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65. 新型コロナウイルス・パンデミック ― IMF: COVID-19時代におけるアフリカ食料安全保障の防衛

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国際通貨基金(IMF)はブログを通じ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のもと、サブサハラアフリカの食料安全保障が危機に陥っていることについて警鐘を鳴らしました。度重なる自然災害や災厄は、アフリカの人々が安全で栄養ある十分な食料へのアクセスを奪っています。イダイ・ケネスといったサイクローン襲来、東アフリカにおけるバッタ大発生、南部・東アフリカにおける干ばつ、これらにCOVID-19パンデミックが重なり、地域の2.4憶の人々が飢餓に直面する状況となっています。国によっては、70%の人口が食料へのアクセスに支障をきたしています。

サブサハラ・アフリカは、世界で最も食料安全保障に問題を抱える地域であり、人口の半数が貧困線以下での生活を営み、生きるために天水農業・牧畜・漁業に依存しています。IMF 2020年6月サブサハラ・アフリカ地域経済見通しでは、気候変動がさらに問題を悪化させていることを報告しています。干ばつであれ洪水であれサイクローンであれ、気候ショックは農民に打撃をあたえ、食料不足によって人々が食料価格上昇に直面することになります。

サブサハラ・アフリカは、パンデミック対応のための財政刺激パッケージの一環として、食料安全保障のリスクを緩和する政策に優先順位を置くべきです。これら政策は、経済成長と雇用創出と同時に格差解消への貢献が期待される、農業生産増強と世帯によるショック対応能力強化に注力すべきです。

パンデミック前も、地域の多くの国々は作物生産性の向上や気候への脆弱性を緩和するために行動をとっていました。例えばモザンビークは、高温耐性豆品種のパイロット・プロジェクトを実施しており、エチオピアではさび病(高温と雨量不順で引き起こされる)耐性小麦品種導入により収量を40%改善した農民について報告されています。これら成果を活かすには、灌漑設備・種子・土壌侵食保全向上を通じた生産性改善が必要です。同時に、これら政策実施を加速するために、農民の意識向上が求められます。

サブサハラ・アフリカにおいて、気候変動適応策は予想以上のインパクトを達成してきました。これら戦略の普及には、今後10年間、地域GDPの2%に相当する300―500憶ドルが必要とされるとのことです。しかし将来、頻繁に必要となる災害支援額に比べれば、気候変動対応メカニズムの費用を先払いすることで、社会が負うコストはずっと少なくてすむでしょう。

参考文献

IMF Blog. Safeguarding Africa’s Food Security in the Age of COVID-19. Pritha Mitra and Seung Mo Choi, June 4, 2020. https://blogs.imf.org/2020/06/04/safeguarding-africas-food-security-in-the-age-of-covid-19/

(文責:研究戦略室 飯山みゆき)