つくば市内の研究教育機関が協力して開催する「水夜サイエンスカフェ」が、令和6年12月4日から令和7年3月5日までの毎週水曜日の夜、つくば駅前のイベントスペース「co-en」で行われています。この科学コミュニケーションの場は、つくばサイエンスツアーオフィスの主催で、様々な分野の最新の研究成果を一般の方々に分かりやすく伝える取り組みです。
令和7年2月19日(水)には、「1℃の変化が招く大激変!~変わる気象と越境する害虫~」のテーマで、国際農研の小堀陽一プロジェクトリーダー(生産環境・畜産領域)と気象研究所応用気象研究部の川瀬宏明主任研究官が登壇し、地球温暖化がもたらす様々な影響についてクロストークを行いました。
川瀬氏は、近年の異常気象現象を単純に地球温暖化の結果と結びつける傾向に警鐘を鳴らし、より複雑な要因が絡み合っていることを指摘しました。全般的な気象の変化、日本における猛暑や豪雨の最新研究、そして世界規模での気候変動について、参加者に分かりやすく解説しました。
続いて、小堀PLは、温暖化に伴う環境変化を考慮し、科学的アプローチに基づいた越境性害虫防除の必要性を説明しました。特に、害虫が実際に生息する「飛来源」での研究の重要性を強調し、害虫の防除法とその考え方や今後の研究展開について、参加者に対して丁寧に紹介しました。
会場には45名の参加者が集まり、茶菓子を楽しみながら科学について語り合う貴重な時間を共有しました。この「水夜サイエンスカフェ」は、毎回異なるテーマで科学の魅力を伝える場として定着しており、参加費無料、予約不要の気軽さが特徴です。また、会場に来られない方のために、YouTubeでのライブ配信も実施されており、より多くの人々が最新の科学知識に触れる機会を提供しています。