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278. 食べたら双子が生まれる? 西アフリカのヤムイモの秘密

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ヤムイモ(yam)は、日本で栽培されているナガイモ、ヤマノイモ(ジネンジョ;自然薯)、ダイジョ(大薯)などを含むヤマノイモ属(Dioscorea)の作物の総称です。このヤマノイモ属の作物は、日本をはじめ世界で広く栽培されていますが、その生産のほとんど(世界生産の90%以上、年間約5,400万トン)が西アフリカで行われていることはあまり知られていません。


このヤムイモは、西アフリカの人々の食料と栄養供給に重要であり、その需要は年々高まっていますが、供給が追いついていないのが現状です。その一方で、これまで生産性や品質向上のための品種改良(育種)について、研究や技術開発はあまり進んでいませんでした。そこで国際農研では、このヤムイモのうち西アフリカで最も生産量の多いギニアヤム(D. rotundata)に着目し、多様な遺伝資源を利活用し、生産性や品質の改良を進めるための研究を行っています。


ギニアヤムは、西アフリカの伝統作物として文化に深く根付いており、伝統的な調理法や加工技術など食文化に裏打ちされた嗜好性(好まれる色や、調理特性、味など)があります。また、一部の地域では「食べると双子が生まれやすくなる」と信じられていたり、結婚式の引き出物に欠かせないものだったりと、ヤムイモにまつわる興味深い話はつきません。そこで、この西アフリカのヤムイモの重要性や面白さを皆さんにも知っていただきたいということで、国際農研一般公開ミニ講演の場を借りて「食べたら双子が生まれる? 西アフリカのヤムイモの秘密」という動画を公開しました。この機会を利用して、西アフリカのヤムイモについて学んでみませんか。

 

 

国際農研は、4月12日(月)から始まる科学技術週間に合わせて、一般公開用の特設サイト(https://www.jircas.go.jp/ja/event/2021/openhouse)を設け、国際農研の活動を通じて研究員が見たり聞いたりした楽しい話や、現地の映像等を紹介しました。今後も、様々な企画を通じて、多くの方に途上国の農業や、それに取り組む国際農研の活動を理解していただくきっかけの場を設けたいと考えております。


(文責:生産環境・畜産領域 村中聡)
 

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