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581. EUとイギリスの半分近くが干ばつリスク

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581. EUとイギリスの半分近くが干ばつリスク

イギリス気象庁は、7月18・19日の週に予測される異常な熱波により健康上の危険を警告するアラートを初めて発出しました。イギリスで40℃以上の気温が予測されるのははじめてのことで、これまでの最高気温は2019年に記録された38.7℃でした。 イギリスで40℃超えの熱波が起こる確率は、人為的な気候変動の下で10倍上昇するとされ、イギリスで40℃を超える確率が近年急激に上昇しています。

EUもまた、EUとイギリスの半分近い地域が干ばつリスクにさらされていると警告を発表しました。 降雨不足よって土壌中の水分が大幅に減少し、植生に影響を及ぼすだけでなく、熱・水ストレスを通じた作物生産への影響の懸念も言及されました。 

6月下旬は日本でも熱波が観察されました。世界気象機関(WMO)は、この6月は史上3番目の暑さを記録し、南極の海氷は最低値を記録したと発表しました。

 

熱波のような異常気象は、世界の穀倉地帯の農業生産に影響を及ぼし、その影響は需給不均衡や供給寸断等のショックを伴うことで価格に反映され、ときに食料危機の懸念をもたらします。最近One Earth誌で発表された論文は、異常気象・COVID-19・戦争といった要因は相互に結び付き、複合的な影響をもたらしうるとし、様々な異常事態を包括的に捉える研究の必要性を説きました。 フードシステムの相互依存関係を体系的に理解し、情報収集を通じてあらゆるリスクとその波及効果に十分に備え、取引の非効率や不均衡を正していくことが、フードシステムの強靭性に少しでも貢献すると期待されます。

 

Zia Mehrabi, Research priorities for global food security under extreme events, One Earth (2022). https://www.cell.com/action/showPdf?pii=S2590-3322%2822%2900329-3 

(文責:情報プログラム 飯山みゆき)