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1035. 世界平均気温が産業革命前に比べ1.5℃を超える可能性
1035. 世界平均気温が産業革命前に比べ1.5℃を超える可能性
6月5日、世界気象機関(WMO)は、次の5年間に世界年間平均気温が一時的にでも産業革命前に比べ1.5℃を超える可能性が80%あると発表しました。数十年間という長期的な目標であるパリ協定も超えてしまう可能性に懸念が高まっています。
WMOによると、2024年から2028年にかけ、世界年間平均気温は1850-1900年の基準年に比べて1.1℃~1.9℃高くなり、少なくとも1年間は史上最も暑かった2023年の記録を更新する確率が高い(86%)と予測されています。2024-2028年期間全体の世界平均気温が1.5℃を超える確率も47%と推計され、この数値は昨年発表された2023-2027年の確率32%を超えています。
アントニオ・グテレス国連事務総長は、「我々は地球をロシアンルーレットにかけている。気候地獄への高速道路からの出口が必要だ。幸いにもハンドルは握っている。2020年代に1.5℃に気温上昇を抑制する戦いに勝つかどうかは、今日のリーダーの腕にかかっている」と述べたことが伝えられています。
既に、極端な熱波や豪雨・干ばつ、氷床・海氷・氷河の融解、海水面上昇と海水温暖化が起きています。2023年の世界平均気温(near-surface temperature)は産業革命前に比べ1.45℃であり、人為的な温暖化による長期的な影響とエルニーニョ現象の影響が重なったとされています。現在エルニーニョ現象が解消に向かい、太平洋ではラニーニャ現象への移行が報告されていますが、長期的な温暖化を反映し、次の5年間の気温上昇トレンドが予測されています。
(文責:情報プログラム 飯山みゆき)