現地の動き

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707. 南米原産のスーパーフード「キヌア」の魅力

近年「スーパーフード」として注目を浴びているキヌアは、ボリビアのウユニ湖のような塩湖の近辺という厳しい環境でも育つ奇跡の作物です。来週火曜日、一般講座「SATREPSシンポジウム 南米原産のスーパーフード「キヌア」の魅力」が開催されます。ボリビアの研究者や北海道でキヌア栽培を開始している生産者の方々を講師に招き、一般の方向けに、キヌアやバレイショなどアンデス山脈の魅力ある作物の紹介を行い、将来の食料として期待されているキヌアの魅力を伝えます。
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706. 気象・気候科学から学ぶ将来のパンデミックへの教訓

新型コロナウイルスが発生し、国内でも感染者について報告されはじめた2020年1月下旬から3年が経ちました。最近、米国科学アカデミー紀要(PNAS)誌にて、「気象・気候科学から学ぶ将来のパンデミックへの教訓」と題した論考が公表されました。論稿は、気象・気候研究が半世紀にわたって不確実性・予測・世界的なデータ共有・数十億ドル規模の政策議論に関わってきた経験から、感染症モデル研究も大いに学ぶことがある、と提案しました。
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705. 地球システムにおけるティッピング・エレメントの遠隔相関

地球システムにおいて、人為的な活動により地球が次第に不可逆性を伴うような大規模な変化を伴う転換点(ティッピング・ポイント)を超えてしまいそうな大規模なサブシステム(ティッピング・エレメント)として、グリーンランドの氷床融解をはじめ、アマゾン森林破壊、などが挙げられています。これらは地球システムにおいて遠隔相関し、ドミノ倒し的に気候システムに予期しないような影響を及ぼす可能性があると指摘されています。最近Nature Climate Change誌で公表された論文は、アマゾン熱帯雨林が転換点に達すると、そこから一見遠く離れたチベット高原に波及するメカニズムを指摘しました。
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704. 低・中所得国における食料価格高騰と子どもの低栄養

世界中で食料価格が高騰しています。Headey and Ruel (2022)によると、低・中所得国で食品の実質価格が 5% 上昇すると、子どもの消耗症のリスクが 9% 増加し、深刻な発育阻害のリスクが 14% 増加します。
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703. 氷河・積雪の融解

今週は日本にも厳しい寒波が降りてきています。一方、最近、学術的論文によって、グリーンランドの氷床の融解加速化、グリーンランドと北極の氷床を除く山岳地帯の氷河の温暖化のもとでの融解危機、アルプスの積雪の減少、などの事例が相次いで報告されています。
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702. 可能性に満ちた昆虫たち ~農作物栽培に、食料に、飼料に~

地球上で現在約190万種類の生物が確認されています。発見された生物種類の中、昆虫(insect)は約100万種類存在するとされ、人類とエコシステムへの貢献は計り知れません。今日のPick Upは、近年注目を集めている昆虫利用に関する情報をまとめてみました。
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701. メタン削減の実現に向けて

昨年末のPick Up記事で紹介したように、近年、大気中のメタンが記録的なレベルに達し、ここ数年間は驚異的な上昇率で増えていると報告されています。気候変動抑制ゴールの達成のためには、人為的なメタン排出の抑制に人類が一丸になって取り組む必要があります。Nature Climate Change誌の論考は、メタン・ポシブルと題し、メタン削減実現の緊急性を提案、2023年をメタン緩和策の進展にとって重要な年と位置付けました。
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700. 持続的な食生活

2020年3月に開始したPick Upも、本日の記事で700回目になります。本日は、食料システム問題の第一人者であるJessica Fanzo教授による持続的な食生活に関する議論を紹介します。持続的な食生活は、環境の持続性と同時に世界の様々なコミュニティの環境・栄養ニーズのバランスに配慮する必要があります。個人個人が、食がどこでどのようにつくられ調達されているのかを意識し、賢く食の選択を行っていくことが、地球の健康を救うことに繋がることになりそうです。
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699. 2022年 中国の人口減少、2023年インドが世界首位

国連は7月11日の世界人口デーに合わせて公表した「世界人口予測2022」において、中国は2022年に人口が減少に転ずると予測していましたが、今回、中国国家統計局が発表した統計においても、2022年に人口減少が確認されました。
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698. 肥料入手可能性についての課題

世界的な肥料会社のCEOが、多くの国々がロシア産肥料に食料生産を依存する中、ロシア大統領が「食料を武器として使っている "weaponising food"」と非難したことが報道されました。世界銀行は、2022年初頭に比べれば、最近の肥料価格は落ち着いてきてはいますが、歴史的に高い水準を維持しており、入手可能性については課題が残る、と指摘しています。
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697. 2022年は史上暖かい年の一つ

1月12日、2022年の気温について、アメリカ航空宇宙局(NASA)は史上5番目に暖かかった年とし、アメリカ海洋大気庁(NOAA)は史上6番目、そして世界気象機関(WMO)は6つの国際気象データセットに基づき過去8年間を史上最も連続して暖かい年であった、と発表しました。
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696. 荒っぽい気象変化のニューノーマル化

アメリカはここ数年少雨による干ばつと山火事に悩まされてきましたが、カリフォルニアでは年末来大雨が続き、大きな被害をもたらしていることが報道されています。気候変動のもとでは、干ばつと洪水の極端な現象の起こる確率が高くなるとされています。気候変動のもとで、「荒っぽい brutal」気象変化が「ニューノーマル the new normal」になる可能性があります。
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695. グローバル・リスク2023

世界経済フォーラム(WEF)が毎年1月に公表するグローバル・リスク報告書は、世界の指導者達の視点から地球規模問題の動向を占ううえで注目されています。2023年報告書は、COVID-19危機に続くニューノーマル時代で幕を開けた2020年代が、ウクライナ戦争勃発による食料・エネルギー危機の連鎖もあいまって、古いタイプおよび新しいタイプの環境・社会的リスクに同時に直面していると述べます。
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694. 今年は国際雑穀(ミレット)年

国連は2023年を国際雑穀(ミレット)年と定めました。ミレットは主要な穀物に比べてやせた土地や乾燥した土地でも生育でき、気候の変化にも強い作物です。さらに、ミレットは、その高い栄養価から「栄養穀物(Nutri-Cereals)」とも呼ばれ、注目されています。
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693. オゾン層回復における国際協調の役割

1月9日、米国気象学会の第 103 回年次総会において、国連環境計画と世界気象機関は、南極上空のオゾン層が回復傾向にあることを発表しました。1987年のモントリオール議定書によって開始されたオゾン層回復への取り組みが功を奏して、禁止されたオゾン層破壊物質の99%を段階的に廃止することに成功、今後、現在の政策が維持されれば、南極では 2066 年ごろまでに1980 年の水準に回復すると予想されます。こうした取り組みはまた、温暖化抑制にも貢献することが期待されます。
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692. 2022年12月 世界食料価格動向 

国連食糧農業機関(FAO)は、1月6日、世界食料価格動向を公表しました。2022年12月は9カ月連続の下落となり、1年前の水準とくらべて1.0%低い値をとりました。ただし2022年全体でみれば、食料価格指標は2021年から14.3%高い水準となっています。
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691. 年末年始の欧州における記録的な高温

この年末年始にかけて、北・西日本は寒気に覆われ、晴れの日が続く関東でも気のせいか例年より風が冷たく感じる今日この頃です。一方、欧州では多くの地域で20℃近い気温に達し、記録的に暖かい大晦日・元日を迎えたそうです。今回の高温への気候変動の影響については科学的な検証が行われることになると思いますが、常識から外れた気象現象の実体験は気候変動対策への意識の高まりに貢献することになりそうです。
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690. 食料システムの再構築に必要なコスト

食料システムを強靭で持続的なシステムに再構築するにあたり、世界的に必要とされる投資額についての情報が限られていることが制約になっています。最近Global Food Security誌で公表された論文は、食料システムの再構築に必要なコストの推計を試みました。論文は、食料システム転換に必要とされる総コストを年あたり1.3 ± 0.1 兆ドルと推計、一見膨大に見えるコストも、現在の食料システムが毎年もたらす負の環境・健康被害の外部性の7%に相当するにすぎず、アクションによる便益が大きいことを示しました。
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689. 2023年を迎えて

Nature誌は2023年に注目すべき科学ニュースをあげる中、気候変動関連では、ドバイ開催予定の国連気候変動枠組条約COP28に向けた途上国と先進国の利害調整の話題が言及されました。国際連携の実現にあたっては、世界の食・農業の在り方の多様性を認め、各国・地域の事情に寄り添う科学技術アプローチの適用に向けた科学―政策対話が必要となります。Pick Upでは、2023年も、地球規模課題の取り組みとして食料システムに関する情報発信を続けてまいります。
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688. 2022年を振り返って

Nature誌は、2022年の最大のニュースとして、ロシアによるウクライナ侵攻のほか、国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)における「損失と損害」ファンド創設への合意、国連生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)におけるグローバル生物多様性枠組みの締結、を挙げました。本日は、世界食料安全保障の観点から2022年にPick Upでもとりあげた主要な話題をまとめます。