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938. 2024年世界経済状況と見通し

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938. 2024年世界経済状況と見通し

 

この1月、国連は2024年世界経済状況と見通し報告書(World Economic Situation and Prospects 2024)を公表しました。

報告書によると、2024年も世界経済状況は暗雲が立ち込めています。多くの経済がSDGs達成の障害になりかねない複合的な危機に直面しています。2023年は経済大国の幾つかが予想以上の経済回復を遂げたことにより、世界経済は予想以上の成長を遂げましたが、煮えたぎる地政学的緊張と異常気象の強度・頻度の増加はリスクを高めています。さらに、金融引き締めは世界貿易・工業生産に冷や水を浴びせています。

報告書は、世界GDP成長率について、2023年の2.7%から2024年2.4%への減速を予測しています。とりわけ途上国は、高債務と投資減退を受け、パンデミック以降の回復がうまくいっていません。

過去2年間において課題であった世界的なインフレは落ち着く兆候を見せており、2022年の8.1%、2023年の5.7%に比べ、2024年は3.9%と予測されています。しかし、食料価格のインフレは依然として深刻な懸念事項であり、とりわけ途上国の食料安全保障と貧困に影響を及ぼします。

報告書は、気候アクション、持続可能なファイナンス、低・中所得国の債務持続性といった複雑な世界経済状況を乗り越え、SDGsを達成するために、多国籍主義・国際協調の重要性を強調しました。

 

(参考文献)
United Nations (2024). World Economic Situation and Prospects 2024. New York.
https://desapublications.un.org/publications/world-economic-situation-a…

 

(文責:情報プログラム 飯山みゆき)


 

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