現地の動き - Pick Up

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    84. 新型コロナウイルス・パンデミック―フードシステムを守り、健康的な食事を促すために

    栄養のための農業とフードシステムに関するグローバルパネル(The Global Panel on Agriculture and Food Systems for Nutrition)は、6月29日に最新のポリシーブリーフ、「新型コロナウイルス:フードシステムを守り健康的な食事を促す(COVID-19: safeguarding food systems and promoting healthy diets)」を発行しました。本グローバルパネルとは、栄養改善に積極的に関わっている国際的な指導者たちのグループで、低中所得国がエビデンスに基づいた栄養政策を立案するための手助けをしています。

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    83. 持続可能な開発レポート2020(続編)-日本のSDGs達成状況は?-

    前回のPickUp(Pick Up 82)記事では、持続可能な開発ソリューションネットワークとベルテルスマン財団による2020年版持続可能な開発レポートについて紹介しましたが、今回はその中から日本のSDGs達成状況について見ていきたいと思います。

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    82. 持続可能な開発レポート2020

    2020年6月30日、持続可能な開発ソリューションネットワーク(SDSN)とベルテルスマン財団(Bertelsmann Stiftung)は2020年版SDG指標とダッシュボードを含む持続可能な開発レポート(Sustainable Development Report 2020)を公表しました。このレポートは国連に加盟する193カ国すべてを対象としており、持続可能な開発目標達成に向けた各SDG指標に対する現状分析に加えて、これまでの軌跡や2030年までの予測、Covid-19状況下でのSDGsの展望が示されています。

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    81. 農業部門の変革を通じ、アフリカにおける食料安全保障危機を終わらせよ

    アフリカ政治経済情報に関するオンラインサイトThe Africa Reportは、2020年6月30日、「農業部門の変革を通じ、アフリカにおける食料安全保障危機を終わらせよ」記事を投稿しました。アフリカの多くの国において、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって引き起こされたサプライチェーンの寸断は、アフリカにおけるフードシステムの脆弱性を炙り出したと言えます。国際社会は食料安全保障という共通のゴールを達成するために、アフリカ諸国の農業転換アジェンダを承認し支援すべきです。

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    80. NASA報告 & Climate Change論文: 世界・南極において観測史上最高気温

    アメリカ航空宇宙局(NASA)は、19世紀以来の気温上昇現象が2000年以降さらに加速し、2020年は観測史上最も暑い年になる見込みであると発表しました。またNature Climate Change誌で公表された論文(Clem et al.)は、過去30年間、南極は世界平均値よりも3倍以上の記録的な温暖化を経験していると報告しました。

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    79. CGIARシステム: COVID-19に起因する食料安全保障や地域経済のリスクを軽減するために研究情報発信ハブを設立

    国際的な農業研究を進めるCGIARシステムは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の問題に起因する食料安全保障や地域経済のリスクを軽減するために、世界中で実施される様々な研究とその成果を整理し、世界の各国が適切な対応を行うために役立つ情報を取りまとめた「CGIAR COVID-19 Hub」を2020年6月 23日に立ち上げました。

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    78. 国際農研 研究成果ダッシュボード

    国際農研は世界の食料・環境問題の解決及び農林水産物の安定供給に貢献すべく、熱帯及び亜熱帯に属する地域等の開発途上地域における農林水産業に関する技術向上のための試験研究を行っています。国際農研の最近の研究成果について『国際農研 研究成果ダッシュボード』としてまとめ、一般に公開いたしました。
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    77. ワールド・アグロフォレストリー:クライメート・スマート・アグリカルチャー優良事例集講評

    国際農業研究機関CGIARの一つであるワールド・アグロフォレストリー(World Agroforestry: ICRAF)は、HPにて、国際農研も編纂にかかわったクライメート・スマート・アグリカルチャー優良事例集に関し、復元生態学学会議長をつとめるJim Hallett氏からの講評を掲載しました。ワールド・アグロフォレストリー、国際農研、WeForest、メケレ大学、オレゴン州立大学の共編による本書は、とりわけ土壌劣化と砂漠化に直面する地域において、生態系サービスと生業を維持する持続的土地利用の技術・アプローチの重要性を論じています。

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    76. Science of The Total Environment論文:COVID-19:の気候変動非常事態への教訓

    2020年6月、Science of The Total Environment誌は、「新型コロナウイルス感染症:気候変動非常事態への教訓 (COVID-19: Lessons for the climate change emergency)」をオンライン公表しました。論文は、COVID-19危機と迫りくる世界気候非常事態の類似性と差異を比較し、現在のパンデミック危機から世界気候危機を乗り切る心構えについての教訓を引き出そうと試みています。

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    75. Nature Climate Change論文:相互に関連する異常事象についての理解と対応のための考察

    2020年6月、Nature Climate Change誌にて、「相互に関連する異常事象についての理解と対応のための考察:Understanding and managing connected extreme events」論文が発表されました。異常気候を含む異常事象(extreme events)とそれらのインパクトは、物理的な要因と社会的事情の相互作用を通じて複雑に絡み合っています。様々な人為的対応がフィードバック・ループを通じて事態をさらに深刻化させる場合もあります。相互に関連する事象の発生について異分野連携を通じた議論が必要であり、著者らは意思決定を促すためのアプローチを提案します。

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    74. 世界銀行: アフリカにおけるデジタル・テクノロジーの潜在性

    2020年6月、世界銀行はアフリカにおける生産的雇用創出のためにデジタル・テクノロジーの潜在性を開花させる条件について議論した報告書 (The Future of Work in Africa: Harnessing the Potential of Digital Technologies for All) を公表しました。世界的には新たなテクノロジーにより雇用が失われる懸念が議論されているところですが、アフリカでは技術水準の低い労働者に機会を与えることで、包括的な開発の推進力になり得ます。ただし、この機会を生かすも殺すも、政策環境整備と生産的投資が行われるかにかかっています。

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    73. FAO特集論文 COVID-19:世界医療危機から世界食料危機へ

    2020年6月、食糧農業機関(FAO)は、「COVID-19:世界医療危機から世界食料危機へ」と題する特集論文を公表しました。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)という形で生涯において未だかつてない医療危機に世界が直面している今、この特集論文は、現在のパンデミック、すなわち「大封鎖:グレートロックダウン」の影響を国際食料市場に焦点を当てて検証し、市場の機能が正常な状態に戻る手立てについて、基礎となる有益な情報を提供しています。本Pick Upは、著者であるヨゼフ シュミットューバーFAO貿易市場部・副部長の許可を受けて、論文の全内容を紹介します。

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    72. Global Food Security論文: アフリカにおける農業機械化にまつわる俗説・現実・研究アジェンダ

    Global Food Security誌は、論文「アフリカにおける農業機械化にまつわる俗説・現実・研究アジェンダ」をオンライン公表しました。アフリカ農業システムは、世界で最も機械化が遅れており、長年機械化導入の機が熟していないとの見方が主流の中、「機械化は失業を生み出す」などの言説が広まりました。他方、近年、農業機械化が再びアフリカの開発アジェンダに挙げられるようになっています。著者らは、農業機械化に関する言説の殆どは、エビデンスが弱い「俗説(myths)」であり、持続的で包括的な農業機械化を検討する上で、エビデンスに支えられた政策を支援するための研究アジェンダの提案しています。

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    71. 土地利用変化と新規人獣共通感染症

    2020年6月、Mammal Review誌は、論文「哺乳類由来の新規人獣共通感染症:人為的土地利用変化の影響に関するシステマティック・レビュー Emerging zoonotic diseases originating in mammals: a systematic review of effects of anthropogenic land‐use change」を発表、森林破壊、都市化、農業集約化などの人為的土地利用が、哺乳類から人間への人獣共通感染症の感染に与える影響について、システマティック・レビューを行いました。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックは、人為的な土地利用変化が原因となり、哺乳類由来の人獣共通感染症が人類に拡散するリスクを理解する喫緊の必要性を炙り出しています。

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    70. Nature Food論説: 持続的食料生産のための農業研究開発(R&D)における官民の役割

    2020年6月、Nature Food誌は、持続的食料生産のための農業研究開発(R&D) における官民の役割分担についての論説 (Public-private roles beyond crop yields) を発表しました。近年の公的部門における育種プログラムへの資金難は、2050年までに約100億人の人口を養うための農業生産性改善を目指す官民セクターによる協調を脅かしています。民間部門がマーケット・利益重視というビジネス視点から応用作物技術を重視する傾向に対し、公的部門は高い社会的リターンがありながらも利益率が低い研究に偏る傾向があります。公的機関によるR&D削減は、農業システムの持続性に影響を与えかねません。官民セクターは、フードシステムについて長期的・社会的な視点から協力して取り組まなければなりません。

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    69. 新型コロナウイルス・パンデミック - 国連貿易開発会議(UNCTAD) :国際貿易と外国直接投資の収縮

    2020年6月、国連貿易開発会議 (UNCTAD)は、2020年、国際貿易と外国直接投資が大幅に落ち込むとの見通しを示しました。6月11日にUNCTADが公表した最新データによると、商品貿易は今年の第一四半期に5%落ち込み、第二四半期には27%下落する見込みであり、2020年に20%の落ち込みが予測されています。UNCTADはまた、6月16日に外国直接投資に関する報告書を公表、2020年に40%と急激に落ち込むとの予測を示しました。国際貿易・外国直接投資の収縮により、途上国が最も打撃を受けるでしょう。

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    68. 気候変動枠組条約 (UNFCCC):京都議定書の目標達成視野、一方、より野心的な介入が必要

    2020年6月17日、国連気候変動枠組条約 (UNFCCC)は、温室効果ガス(GHG)を1990年比で18%削減することを目標とした京都議定書第二約束期間の目標が実現可能であると伝えました。ただし、この評価はドーハ改正案での排出量削減に合意した37か国のみに限定され、世界的には排出量は増加を続けており、野心的な介入が必要です。2020年は、全ての国が参加してGHG排出削減に取り組む国際枠組みであるパリ協定のもとで、各国の気候変動対策への本気度が試されるタイミングです。現状の排出傾向が続けば世界の平均気温は3℃以上上昇しかねませんが、パリ協定では、世界的な平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より低く保ち、可能な限り1.5℃に抑える努力を追求することを明記しています。

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    67. 新型コロナウイルス・パンデミック - 国連政策提言: COVID-19の食料安全保障と栄養へのインパクト

    2020年6月9日、国連は「COVID-19の食料安全保障と栄養へのインパクトThe Impact of COVID-19 on Food Security and Nutrition 」とするポリシーブリーフ(政策提言)を発表しました。新型コロナウイルス感染症パンデミックは、それ以前から飢餓と栄養失調に苦しんでいた人々の食料栄養安全保障を脅かす保健医療・人道危機です。COVID-19対策と迫りくる世界経済不況への緩和策に関する大規模な協調なければ、フードシステムの機能は破綻し、保健・栄養危機に陥りかねません。フードシステムは、また、気候変動・地球の環境危機の要因の一つでもあり、フードシステムをより包括的・持続的で強靭なものに転換すべき時期に来ていると言えます。

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    66. 砂漠化および干ばつと闘う世界デー (Desertification and Drought Day)

    6月17日は、国連が制定した「砂漠化および干ばつと闘う世界デー (Desertification and Drought Day)」です。2050年までに約100億人の需要を満たすには、人々によるライフスタイルの変化と意識改革が必要です。土壌劣化の最大の要因の一つは、急速に増え続ける人口を養うための農地拡大です。また木炭生産のために木が伐採され、土地劣化につながります。アフリカでは、都市化によって高まる食料・燃料等への需要が農村エコシステムの喪失や土地劣化の要因となっており、持続的な管理法を模索していくしか対応策はありません。

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    65. 新型コロナウイルス・パンデミック ― IMF: COVID-19時代におけるアフリカ食料安全保障の防衛

    国際通貨基金(IMF)はブログを通じ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のもと、サブサハラアフリカの食料安全保障が危機に陥っていることについて警鐘を鳴らしました。サブサハラ・アフリカは、世界で最も気候変動の影響を受け、食料安全保障に問題を抱える地域であり、度重なる自然災害や災厄はさらに問題を悪化させています。サブサハラ・アフリカは、パンデミック対応のための財政刺激パッケージの一環として、食料安全保障のリスクを緩和する政策に優先順位を置き、経済成長/雇用創出と同時に格差解消への貢献が期待される、農業生産増強と世帯のショック対応能力強化に注力すべきです。