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307. EUのノベルフードとしてはじめて昆虫食販売が承認される

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EUでは、1997年以降に新規の食品またはEUでそれまで殆ど消費されていなかった食品が市場に導入される際、EU全加盟国からなる委員会でノベルフード(Novel Food)として承認するプロセスを踏みます。2018年以降に適用される現在の規制では、昆虫全体を新規食品と明示しており、今年5月3日、はじめて昆虫がノベルフードとして承認されました。

今回承認された乾燥イエローミールワームは、チャイロコメノゴミムシダマシ(Tenebrio molitor)の幼虫です。タンパク質などの栄養素を豊富に含み、既にペットのエサなどとしては使われています。ヒトの食事としても、アフリカ、オーストラリアなどの地域で食されています。

今回承認されたことで、EUでも、乾燥した全体をスナックとして、また粉末にして食品の材料として使われることが想定されます。承認されたということは、安全面で人の健康にリスクをもたらさないと判断されたということです。ただし、甲殻類やダニにアレルギーを持つ人はアレルギー反応を起こす可能性があるとして、ラベルへの表示を求めました。

現在、他にもEUの認可を申請中の昆虫が11件あります。FAOは2013年の報告書で昆虫食を特集しました。世界的に見て、たんぱく源として昆虫を利用することは珍しくありません。昆虫は栄養価が高く、家畜に比べて環境負荷も低いとされます。

以前、培養肉の販売が世界で初めて承認されたことを紹介しました。このように、世界の 食の分野では、肉食に代わり昆虫食や植物による代替肉・培養肉などがトレンドとなっており、各地で公式に認可するプロセスが進んでいるようです。

こうした背景には、家畜生産が温室効果ガス排出源として注目を浴び、肉類を含む動物性食品消費を減らすことが気候変動対策の一つとして捉えられていることが挙げられます。今年予定されている国連食料システムサミットにおいても、ヒトの健康と環境の持続可能性とのバランスを司るものとして食料に着目し、2050年までに100億人全員が健康的な食事をとり、かつ持続可能なフードシステムを確立するために、野菜や果物などの植物性食品の消費を増やし動物性食品の消費を減らすという戦略が挙げられています。2021年は国際果実野菜年でもあり、持続可能な食料システムに貢献する、果実・野菜の消費と生産の促進が目指されています。

参考文献
EU: Approval of first insect as novel food
Accessed on May 31, 2021.

https://ec.europa.eu/food/food/novel-food/authorisations/approval-first…

 

FAO 2013. edible insects: future prospects for food and feed security
http://www.fao.org/3/i3253e/i3253e.pdf Accessed on May 31, 2021.

(文責:情報広報室 白鳥佐紀子)