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1308. 国連食料システムサミットフォローアップ会合サイドイベントの報告

1308. 国連食料システムサミットフォローアップ会合サイドイベントの報告
国連食料システムサミット+4(UNFSS+4)は、2025年7月27日から29日まで、エチオピアのアディスアベバで開催されました。
初日となる7月27日(日)、国際農研は、日本の農林水産省、エチオピア農業研究機構(EIAR)、ウガンダ水環境省、ベトナムガーデニング協会、味の素株式会社、Greein株式会社、FAO森林局とともに、対面形式によるサイドイベントを開催しました。
イベント冒頭では、総合司会を務める国際農研の飯山PDが、本サイドイベントの紹介を行った後、農林水産省の窪田特別分析官から日本の食料システム変革に関する取組みを紹介する基調講演を行いました。さらに、EIARのDechassa所長から歓迎の挨拶が寄せられました。
これに続き世界農業フォーラム事務局長であり、国際農研グリーンアジアプロジェクトの国際科学諮問委員を務めるDr. Hughesがパネルセッションのモデレーター(MC)となり、パネリストらが各機関の活動について、背景・動機・アプローチやツール・これまでの成果や課題などを経験に基づき共有しました。
- 国際農研 舟木プロジェクトリーダー:アジアモンスーン地域における生産力向上と持続可能な食料システムを確保する農業技術の応用(グリーンアジアプロジェクト)
- FAO森林局 Stopponi担当官:森林にプラスの影響をもたらす農業サプライチェーンをアフリカ各国政府が促進できるよう支援するソリューションツリー開発パイロット事業(FAO)
- ウガンダ水環境省 Kazungu準調整官:持続可能な農業・食料システムの変革に向けた部門横断的な対話を促すための公共支出レビュー(ウガンダ-MWE)
- 味の素株式会社 小野執行役:気候スマートな持続的畜産・農業ソリューション
- Greein株式会社 花井CPOおよびEIAR Mamo経済研究部長: アフリカの小規模農家セクターにおける農業慣行最適化を目的とした官民連携デジタル農業パイロット事業(EIAR-Greein-JIRCAS)
- ベトナムガーデニング協会 Thuy国際連携部長:持続可能で多様な農業を推進するための専門家コーディネート(ベトナム-VGA)
その後、MC、パネリスト、聴衆を交えた活発な質疑応答が行われました。参加者は、地域ごとに異なる課題や背景を考慮しつつ、栄養価の高い食の提供と環境負荷の軽減を両立するためのイノベーションやソリューションの実践経験を共有し、互いに学び合う貴重な機会となりました。
最後に、飯山PDが本イベントの総括として、グリーンアジアプロジェクトが科学と政策の橋渡しとして発展してきたこと、またUNFSS+4における本イベントを通じて、官民・国際機関・研究機関など多様な関係者が知見を共有し、持続可能な食料システムに向けた共通ビジョンを確認できたことへの意義を述べた上で、今後のさらなる連携強化への期待を表明し、本ベントは盛況のうちに閉会しました。
以下のサイトにて、会議で発表した資料等をアップデートしていく予定です。
国連食料システムサミットフォローアップ会合サイドイベント「グローバル課題解決に向けた科学技術イノベーションのローカルコンテクスト適用:国・セクター横断的な農業・食料システム変革アプローチからの教訓」
https://www.jircas.go.jp/ja/event/2025/e20250727
UNFSS+4 Side-event: “Tailoring Science, Technology, and Innovation to Local Contexts while Advancing Global Agendas: Lessons from Multi-Country, Cross-Sectoral Approaches to Agri-Food Systems Transformation”
https://www.jircas.go.jp/en/event/2025/e20250727
(文責:情報プログラム 飯山みゆき)