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321. 国連食料システムサミット:フードシステム変革の優先順位と移行ステップ

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321. 国連食料システムサミット:フードシステム変革の優先順位と移行ステップ

以前にもお伝えしたように(pickup 284)、今年9月に開催される国連食料システムサミット(UNFSS)に向けて、科学者グループ(scientific group)が設置されています。この科学者グループのために、栄養のための農業とフードシステムに関するグローバルパネル(The Global Panel on Agriculture and Food Systems for Nutrition)は5月、2つの概要を作成しました。

1つ目は「COVID-19とフードシステム:レジリエンス(強靭性)のための再構築」です。  この概要は、パンデミックだけでなく将来発生する可能性のあるさまざまな需要と供給側のショックに対処するために、食料システムの強靭性を強化することが不可欠であると主張し、それを達成するための原則と優先順位を示しています。

新型コロナ前からフードシステムはすでに危機に瀕していましたが、パンデミックは世界のフードシステムにさまざまな方法で影響を与え、その脆弱性を露呈させ、状況を悪化させました。食料生産・貿易は混乱し、食料部門を通じた雇用と収入が影響を受けました。翌年の作物の植え付けが危うくなったところもあります。店舗、レストラン、インフォーマル市場の閉鎖、オンライン食料品購入の急増など、食環境も大きな影響を受けています。 

パンデミックの教訓を活かし、将来のさまざまなショックに備えるために、フードシステムの再構築が重要です。この概要に含まれるアドバイスと推奨事項はすべての国が対象ですが、低中所得国(LMIC)は概してショック対処能力が低いため特に関連性があります。また、UNFSSのアクショントラック5:「脆弱性、ショック、ストレスに対する強靭性構築」にも直接関連します。 


2つ目は、「フードシステム変革に必要な移行ステップ」です。 この概要は、pickup150でも紹介した報告書「未来のフードシステム:人々、地球、繁栄のために」がベースになっています。

フードシステムは複雑でダイナミックです。20世紀に世界を養った政策では、もはや目的を果たすことはできません。フードシステムは30億人に健康的な食事を提供できず、自然環境とともに衰退の渦中にあります。政策立案者は、変革されたフードシステムのビジョンを持つだけでなく、現実的かつ実用的な移行ステップに沿った計画を立案し前進する必要があります。この移行手順がこの概要の焦点です。また、フードシステム全体のさまざまなクラスの利害関係者(国際機関、政府、ドナー、市民社会、企業等)の優先事項もこの概要に示されています。 


参考文献

Global Panel on Agriculture and Food Systems for Nutrition. UNFSS: COVID-19 and Food Systems: Rebuilding for Resilience.
 https://www.glopan.org/covid-19and-food-systemsrebuilding-for-resilienc… Accessed on June 22, 2021.

Global Panel on Agriculture and Food Systems for Nutrition. UNFSS: The Transition Steps Needed to Transform Our Food Systems. 
https://www.glopan.org/the-transition-steps-needed-to-transform-our-foo…  Accessed on June 22, 2021.

(文責:情報広報室 白鳥佐紀子)