現地の動き - Pick Up
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204. 2020年を振り返って
2020年は、サバクトビバッタ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック、気候変動による極端気象の頻発や温室効果ガス排出削減を巡る国際動向など、タイムリーな情報収集・提供の必要性を裏付ける多くの出来事がありました。とりわけCOVID-19は、人為的な経済活動が人類と地球の健全性を損ねており、気候変動・生物多様性損失回避と世界食料栄養安全保障確保の視点から、技術開発・介入の戦略的方向性を提示する分析の緊急性も示しました。
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203. 2021年は果物と野菜の国際年
国連は、地球規模で取り組む必要のある重要なテーマについて、国際年(International Year)を定め、問題について考え行動を起こすよう呼び掛けています。2021年は、「平和と信頼の国際年」、「持続可能な開発のための創造的な経済の国際年」、「児童労働の根絶のための国際年」、そして「果物と野菜の国際年」とされています。
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202. COVID-19復興とアフリカにおけるフードシステム転換リープフロッグ
2020年12月、CGIARのDr. Kundhavi Kadiresanが、「COVID-19復興において、いかにアフリカがリーダーシップをとれるか」との論考を発表、アフリカは世界的ショックに対するフードシステム強靭性強化におけるリープフロッグを達成すべきとしました。
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201. 気候変動対策としての肉消費削減は、開発途上国では異なるアプローチが必要である
国際熱帯農業センター(CIAT)と国際家畜研究所(ILRI)の研究者らは、Environmental Research Letters誌で公表された論文にて、気候変動対策としての肉類を含む動物性食品消費削減の提言は、先進国を除く開発途上国では該当しない場合もあると注意を喚起しました。開発途上国おいては未だに肉類の消費は少ない一方、家畜生産が農民の所得・栄養、また土壌肥沃度改善にも貢献する余地は大きく、家畜消費・生産の貢献を高めるためのデータ収集と研究の重要性を訴えました。
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200. 人間開発と人新世 - 人類はいかに地球に影響を及ぼしているか
国連開発計画(UNDP)は、2020年12月、人間開発報告書の30周年を記念して、「人間開発と人新世」報告書を公表しました。報告書では、各国の保健・教育・生活水準の統合指標である人間開発指標(Human Development index)に、各国の二酸化炭素排出とその物質的なフットプリントを考慮した新たな指標(Planetary pressures-adjusted HDI; PHDI)を提案しています。
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199. フードシステム・イノベーションとSDGsトレードオフ
2020年12月、The Lancet Planetary Health誌で公表された論文は、フードシステム・イノベーションと持続開発目標(SDGs)トレードオフについて論じました。格差や不正義にかかわる社会的側面への影響に留意し、トレードオフを克服することで真の持続性を達成できるような配慮が必要です。
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198. イノベーションの組合わせでアグリ・フードシステム転換を
2020年12月、Nature Sustainability誌で公表された論考(Bundling innovations to transform agri-food systems) は、アグリ・フードシステム転換のために複数のイノベーションを組み合わせて対応していく必要があるとしました。
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197. 培養肉の販売が世界で初めて承認される
先月、世界で初めて培養肉の販売が承認されました。培養肉とは、細胞を組織培養することによって人工的に作られた肉のことで、畜産に比べて環境負荷を低くおさえることができ、また厳密な衛生管理が可能で、動物を屠殺する必要もないという特徴があります。シンガポールの規制当局(食品庁)が、米国企業(イートジャスト社)がバイオリアクターで培養する鶏肉の販売を承認したことは、食品業界にとって画期的な出来事です。
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196. 多様性の喪失とCOVID-19
多様性の喪失は、新たなパンデミックが発生する条件を生み出しています。Science of the Total Environment誌に掲載された論文は、COVID-19のような感染症の発現を、人類・生物学的・地球化学上の多様性喪失に起因するとし、将来の世界的感染症を回避するために、多様性保全と、そのための異分野連携科学の必要性を訴えました。
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195. 海洋の持続的な利用に向けて
海洋は地球表面の71%を占めるにかかわらず、地球規模の環境政策過程において長らく軽視されてきました。この状況に対し、ノルウェーとパラオの首脳が中心となり、日本を含む14か国のリーダーが海洋から人類が享受してきた恩恵を守っていくためのハイレベル・パネル設置に立ち上がり、Nature誌にて海洋の持続的利用に関する科学的エビデンスの特集が組まれました。
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194. 2020年温室効果ガス排出量とパリ協定へ向けた現実
2020年12月、COVID-19による世界的なロックダウンにより、化石燃料由来の二酸化炭素排出量が劇的に減少したと報告されました。国連環境計画(UNEP)によると、COVID-19により温室効果ガス排出が一時的に削減されたものの、7%の削減は2050年までの温暖化を0.01℃ほど削減する程度の効果しかないとのことです。
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193. フードシステムにおけるシステム思考の必要性
2020年11月にNature Food誌で公表された論説では、フードシステムの直面する複雑な問題解決に取り掛かる上で、システム思考の重要性を訴えました。研究手法やフレームワークは、我々が問題を分析するときの視角を提供するものです。どのように構築されて応用されるかが、解決方法の探索範囲を決定します。システム思考から逸脱してしまうリスクは過小評価されるべきではありません。
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192. 「ゴジラ」砂嵐の原因
2020年6月、サハラの砂塵が、カリブ海に流れ、「ゴジラ・ダスト・ストーム」と呼ばれるほどの歴史的な規模に達しました。北西アフリカで発生した亜熱帯高気圧システムがサハラ地域で4日間にわたり砂塵を排出させ、強い西向きの大気風によって大西洋を越えてアメリカ大陸に吹き込みました。北極の温暖化と海氷減少に伴うジェット気流が遠因であるとする研究者もいるとのことです。
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191. 後発開発途上国レポート2020年版
2020年12月、国連貿易開発会議(UNCTAD)は、「後発開発途上国レポート2020年版」を公表しました。後発開発途上国(LDCs)の一人当たりGDPは、2020年に2.6%縮小し、過去30年間で最悪の経済状況が予測され、COVID-19による経済危機によって貧困率は32.5%から35.7%に上昇すると見られています。
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190. ランセット健康と気候変動カウントダウン2020年報告書
2020年12月、The Lancet誌にて、「ランセット健康と気候変動カウントダウン2020年」報告書が公表され、気候変動の健康インパクトに関する最新データが発表されました。
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189. JIRCAS創立50周年記念国際シンポジウム2020 ビデオ公開
2020年11月10日(火) 、JIRCAS創立50周年記念国際シンポジウム 2020 「ポスト・コロナ時代のグローバル・フードシステムをとりまく地球規模課題の展開と農林水産業研究における国際連携の役割」の様子について、セッションごとの映像を公開いたしました。ご覧いただければ幸いです。
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188. 世界土壌デー
明日12月5日は、世界土壌デーです。2020年は、土壌の生命維持、土壌生物多様性の保護を謳い、土壌管理、土壌生物多様性ロスの回避、土壌の健全性向上に対する政府・組織・コミュニティ ・個人の意識向上を通じ、健全なエコシステム維持の重要性を喚起することを目指しています。
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187. 気候変動の不均衡なインパクト―熱帯乾燥地域における人間活動・環境連鎖と降雨に対する植生感度パターン
気候変動は世界における乾燥地域の面積と乾燥度の双方を増加させると予測されています。同時に、殆どの乾燥地域は、今後も急激な人口増がエコシステムに追加的な負荷をかけることが予測されている途上国に位置しています。したがって、乾燥地はとりわけ環境変化と大規模な環境劣化に対して脆弱です。Nature Sustainability誌に公表された論文は、アジア・アフリカなどの途上国では降雨に見合った植生再生がおこらない状況が顕著であるとしました。負の影響を回避するためには、熱帯乾燥地域における植生と降雨の感度関係や変化をもたらす要因の理解を通じて緩和策を早急に講ずることが大切です。
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186. 気候危機におけるマルチスケール・異分野・多国間アプローチの必要性
生態学は長らく自然界への人間のインパクトを研究対象にしてきましたが、現在進行中の気候危機は微生物から動物相にわたる生物に影響を及ぼしています。この緊急事態を受け、Nature Climate Change誌2020年11月号の社説は、マルチスケール・異分野・多国間アプローチの必要性を訴えました。
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185. 農業における水の適切なガバナンス
開発途上国では天水農業に依存する農家も多く、気候変動の影響のもとで農業生産の不確実性が上昇しています。また灌漑農業の場合も、適切な管理が必要です。国連食糧農業機関は「世界食糧農業白書(SOFA)2020年版」を発表、世界の食料安全保障と栄養を確保し、持続可能な開発目標(SDG)に貢献する上で、農業における水の適切なガバナンスの重要性を強調しました。