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149. 最低限のエネルギーでまともな生活を提供するには:グローバルシナリオ

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Global Environmental Change誌に、「最低限のエネルギーでまともな生活を提供するには:グローバルシナリオ」論文が公表されました。

生態系の破綻を回避するには、現在の人間社会と世界経済の在り方を抜本的に変革する必要があることが次第に明白になっています。一方、地球上の数十億の人々の物質的要求は未だに満たされていません。論文は、シンプルなボトムアップ型モデルを用い、世界中の人々に最低限のまともな生活水準を提供するに必要となる、現実的な最低限の最終エネルギー消費水準を推計しました。2050年の世界の最終エネルギー消費は、1960年代よりも人口が3倍増えた状況にかかわらず当時の水準まで抑制できるとしました。しかし、そのような世界は全てのセクターにおいて最新技術の適用と、所得水準にかかわらず最低限に消費を削減し需要を抑制する変化を伴う必要があります。

参考文献

Joel Millward-Hopkins et al. Providing decent living with minimum energy: A global scenario, Global Environmental Change (2020). DOI: 10.1016/j.gloenvcha.2020.102168

(文責:研究戦略室 飯山みゆき)

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