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142. 世界銀行報告書「人的資本指標2020」:過去10年の蓄積が損なわれるおそれ

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世界銀行は9月16日、「人的資本指標2020」報告書を発行しました。人的資本指標(Human Capital Index)とは、その国の健康・教育に関する状況を考慮したうえで、今日生まれた子どもが18歳になるまでに蓄積されるであろう人的資本を測る指標です。

今回の報告書では、174か国の2020年3月までの最新データが掲載されており、新型コロナウイルス感染症の起こる前の子供の保健・教育に関する基準値を示しています。今年3月時点では多くの国が人的資本の構築に着実な進捗を見せていました。2010年から2020年の10年間に、人的資本指標は世界で平均して2.6ポイント(4%)増加し、特に人的資本指標が低い国の増加が顕著にみられました。

進捗を見せていたとはいえ、健康や教育の状態に全く問題がない場合と比べると、それでも平均して潜在的な人的資本の56%しか発揮できないとみられていました。また低所得国に限るとその数字は37%という状態でした。

その後、新型コロナウイルスの影響により、世界で平均して半年分の教育が失われたり、健康に関するサービスが中断されたり、世帯所得が減少し子供の栄養状態が悪化したりしました。特に貧しい人や脆弱な人達がリスクにさらされており、断固とした政策がなければ、新型コロナウイルスの人的資本への悪影響は今後何十年と続くと考えられます。

参考文献

World Bank. The Human Capital Index 2020 Update: Human Capital in the Time of COVID-19. https://openknowledge.worldbank.org/handle/10986/34432 accessed on Sep 28, 2020.

世界銀行 プレスリリースhttps://www.worldbank.org/ja/news/press-release/2020/09/16/pandemic-thr… accessed on Sep 28, 2020.

(文責:研究戦略室 白鳥佐紀子)

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