食料
新たな食料システムの構築を目指す生産性・持続性・頑強性向上技術の開発
世界の食料システムは人口増加や気候変動等の影響による問題を抱えています。新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)は、この食料システムの脆弱性を明らかにし、状況を悪化させました。パンデミックに限らず、現在起きている、あるいは将来発生する可能性のあるさまざまな問題に対処するため、食料システムのレジリエンスを強めることが不可欠です。
開発途上地域における食料システムのレジリエンスを強めるためには、多様化している食料システムに関わるニーズに対処する必要があります。「社会的ニーズ」として、量的・質的な栄養改善、食を通じた健康の実現があります。「経済的ニーズ」として、労力削減・生産性向上、地域資源の最大活用、あるいは気候変動などのリスクに強い農業があります。さらに「生物圏ニーズ」として、化学肥料・農薬の低減、生物多様性の保全・再生があります。そして、これらのニーズの解決には、ICT、IoT、バイオ等、先端技術の活用が期待されています。
このプログラムでは、このような多様な食料システムに関わるニーズに対応し、技術開発と活用を通じて、対象地域における安定的な食料生産、国際的な食料需給、食料栄養安全保障に貢献するため、「食料生産性の向上と栄養改善を達成する新たな食料システム」の構築を図ります。そのために、「作物・食品加工技術開発」、「環境調和型生産基盤の維持強化」、「アフリカ食料・栄養安全保障」に分類できる6つの「生産性・持続性・頑強性の向上にむけた技術開発プロジェクト」を推進します。
これら全てのプロジェクトは、おもに「持続可能な開発目標(SDGs)」の目標2「飢餓をゼロに」に貢献します。
研究成果情報
関連するJIRCASの動き
アセアン諸国の農業青年58名が国際農研を訪問
令和6年2月19日(月)、タイ、インドネシア、フィリピンの農業青年58名が国際農研を訪問しました。訪問人数を考慮し、2班に分かれて、国際農研の研究紹介(屋内講義)と八幡台圃場で屋外見学をそれぞれ行いました。
「金夜サイエンスカフェ」で宇宙と食料の未来についてクロストークしました
令和6年2月2日(金)、つくばサイエンスツアーオフィスが主催するイベント「金夜サイエンスカフェ」において、藤田泰成プロジェクトリーダーと永利友佳理主任研究員がJAXA有人宇宙技術部門の職員の方々と宇宙と食料の未来についてクロストークしました。
プレスリリース
関連するイベント・シンポジウム
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ハイブリッド(ビジョンセンター日比谷会議室301号・およびオンラインWebex配信)(100-0006 東京都千代田区有楽町1-5-1 日比谷マリンビル 3階)
「アフリカ農学と土壌肥沃度・貧栄養土壌管理の課題」
- 場所
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オンライン(Zoom)
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2023-12-20 イネなどの穀物の枝分かれ(分げつ)は、穂の数を決定するための重要な形質ですが、気候変動や養分欠乏など不安定な環境の影響を受けやすい形質でもあります。最近、国際農研で見出された遺伝子MP3は、こういった不安定な環境でもイネの分げつ発生を促進し、穂数を適度に増加させることが分かり、持続可能な食料生産に役立つ技術の1つとして、その可能性が期待されています。 -
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