生態に基づく越境性害虫の環境調和型防除体系の構築【越境性害虫】
関連プログラム
食料
2022-01-11
背景
地球温暖化による越冬可能域の拡大や社会のグローバル化による移動分散の加速化により、越境性害虫の被害が拡大しています。アフリカからアジアにかけて、サバクトビバッタによる多様な作物への加害が問題になっています。また、アジアでは、古くからの重要な越境性害虫であるイネウンカ類に加えて、近年ではツマジロクサヨトウが侵入し大きな被害を及ぼしています。越境性害虫のまん延や拡散を防止するためには、先進国が率先して環境負荷が小さい管理技術の開発を進め、開発途上地域を含めた協力体制を構築する必要があります。
プロジェクト目標
世界的に問題となっている越境性害虫であるサバクトビバッタ、イネウンカ類およびツマジロクサヨトウの常発国において、それらの生態に基づく効率的で環境負荷が小さい防除技術を国際機関等と連携し開発します。加えて、新たな越境性害虫問題が顕在化した際に、効率的に総合防除技術を開発するための指針となる経済的評価モデルを提示します。
研究課題構成
- アフリカにおける野外生態に基づくサバクトビバッタ防除技術の開発
- アジアにおける越境性害虫の環境調和型防除体系の構築
対象国
モーリタニア、ケニア、ベトナム、カンボジア、タイ、ミャンマー、日本
成果の対象者・受益者
対象害虫の常発地域および飛来先に所在する生産者・行政機関・国際機関
プロジェクトリーダー
小堀 陽一(生産環境・畜産領域)
関連するJIRCASの動き
埼玉県立熊谷高等学校の生徒38名が国際農研を訪問
令和3年11月26日(金)、埼玉県立熊谷高等学校の1学年生徒38名と先生2名が、「つくばサイエンスツアー」を通じて国際農研を訪問しました。同校から訪問は、昨年11月に続いて2回目です(リピートありがとうございます!)。
今回も訪問人数を考慮し、午前と午後の2班に分かれて、国際農研の研究紹介(屋内講義)を行いました。
プレスリリース
現地の動き
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Pick Up
401. サバクトビバッタの特異な繁殖行動を解明 -農薬使用量の減少に繋がる効率的な防除が可能に-
2021-10-19 サバクトビバッタは、西アフリカからインドにわたる半乾燥地域に生息していますが、しばしば大発生し、深刻な農業被害を引き起こします。国際農研では、サバクトビバッタの生態に基づく効率的な防除技術を開発するための研究を行っています。この記事では、農薬使用量の削減に繋がる、サバクトビバッタの繁殖行動を解明した研究についてご紹介します。