「持続的林業」プロジェクトの特集号をJournal of Tropical Forest Scienceより発行

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2021-01-12

JIRCASとマレーシア森林研究所(FRIM)の共同研究成果特集号がJournal of Tropical Forest Scienceより発行

熱帯雨林は有用な木材樹種の宝庫ですが、その複雑な生態系を理解したうえで林業を行わなければ、森林の復元力と健康を維持しつつ優良な木材を生産し続けることはできません。熱帯地域の森林管理や林業に貢献するため、JIRCASは1991年以来、マレーシア森林研究所(FRIM)と共同研究を実施してきました。この度、長年にわたる共同研究によって得られた成果の中から、フタバガキ林に関する研究成果を取りまとめた特集号「マレーシアのフタバガキ林の生態と造林」(Vol. 28, Special Issue)がJournal of Tropical Forest Science (JTFS) ※2から発行されました。

この特集号では、マレーシア半島部の丘陵フタバガキ林に焦点を当て、特に重要な商業木材樹種であるShorea curtisiiを中心に、東南アジアの熱帯雨林に優占するフタバガキ科樹木の分布と生態、森林更新、成長と収穫に関する9編の論文を掲載しています。JIRCASとFRIMとの長期にわたる協力で蓄積された森林生態系への観察と洞察が結実したこれらの新たな知見は、熱帯地域におけるより良い木材生産と森林管理に大きく貢献するものです。

 

Journal of Tropical Forest Science

https://www.frim.gov.my/publication/journal-of-tropical-forest-science-jtfs/

 

※1マレーシア森林研究所(FRIM): 1929年に設立された東南アジアで最も歴史のある熱帯雨林・熱帯林業の研究所。現在も熱帯雨林研究を国際的にリードしている。

※2Journal of Tropical Forest Science (JTFS): 1931年に創刊されたThe Malayan Foresterを起源とする、熱帯雨林研究の伝統ある国際学術誌。

 

丘陵フタバガキ林に優占して生育するShorea curtisii(セラヤ)の大木

マレーシア半島部では主に丘陵林で択伐による林業が行われ、セラヤも多く収穫される。セラヤは主に合板や家具材として使用される。

マレーシア森林研究所(FRIM)本館

FRIMは1929年に設立された。この本館は設立当初に建設されたものである。

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