現地の動き - Pick Up
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4. ウユニ塩湖のキヌア -「スーパーフード」孤児作物研究の意義
“世界一の「奇跡」と呼ばれた絶景”として有名なボリビアのウユニ塩湖ですが、その近辺の畑地は塩分濃度が高く、作物にとっては不毛の大地です。こうした厳しい環境でも育つ極めて希少な作物に、近年「スーパーフード」として注目を浴びているキヌア(quinoa)があります。世界各地には、栄養価に優れながら、品種改良のための研究が十分行われてこなかった作物が多くあり、これらは「孤児作物 (orphan crops)」などと呼ばれています。国際農研は、キヌアの品種改良・高付加価値化への道筋をつけるのみならず、厳しい環境・気象条件に適応する作物のメカニズムを明らかにすることで、気候変動に対する育種戦略への知見を得ることを目指しています。
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3. 世界の食料・栄養安全保障に関する農業研究の視点の変化
持続可能な開発目標(SDGs)では、飢餓の撲滅が目標の1つに掲げられています。また、今年2020年12月には「東京栄養サミット2020 (Tokyo Nutrition for Growth Summit 2020)」が開催されます。栄養不足、微量栄養素不足、肥満などの栄養不良は喫緊の地球規模課題です。農業は今、いかに地球に負担をかけずに健康的な食料を安定的に供給できるシステムを構築できるかが求められています。国際農研では、アフリカの農村部で農家調査を行い、食事や栄養供給についての実証分析を進めています。実効性のある農業・栄養介入の方法を探り、世界の食料・栄養安全保障への貢献を目指しています。
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2. サバクトビバッタの予防的防除技術の開発に向けて
サバクトビバッタ(Schistocerca gregaria)は現在、東アフリカ、アラビア半島、インド・パキスタン国境沿いで猛威を振るい、深刻な食糧危機を引き起こしています。このバッタによる被害は世界人口の1割に、地球上の陸地面積の2割に及び、年間の被害総額は西アフリカ地域だけでも400億円以上に達する地球規模の天災として恐れられています。現在はコロナウイルスの問題も併発し、国を越えた支援活動に大きな支障が出ることが懸念されています。国際農研は、豊富な海外での研究活動の経験を生かし、サバクトビバッタの屋外における行動習性の研究を通じて、大発生の予知を可能にし、環境保全を考慮した持続的な防除システムの構築を目指します。
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1. 持続可能な開発目標(SDGs)と農業研究 - 国際農研@50周年
国際農研は今年2020年で創立50周年記念を迎えます。これを機に、国際農研の情報収集・提供プログラムでは、気候変動や食料問題などに関する世界のニュースや話題をピックアップし、その分野と関連する国際農研の研究活動を紹介するコーナーを設けることにしました。第一回目である本稿では、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献するための農業研究の必要性を概観します。今後も、話題のニュースと国際農業研究を絡めたトピックを取り上げていきますので、ご期待ください。