉分解によってグルコース生産してポリヒドロキシ酪酸(PHB)を体内に蓄積する。

  • アメリカミズアブ幼⾍はキノボリウオの飼料タンパク質源として有効である (2019)

    果実残渣等を用いて簡易に生産できるアメリカミズアブ幼虫をタンパク源として調製した餌は、ラオスの主要な養殖対象魚であるキノボリウオにおけるタンパク質同化効率が従来の魚粉飼料よりも優れ、タンパク質含量が少ない飼料でも高成長が期待できる。

  • ラオスの重要な⾷⽤⿂パケオの資源保全に資する⽣態的情報 (2019)

    ラオスの重要な漁業資源であるパケオ Clupeichthys aesarnensis はニシン科の小魚で、乾物や発酵食品の主要な原料であるが、主な漁場では乱獲による漁獲量の減少が強く懸念されている。本種は周年産卵することから、適切な資源管理を行うには禁漁期ではなく禁漁区の設定が有効である。

  • 家禽加⼯残渣の活⽤によるミルクフィッシュ⽤⿂粉削減飼料の開発 (2019)

    ミルクフィッシュ養殖用飼料原料として家禽加工残渣を12%配合することにより、ミルクフィッシュ養殖用飼料中の魚粉を75%、魚油を15%削減できる。本飼料を用いることで、近年高騰する魚粉及び魚油の使用量が削減され、養殖魚の成長率や化学成分含量、味わいに影響を及ぼすことなく、飼料コスト軽減による水産養殖業者の経営改善が期待できる。

関連するJIRCASの動き

令和元年度研究成果情報・主要普及成果を公開

2020-03-30

毎年度の試験研究活動によって得られた研究成果のうち、特に「現場での生産技術等として活用される成果」 、 「学術的に高度で、有効な新手法、新知見等の成果」及び「行政施策の改善に極めて有効または参考になる成果」の中から顕著なものを選定し公表しています。
令和元年度の主要普及成果は「SSRマーカーを利⽤したホワイトギニアヤム品種識別技術パッケージ 」「タイ発酵型⽶麺の液状化は、麺をpH 4程度の酸性に保つことで抑制できる」の2件です。

SATREPSパームトランクプロジェクトの発足記念式典を開催

2019-09-30

2019年9月19日(木)、マレーシア理科大学(USM)Murad Mohd Noor講堂(マレーシア国ペナン島)において、国際農研とUSMが代表機関を務める地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム (SATREPS)実施プロジェクト「オイルパーム農園の持続的土地利用と再生を目指したオイルパーム古木への高付加価値化技術の開発(略称:SATREPSパームトランク)」の発足記念式典が執り行われました。

関連するイベント・シンポジウム

現地の動き

  • 海外連絡拠点

    SEAFDEC 50周年記念式典に参加

    SEAFDEC(東南アジア漁業開発センター)の50周年記念式典が11月15日にバンコクで開催され、参加してきました。