食料

新たな食料システムの構築を目指す生産性・持続性・頑強性向上技術の開発

世界の食料システムは人口増加や気候変動等の影響による問題を抱えています。新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)は、この食料システムの脆弱性を明らかにし、状況を悪化させました。パンデミックに限らず、現在起きている、あるいは将来発生する可能性のあるさまざまな問題に対処するため、食料システムのレジリエンスを強めることが不可欠です。

開発途上地域における食料システムのレジリエンスを強めるためには、多様化している食料システムに関わるニーズに対処する必要があります。「社会的ニーズ」として、量的・質的な栄養改善、食を通じた健康の実現があります。「経済的ニーズ」として、労力削減・生産性向上、地域資源の最大活用、あるいは気候変動などのリスクに強い農業があります。さらに「生物圏ニーズ」として、化学肥料・農薬の低減、生物多様性の保全・再生があります。そして、これらのニーズの解決には、ICT、IoT、バイオ等、先端技術の活用が期待されています。

このプログラムでは、このような多様な食料システムに関わるニーズに対応し、技術開発と活用を通じて、対象地域における安定的な食料生産、国際的な食料需給、食料栄養安全保障に貢献するため、「食料生産性の向上と栄養改善を達成する新たな食料システム」の構築を図ります。そのために、「作物・食品加工技術開発」、「環境調和型生産基盤の維持強化」、「アフリカ食料・栄養安全保障」に分類できる6つの「生産性・持続性・頑強性の向上にむけた技術開発プロジェクト」を推進します。

これら全てのプロジェクトは、おもに「持続可能な開発目標(SDGs)」の目標2「飢餓をゼロに」に貢献します。

 

関連する研究プロジェクト

関連するJIRCASの動き

中川研究員が日本作物学会第253回講演会(2022年3月)において優秀発表賞(ポスター)を受賞

令和4年3月27~28日に開催された日本作物学会第253回講演会において、生産環境・畜産領域の中川アンドレッサ研究員が、優秀発表賞(ポスター)を受賞しました。

ガーナ、ブルキナファソを対象とした営農計画策定支援プログラムBFMgh、BFMbfを公開

ガーナ、ブルキナファソの小規模農家による技術選択を含む意思決定を効率的に支援するための営農計画策定支援プログラムBFMghおよびBFMbfを開発し、公開しました。

プレスリリース

関連するイベント・シンポジウム

シンポジウム
開催日
-
アジア作物学会(ACSAC10 : 10th Asian Crop Science Association Conference)
場所
オンライン

現地の動き

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