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64. 国連食糧農業機関 (FAO) 2020年6月食料価格動向速報
国連食糧農業機関(FAO) は、世界・地域・国レベルでの最新価格動向について、食料価格動向速報(Food Price Monitoring and Analysis: FPMA Bulletin Monthly Report)を公表し、とくに価格上昇が観察される国々の事情について詳細な情報を提供しています。2020年5月に関する速報によると、国際小麦価格は2020/21年収穫期における恵まれた供給見通しを受け、前月の上昇が下落に転じました。メイズ輸出価格は十分な輸出・供給見込により価格下落傾向が続き、しばらくは価格上昇の兆しは見られません。他方、コメ価格は、5か月連続での上昇を記録しました。
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63. 新型コロナウイルス・パンデミック ― COVID-19による貧困への影響 最新推計
2020年6月8日、世界銀行は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による影響を織り込んだ世界貧困率の最新推計値を発表しました。2020年6月世界経済見通しの成長予測モデルに基づき、パンデミックの世界貧困水準へのインパクトについて検討した結果、COVID-19により、7100万人~1億人が絶対的貧困に陥ると予想されています。2020年4月の見通しではサブサハラ・アフリカが最大の打撃を受けるとされていました。今回の予測はとりわけインドについて悲観的であり、南アジアで貧困層の拡大が予測されています。
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62. 食糧農業機関(FAO) 2020年 世界漁業・養殖業白書
国連食糧農業機関は、2020年 世界漁業・養殖業白書 (The State of World Fisheries and Aquaculture: SOFIA) を公表しました。1995年「責任ある漁業のための行動規範」採択から25年が経ち、漁業・養殖資源の責任ある有効利用の重要性が広く理解され、科学に基づく運営政策実施の必要性が認識されるようになっています。世界の漁業生産は2018年に1.79億トン、売上高4010憶ドル相当に達し、うち8200万トン、2500憶ドル相当が養殖であると推計されました。人間消費用は1.56億トン、年間一人当たり消費量は20.5kg相当となります。
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61. 2020年 世界環境デー 生物多様性
2020年の世界環境デーのテーマは生物多様性です。生物多様性は陸上・水中の全ての生命を支える基盤を提供し、その変化や部分的欠損はシステム全体に負の影響をもたらします。毎年、人間による自然の恩恵への需要を満たすには、地球1. 6個分が必要とされます。この傾向が続く限り、食料・保健システム崩壊をはじめとした人間社会の破綻をもたらしかねません。
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60. 気候変動状況下における国際河川流域の水資源不足と誘発要因の展望
2020年5月にFuture Earth誌で公表された論文は、多くの国際河川流域が近い将来水資源の不足(stress)に直面すると警鐘を鳴らしました。著者ら(Munia et al.)のシナリオ分析によると、国際河川流域の中でも既にストレスにさらされている地域で水資源不足が悪化すること、対策としてローカルな需要の管理が重要な戦略となること、温暖化と人口増加が急速に進行すれば2010年比で今世紀半ばまでに水不足にさらされる人々が3.8憶人追加的に増えること、とりわけ既に水資源不足に悩まされる中東、北アフリカ、南・中央アジアが影響を受けること、を推定しました。
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59. 2020年5月の気温・二酸化炭素濃度 ― 世界レベルで過去最高値を記録
世界気象機関(WMO)は、2020年5月は記録上最も暖かく、1981-2010年の間の5月平均気温に比べて0.63℃高かったとするコペルニクス気候変動サービスの報告を発表しました。直近の12か月間も平均より0.7℃高く、過去最も暖かかった12か月間記録を更新しました。また、ハワイのマウナロア観測所で計測される二酸化炭素濃度は、2020年5月、月別の最高計測値を記録しました。
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58. 新型コロナウイルス・パンデミック ― グレート・リセット
1929年~の大恐慌はグレート・ディプレッション (Great Depression)、2008年~2010年代の世界金融危機はグレート・リセッション(Great Recession) 、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に伴う世界経済危機はグレート・ロックダウン(Great Lockdown)と称される中、現在ここからグレート・リバーサル(Great Reversal:大逆行)、或いはよりよい社会に向けたグレート・リセット(Great Reset:仕切り直し)となるか歴史的な分岐点にあるようです。クリスタリナ・ゲオルギエヴァ国際通貨基金(IMF)常務取締役は、グレート・リセットとして歴史に刻まれる上で、持続的で(greener)、スマートで(smart)、公平(fairer)な世界のための投資の必要性を訴えました -
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57. 新型コロナウイルス・パンデミック ― 世界銀行2020年6月 世界経済見通し
2020年6月2日、世界銀行は「2020年6月 世界経済見通しGlobal Economic Prospects, June 2020」について、6月8日の完全版発行を前に、分析章の抜粋を公表しました。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は世界経済、とりわけ新興市場途上国経済(emerging market and developing economies EDMEs)に大きな打撃を与えています。その影響は、最悪の医療危機を脱していった後も、残響のように経済に負の効果をもたらしかねません。将来の経済を強靭なものにするためには、ポスト・パンデミック時代に新たな雇用・ビジネス・ガバナンスシステムを創出するためのニーズを反映した政策が必要です。
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56. FAO・GAIN・The Johns Hopkins Alliance for a Healthier World: フードシステムに関する新ダッシュボードの開設
2020年6月1日、国連食糧農業機関 (FAO)・GAIN・ジョンズ・ホプキンス健康な世界のための同盟は、より賢明な食料政策策定のためのフードシステムに関する情報提供ツールとして、新たなオンライン・ダッシュボードを立ち上げました。ダッシュボードは230以上の国・地域のフードシステムに関して、35のデータソースに戻づく170以上の指標を提示し、フードシステムの多国間比較や食生活や栄養改善の優先分野の特定などに役立つことが期待されます。
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55. 新型コロナウイルス・パンデミック - アフリカにおける気候危機・パンデミックへの強靭性構築のための総合的対応
アフリカはCOVID-19の打撃を受ける中、気候変動の影響にも脆弱です。2020年5月、気候変動適応のためのグローバルセンター (Global Center on Adaptation)は「アフリカにおける気候危機・パンデミックへの強靭性構築のための総合的対応」政策概要を公表しました。アフリカがパンデミックのリスク削減と同時に気候変動の強靭性と経済復興という「3重の配当triple dividend」を得るには、食料安全保障、水資源アクセス改善、強靭なインフラ構築、分野に刺激対策資金を投入すべきとしています。
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54. Nature Communication ― 環境保全と持続可能な開発推進におけるビックデータの役割
2020年4月24日、Nature Communications誌は、環境保全と持続可能な開発推進におけるビックデータの役割に関する論考を発表しました。ビックデータは、環境が直面する厳しい現状を明らかにする一方、「せめてもの救い (bright spot) 」とその条件についても炙り出すことが可能です。ビックデータ解析は、地球の緑化プロセスの記録から違法な資源搾取の検出まで、急激な環境変化に関する詳細なエビデンスの収集を可能にしています。ビックデータ解析は、続可能な開発の課題に応えるために、環境意思決定と連動する必要があります。
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53. The Lancet論説 ― 気候変動と熱中症
そろそろ日本でも熱中症の危険がある季節に突入します。2020年5月にThe Lancet誌で公表された論説は、熱中症の死亡率が過小評価されている可能性に言及しつつ、気候変動・環境変化が人間の健康に与える影響を把握する必要性を訴えました。異常な環境災害が日常化するにつれ、地域・国レベル・世界レベルでの対応策の指針とするエビデンス提供のために、因果関係の分析が必要となります。
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52. 新型コロナウイルス・パンデミック -アフリカにおけるフードサプライチェーン
アフリカ開発研究、とくに農業・食料問題の分野で多くの成果を挙げるミシガン州立大学の研究者は、アフリカにおけるフードサプライチェーン(FSCs)の重要性を強調しました。消費される食料の平均80%がフードサプライチェーン(FSCs)を通じて購入されており、FSCsにおける食料供給の85%程度が中小企業によって取り扱われ、国内FSCs供給はアフリカ食料市場の80-90%を占め、FSCsは都市・農村雇用にとって重要な役割を果たしています。
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51. 新型コロナウイルス・パンデミック -人間開発の危機
国際連合開発計画(UNDP) は、平均余命、教育及び所得指数を複合的に捉えた人間開発指数(Human Development Index, HDI)を毎年公表しています。2020年5月20日、UNDPは、今年、HDIが1990年に導入されて以来30年間で初めて下落する可能性について述べ、懸念を表明しました。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、保健・教育・所得の3側面に打撃を与えることで、2007-09年の世界金融危機でも経験しなかった人間開発の危機をもたらしています。
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50. 新型コロナウイルス・パンデミック -COVID-19 vs.気候変動対策に関する主要国意識調査
英国の市場調査会社であるIpsos MORIは、2020年4月、主要国におけるCOVID-19と気候変動や環境問題に関する意識調査を発表しました。世界の国々と比べ、調査時において、日本は気候変動をCOVID-19同等の危機とみなし、政策的な優先事項と捉え、COVID-19による経済復興は環境に負の影響をもたらすべきではないという意見が多いながらも、政党による気候変動・環境問題の政治アジェンダ化の期待は必ずしも相対的に高くないようです。
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49. 新型コロナウイルス・パンデミック -Nature Climate Change 論文:COVID-19下の強制的待機による一時的な二酸化炭素排出量削減の推計
2020年5月19日、Nature Climate Change誌で、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)下の強制的自宅待機(隔離・移動制限)による一時的な二酸化炭素排出量の削減(Temporary reduction in daily global CO2 emissions during the COVID-19 forced confinement)」論文が発表されました。著者らは、政策が排出量に与える影響の度合いを捉えるインデックスに基づいて排出量を推計するアプローチを考案し分析を行った結果、2020年4月初頭までに、日ごとの世界的な二酸化炭素排出量は2019年比でマイナス17%減少したと推計され、その半分程は陸上輸送の変化によるものとされました。危機後の政策・経済インセンティブが、今後数十年にわたる世界的な二酸化炭素排出量の方向性を決定づける可能性があります。
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48. 新型コロナウイルス・パンデミック -COVID-19による貧困削減トレンドの逆転
国際社会は、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) により、近年の貧困削減の進歩が逆転し、貧困状態にある人々の数が急増しかねない状況に陥っています。貧困国では仕事に行かなければ収入はなく、収入の減少は食料不足に直結します。世界銀行の分析によると、サブサハラ・アフリカ地域では、パンデミックによって一人当たりGDP成長率が5~7%下落してマイナスに転じ、絶対的貧困層が追加的に2600万~5800万人増加、貧困率は2%上昇して、過去5年間の貧困削減の進展を払拭しかねないと予測されています。経済危機と貧困増加が懸念されるケニアでは、2020年5月23日、大統領が大規模景気刺激策を発表、小規模農民や花卉・果物産業への予算措置を含む支援策が明らかにされました。
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47. 新型コロナウイルス・パンデミック -国連:統計からみるCOVID-19による世界変化
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、世界をひっくり返すほどの衝撃をもたらしています。生活の在り方、仕事・コミュニケーションの仕方、移動の手段を含め、人々の生き方のあらゆる側面が影響を受けています。今から数か月間になされる意思決定は、数世代にわたり影響を及ぼしかねず、政府は最良の情報に基づいて政策決定をする必要があります。36の国連機関・国際組織をメンバーとする統計業務統括委員会は、「COVID-19は世界をどう変えているか:統計的視点」を発表しました。報告書は、数か月前には予想にもしなかったCOVID-19の経済的・社会的インパクトや地域的なトレンドのハイライトを示しています。
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46. 国際生物多様性の日
毎年5月22日は国際生物多様性の日 (International Day for Biological Diversity) であり、生物の多様性が失われつつあること、また、それに纏わる諸問題に対する人々の認知を広めるために国連が制定した記念日だそうです。2020年は、「解決策は自然の中にある: Our solutions are in nature」をテーマとしています。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックを踏まえても、国際社会は自然界との関係を見直す機会に直面しています。2020年は、2011-2020年生物多様性戦略計画の最終年かつ、2011-2020年国連生物多様性の10年最終年でもあります。
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45. 新型コロナウイルス・パンデミック ― COVID-19の漁業・養殖業への影響
水産業は国際貿易に大きく依存しているため、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック対策として取られた移動・流通の規制や制限は水産物市場の急激な冷え込みを招きました。消費者需要の減退により水産物バリューチェーンは危機に直面しています。物資の不足により、COVID-19感染を防ぐための適切な労働環境確保も困難な状況が続いています。このような状況において、新たな直販システムの構築など、パンデミック後を見据えた水産業の動きも起こり始めています。