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1194. 2025年1月 世界食料価格動向

1194. 2025年1月 世界食料価格動向
国連食糧農業機関(FAO)は、2月7日、世界食料価格動向を公表しました。2025年1月の値は平均124.9ポイントで、12月から1.6%下落、砂糖・植物油・肉の価格指標の下落幅が、乳製品と穀物価格指標の上昇を上回りました。この数値は昨年よりも6.2%高いものの、2022年3月の史上最高値よりは22.0%低い値でした。
穀物価格指標は1月に111.7ポイントと、前月から0.3%上昇しましたが、前年比では6.9%低い水準でした。世界小麦輸出価格はわずかに下落し、月の間ほとんど変動はありませんでした。輸入需要の弱さが複数の主要輸出国からの販売低迷を招き、価格を圧迫する一方で、ロシア連邦での供給不足と欧州連合の一部における冬作物の状況が価格を下支えしました。メイズ価格は、2 年ぶりに前年の水準を上回りました。価格上昇圧力は、季節的な供給不足、植え付け終了時のアルゼンチンでの不良条件、ブラジルでの生育の遅れ、および米国における生産量と在庫予測の引き下げ修正、を反映しました。一方、コメ価格指標は4.7%下落、輸出向け供給が豊富にあることと輸出国間の競争が価格に下押し圧力をかけました。
植物油価格指標は前月比で5.6%下げましたが、前年比では24.9%高い水準となりました。今月の下落は、主に世界のパーム油と菜種油価格の低下によるもので、ダイズ油とヒマワリ油の価格は安定していました。7か月連続で上昇した後、国際パーム油価格は需要の割当により数年ぶりの高値から下落し、菜種油価格は2025年初頭に緩やかに下落しました。対照的に、ダイズ油とヒマワリ油の価格は安定しており、それぞれ南米のダイズ生産国の一部での悪天候への懸念と世界的な輸入需要の堅調さに支えられました。
砂糖価格は前月比で6.8%低く、前年比で18.5%下落し、2022年10月以来の最低水準に達しました。 1月の下落は、ブラジルのここ数カ月の天候が概ね良好で、2025年4月から収穫されるサトウキビの収穫、および現在進行中の2024/25シーズンの世界的な供給見通しが改善したことが主な要因です。さらに、インド政府が2023年10月以来制限していた砂糖輸出再開を決定したことで、世界の砂糖価格にさらなる下押し圧力がかかりました。
(文責:情報プログラム 飯山みゆき)