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280. 雑草魂で挑む! 東南アジアのエビ養殖研究

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世界でも有数の「クルマエビ消費大国」、日本。私たちが日々食べているクルマエビ類の約94%は海外からの輸入に頼っており、特に東南アジア地域で養殖されたエビが多くを占めています。


一方、養殖の現場では多くの問題に直面しています。例えば、使われなくなって捨てられてしまったエビ養殖池が年々増え続けていることが挙げられるでしょう。これには様々な原因があります。そのひとつとして、人工飼料の主原料である魚粉の価格の値上がりにより植物性原料への切替えが進み、飼料価格は安定したものの、栄養不足などからエビの成長低下・収益低下などを引き起こし、その間に病気が発生するなどして生産を続けれらなくなってしまうのです。このような悪循環を断ち切り、東南アジア地域に多い零細養殖業者の人々でも継続出来る簡単で安価で持続的な養殖方法を開発・提案したいと国際農研は考えています。

私たちは、エビが元々雑食性で、マングローブ域の様々な生き物を餌としていることに着目しました。エビの生息域に生きる「雑藻」と微小貝を補助的な餌として利用することで、日本を初め世界のエビ消費者の方々に、安くておいしくて安心・安全なエビを提供できるよう、またエビ養殖が長く続けられるよう環境に配慮した養殖技術を提供できるよう、海外の研究者たちと協力しながら研究を続けています。

より詳しくは、動画をご覧ください。

参考文献
令和3年度国際農研一般公開
https://www.jircas.go.jp/ja/event/2021/openhouse

(文責:水産領域・筒井功)
 

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