食料

新たな食料システムの構築を目指す生産性・持続性・頑強性向上技術の開発

世界の食料システムは人口増加や気候変動等の影響による問題を抱えています。新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)は、この食料システムの脆弱性を明らかにし、状況を悪化させました。パンデミックに限らず、現在起きている、あるいは将来発生する可能性のあるさまざまな問題に対処するため、食料システムのレジリエンスを強めることが不可欠です。

開発途上地域における食料システムのレジリエンスを強めるためには、多様化している食料システムに関わるニーズに対処する必要があります。「社会的ニーズ」として、量的・質的な栄養改善、食を通じた健康の実現があります。「経済的ニーズ」として、労力削減・生産性向上、地域資源の最大活用、あるいは気候変動などのリスクに強い農業があります。さらに「生物圏ニーズ」として、化学肥料・農薬の低減、生物多様性の保全・再生があります。そして、これらのニーズの解決には、ICT、IoT、バイオ等、先端技術の活用が期待されています。

このプログラムでは、このような多様な食料システムに関わるニーズに対応し、技術開発と活用を通じて、対象地域における安定的な食料生産、国際的な食料需給、食料栄養安全保障に貢献するため、「食料生産性の向上と栄養改善を達成する新たな食料システム」の構築を図ります。そのために、「作物・食品加工技術開発」、「環境調和型生産基盤の維持強化」、「アフリカ食料・栄養安全保障」に分類できる6つの「生産性・持続性・頑強性の向上にむけた技術開発プロジェクト」を推進します。

これら全てのプロジェクトは、おもに「持続可能な開発目標(SDGs)」の目標2「飢餓をゼロに」に貢献します。

 

関連する研究プロジェクト

研究成果情報

関連するJIRCASの動き

中村プロジェクトリーダー、パパ主任研究員が在日セネガル大使館を表敬訪問し、新たな研究連携を紹介

2026年6月12日(金)、国際農研の中村智史プロジェクトリーダー(生産環境・畜産領域)およびサール パパ サリオウ主任研究員(同)は、東京都内の在日本セネガル共和国大使館において駐日セネガル共和国特命全権大使 ジャン・アントワーヌ・ディウフ閣下(H.E. Mr. Jean Antoine Diouf)を表敬訪問し、国際農研とセネガル農業研究所(ISRA:Institut Sénégalais de Recherches Agricoles)との新たな研究連携について紹介するとともに、両機関による共同研究の概要や今後の展望について意見交換を行いました。

「土壌を起点とした統合的アプローチ」で気候変動に適応する ―西アフリカ・スーダンサバンナの食料安全保障に向けた総説をリリース―

国際農研の井関洸太朗プロジェクトリーダー(生物資源・利用領域)らによる、西アフリカの半乾燥地域(スーダンサバンナ)における食料安全保障をテーマとした総説が、日本作物学会の国際学術誌「Plant Production Science」に掲載されました(https://doi.org/10.1080/1343943X.2026.2682196)。本研究は、国際農研がブルキナファソ国立環境農業研究所(INERA)と10年以上にわたって積み重ねてきた現地フィールド実験と国際共同研究の成果をとりまとめたものです。

プレスリリース

関連するイベント・シンポジウム

シンポジウム
開催日
(日本時間)
JIRCAS国際シンポジウム2024
地球沸騰化時代におけるレジリエント遺伝資源の機会と課題
受付期間:
- (日本時間)
場所
ハイブリッド(国連大学ウ・タント国際会議場およびオンライン)
(150-8925 東京都渋谷区神宮前 5-53-70) 国際連合大学UNU3階
イベント
開催日
(日本時間)
ボリビアシンポジウム〜ウユニ塩湖、キヌア、リャマの魅力〜
受付期間:
- (日本時間)
場所
ハイブリッド(JST東京本部別館1F大ホールおよびオンライン)
(102-0076 東京都千代田区五番町7)

現地の動き

  • Pick Up

    1571. 世界のイネ研究を支えるIRRI―日本とともに考える、気候変動下のコメ生産―

    日本の食卓に欠かせないコメも、気候変動の影響と無縁ではありません。高温、水不足、病害虫、環境負荷や温室効果ガス排出の低減など、世界の稲作は複数の課題に同時に向き合う必要があります。こうした課題に国際的に取り組んできた研究機関の一つが、フィリピンに本部を置く国際稲研究所(IRRI)です。日本とIRRIは、60年以上にわたり、イネ研究と研究者交流を通じて協力を重ねてきました。
    2026年10月には、IRRI、国際農研および農研機構が共同で、「耐暑性イネ生産システムに関する国際戦略フォーラム及びテクニカルワークショップ」を東京都内で開催します。本記事では、IRRIの役割と日本との協力の歩みを紹介するとともに、気候変動下のコメ生産に向けて、今後どのような研究連携が重要になるかを考えます。
     
  • Pick Up

    1570. 暑さからコメを守るには―高温不稔を理解し、耐暑性イネ生産システムをつくる―

    近年、日本の年平均気温は長期的に上昇しており、気象庁によると、1990年代以降は高温となる年が頻出しています。気候変動に伴う気温上昇や熱波は、イネの収量や品質にどのような影響を及ぼすのでしょうか。本記事では、高温不稔が起こる仕組みと、耐暑性品種、栽培技術、気候影響評価や将来予測を組み合わせた取組の重要性を紹介します。10月13日・14日には、国際稲研究所(IRRI)、国際農研及び農研機構が共同で開催する国際フォーラム及びテクニカルワークショップにおいて、耐暑性イネ生産システムの構築に向けた研究課題と国際連携の方向性を議論します。
  • Pick Up

    1473. 国際稲研究所(IRRI)との意見交換を実施しました

    令和8年4月3日(金)、国際稲研究所(IRRI)よりDr. Virender Kumar研究部長、齋藤和樹上級研究員、岩永理事をお迎えし、表敬訪問および意見交換を実施しました。本訪問では、当研究機関の組織体制や研究プロジェクトの紹介を行うとともに、IRRIとの今後の連携強化に向けた幅広い議論が行われました。
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    1392. 鉄を制するものはアフリカのイネを制す

    鉄は植物の必須元素ですが、東南アジアやアフリカの多くの地域では鉄が必要以上に供給されてしまい、植物、特にイネの生育に悪い影響を及ぼしています。この「鉄の過剰障害」メカニズムを解き明かし、そのような条件でもイネが健康に育つうえで重要なイネの遺伝子を発見するための研究について紹介します。

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    1385.アフリカで訴えてみた「畑を休ませて農家を豊かに!」

    アフリカは世界で最も注目される成長市場のひとつとされる一方で、世界で一番多くの人が飢餓に苦しんでいる地域でもあります。飢餓の原因のひとつが「土壌の劣化」です。アフリカの土を守り、安定した食料生産や農家の収入向上、さらに飢餓や貧困の削減に役立てる「耕地内休閑システム」を農家に効果的に広めるための研究を紹介します。

出張報告書

論文

2026