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1191. 2025年の世界経済情勢・見通し

1191. 2025年の世界経済情勢・見通し
2025年も2月に入りましたが、国連経済社会局(UNDESA)は、ニュースレターにて、世界経済情勢・見通し2025(the World Economic Situation and Prospects 2025)を引用し、2025年に知っておくべき6つのことを挙げました。
1. 世界経済の成長はパンデミック前の平均を下回っている
報告書は、2025年の世界経済成長はパンデミック前の平均3.2%を下回る2.8%にとどまると予測しています。インフレの緩和と金融緩和が見込まれる一方で、貿易摩擦、地政学的紛争、債務負担の増大などの課題が影を落としています。
2. 地域別の成長見通しは大きく異なる
東アジアと南アジアは2025年も引き続き世界経済の成長を牽引し、それぞれ4.7%と5.7%の成長が見込まれています。アフリカの成長率は3.7%と若干改善が予測されていますが、債務コストの高さと気候関連の課題が下方要因となっています。
3. 多くの国は不確実性に直面する
脆弱な経済国の多くは成長見通しの下方修正に直面しており、パンデミック前の傾向をはるかに下回っています。低成長は持続可能な開発目標の達成に対するリスクを増大させており、貧困削減の進展は引き続き遅く、不均一となることが見込まれています。
4. インフレ率の低下により金融緩和の余地が生まれているが、依然として課題が残る
世界のインフレ率は2024年の4%から2025年には3.4%へとさらに低下すると予測されています。しかし、多くの発展途上国は、特に食料価格の高騰に引き続き苦しんでいます。
5. 政府は債務の持続可能性を改善し、財政余地を再構築するために、段階的な財政再建を採用している
財政危機はアフリカで特に深刻で、債務返済負担の増大により、公共サービスや投資に必要な資源が不足しています。GDP加重ベースで、アフリカ諸国の政府は2024年に歳入の27%を利払いに割り当てており、2019年の19%、2007年の7%の水準から増大しています。
6. 戦略的に重要な鉱物はエネルギー転換の推進と持続可能な開発において重要な役割を果たしうる
戦略的に重要な鉱物に対する世界的な需要の高まりは、持続可能な開発を加速させる大きな可能性を秘めていますが、資源の豊富な開発途上国が恩恵を受けるかは、責任を持って管理された場合に限られます。
(参考文献)
United Nations (2025). World Economic Situation and Prospects 2025. New York https://desapublications.un.org/publications/world-economic-situation-a…
(文責:情報プログラム 飯山みゆき)