食料

新たな食料システムの構築を目指す生産性・持続性・頑強性向上技術の開発

世界の食料システムは人口増加や気候変動等の影響による問題を抱えています。新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)は、この食料システムの脆弱性を明らかにし、状況を悪化させました。パンデミックに限らず、現在起きている、あるいは将来発生する可能性のあるさまざまな問題に対処するため、食料システムのレジリエンスを強めることが不可欠です。

開発途上地域における食料システムのレジリエンスを強めるためには、多様化している食料システムに関わるニーズに対処する必要があります。「社会的ニーズ」として、量的・質的な栄養改善、食を通じた健康の実現があります。「経済的ニーズ」として、労力削減・生産性向上、地域資源の最大活用、あるいは気候変動などのリスクに強い農業があります。さらに「生物圏ニーズ」として、化学肥料・農薬の低減、生物多様性の保全・再生があります。そして、これらのニーズの解決には、ICT、IoT、バイオ等、先端技術の活用が期待されています。

このプログラムでは、このような多様な食料システムに関わるニーズに対応し、技術開発と活用を通じて、対象地域における安定的な食料生産、国際的な食料需給、食料栄養安全保障に貢献するため、「食料生産性の向上と栄養改善を達成する新たな食料システム」の構築を図ります。そのために、「作物・食品加工技術開発」、「環境調和型生産基盤の維持強化」、「アフリカ食料・栄養安全保障」に分類できる6つの「生産性・持続性・頑強性の向上にむけた技術開発プロジェクト」を推進します。

これら全てのプロジェクトは、おもに「持続可能な開発目標(SDGs)」の目標2「飢餓をゼロに」に貢献します。

 

関連する研究プロジェクト

研究成果情報

関連するJIRCASの動き

千葉県立佐原高等学校理数科2年生が国際農研を訪問

令和6年7月5日(金)、千葉県立佐原高等学校理数科2年30名と先生3名が「つくばサイエンスツアー」の一環として、国際農研を訪問しました。

第10回「世界水フォーラム」に研究成果を出展しました

2024年5月18日~ 25日、インドネシア共和国のバリ島で開催された第10回世界水フォーラムに国際農研の研究成果である間断灌漑(AWD)、スバック研究等を出展し、各国の研究者、行政、学生(中学生~大学生)等、多くの来場者に説明を行いました。

プレスリリース

関連するイベント・シンポジウム

イベント
開催日
(日本時間)
ボリビアシンポジウム〜ウユニ塩湖、キヌア、リャマの魅力〜
受付期間:
- (日本時間)
場所
ハイブリッド(JST東京本部別館1F大ホールおよびオンライン)
(102-0076 東京都千代田区五番町7)
イベント
開催日
(日本時間)
セミナー「栄養改善と生活向上に資するローカル・ランドスケープ由来の食利用を促進するための科学と伝統知の適用」
受付期間:
- (日本時間)
場所
ハイブリッド(ビジョンセンター日比谷会議室301号・およびオンラインWebex配信)
(100-0006 東京都千代田区有楽町1-5-1 日比谷マリンビル 3階)

現地の動き

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