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933. 2023年の世界平均気温が産業革命以前比で1.48℃高

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933. 2023年の世界平均気温が産業革命以前比で1.48℃高

 

1月9日、欧州連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス」は、2023年の世界平均気温が1850年以来の観測史上最も高く、産業革命以前と比べて1.48℃高水準で、パリ協定の1.5℃ゴールに切迫していると公式に発表しました。

既に昨年時点で2023年が史上最高気温になることは予想されていましたが、14.98℃という平均気温は、これまでの最高値を記録した2016年の平均気温よりも0.17℃高い値でした。2023年の全ての日について、世界平均気温は1850-1900年平均比で1℃高く、1991-2020年の過去30年間と比べても、2023年は0.6℃高い値でした。さらに、11月のうち2日間は史上初めて産業革命以前と比べて2℃以上の高温を記録しました。月別気温では、6月から12月は最高値を更新し、7月と8月は史上第一・第二の気温を観測しました。2023年12月は1991-2020年同月比で0.85℃、1850-1900年同月比で1.78°C 高い値でした。オーストラリアを除くほぼすべての海洋と大陸において、史上最高値あるいは匹敵する気温を記録しました。

研究者らは、今年の1月か2月までの12か月平均気温は1.5℃を超えかねないとします。それよりも、長期的に1.5℃を超えてしまうことが懸念されています。1.5℃を超えることで、地球のエコシステムは変化に適応できず、幾つかの地域では人間が生存できる閾値を超えた熱波が起こることが懸念されています。

研究者らは、気候科学に基づき将来への備えを進めると同時に、経済を緊急に脱炭素化する必要性を訴えました。


(文責:情報プログラム 飯山みゆき)

 

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