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1192. 2025 年 1 月の月別気温は産業革命以前の水準より 1.75°C 高かった

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1192. 2025 年 1 月の月別気温は産業革命以前の水準より 1.75°C 高かった

 

2月6日、欧州のコペルニクス気候変動サービス (C3S) は、ラニーニャ現象が発生しているにもかかわらず、2025 年 1 月の月別気温は世界的に観測史上最も高かったと発表しました。

2025 年 1 月は世界的に最も暖かい 1 月となり、平均気温は 13.23°C で、1991 年から 2020 年の 1 月の平均より 0.79°C 高くなりました。この値は産業革命以前の水準より 1.75°C 高く、過去 19 か月間の18か月で世界平均地表気温が産業革命以前の水準より 1.5°C 以上上回ったことを意味します。


2025年1月のヨーロッパ陸地の平均気温は1.80°Cで、1991~2020年の1月の平均気温より2.51°C高く、2020年1月に次いで2番目に高くなりました。ヨーロッパの気温が1991~2020年の平均気温を最も上回ったのは、ロシア西部を含む南ヨーロッパと東ヨーロッパでした。対照的に、アイスランド、英国とアイルランド、北フランス、北フェノスカンジアでは気温は平均以下でした。

ヨーロッパ以外で気温が平均を大きく上回った地域は、カナダ北東部と北西部、アラスカ、シベリアで、南アメリカ南部、アフリカ、オーストラリアと南極の大部分でも平均を上回りました。一方、気温が平均を下回ったのは、米国とロシアの最東端、チュクチ半島、カムチャッカ半島で、アラビア半島と東南アジア陸域部でも平均以下の気温が観測されました。


2025 年 1 月の 60°S~60°N の平均海面温度 (SST) は 20.78°C で、この月の記録で 2 番目に高い値となり、2024 年 1 月の記録より 0.19°C 低くなりました。SST は中央赤道太平洋では平均を下回りましたが、東部赤道太平洋では平均に近いか上回っており、ラニーニャ現象への移行が減速または停止していることを示唆しています。他の多くの海域と海では、SST が異常に高いままでした。


専門家によると、2025 年 1 月は、熱帯太平洋でラニーニャ現象が発生し、それが一時的に地球の気温を低下させたにもかかわらず、過去 2 年間にわたって観測された記録的な気温が続くという驚くべき月でした。コペルニクスは、2025 年を通じて、海洋温度とそれが変化する気候に与える影響を引き続き注意深く監視していくとのことです。

 


(文責:情報プログラム 飯山みゆき)
 

 

 

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