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66. 砂漠化および干ばつと闘う世界デー (Desertification and Drought Day)

6月17日は、国連が制定した「砂漠化および干ばつと闘う世界デー (Desertification and Drought Day)」であり、砂漠化を防止し、旱魃から人々を救うために、人類の飽くなき生産と消費について人々の意識を変えることを目的としています。2050年までに約100億人の需要を満たすためには、ライフスタイルの変化と個人による意識改革が必要です。今年のテーマは人々の消費とランドスケープの健全性についてがテーマです。

劣化した土地とは、地球上の生命維持の基盤である生物多様性を失ったあるいは失いつつある土地を指します。劣化した土壌は、土壌侵食防止・土壌の水分保持などのエコシステム・サービスを供給できません。健全なエコシステムは健全な地球と人類にとって不可欠であり、それゆえにエコシステムの持続的管理に投資しなければなりません。

余り注目を浴びませんが、土壌劣化の最大の要因の一つは、急速に増え続ける人口を養うための農地拡大です。土地計画の不在や農業資材・技術へのアクセスの欠如、そしてときには汚職によって、焼き畑農業(slush and burn)的土地利用が拡大しています。このような耕作システムの下では、木質バイオマスやその他自然資源が非持続的に搾取され、土壌劣化に繋がります。もう一つの要因が木炭の利用です。調理用のガスや電気を支払えない人々が燃料源として薪や木炭を使用し、木炭生産のための木の伐採によって土地劣化がおこります。気候変動は度重なる洪水・干ばつを通じて状況を悪化させ、近年ではバッタの大群が作物にダメージを与えています。農民は作物を生産できる時期について決めかね、貧困が悪化した結果、焼き畑農業のような対応策に頼らざるを得ない、という悪循環が起きています。

アフリカは世界でも最も都市化が急速に進んでいる地域であり、都市化によって高まる食料・燃料等への需要が農村エコシステムの喪失や土地劣化の要因となります。

このような状況に対し、持続的な管理法を模索していくしか対応策はありません。それには人々の意識改革と土地計画への投資が必要です。解決のためには、持続的土地管理のためにデジタル・テクノロジーを活用したり、生態系サービスへの支払い(PES:Payment for Ecosystem Services)を活用していき、若者や企業を巻き込んでいかなければなりません。

 

参考文献

UNEP. Protect landscapes to protect humanity. June 16, 2020. https://www.unenvironment.org/news-and-stories/story/protect-landscapes-protect-humanity

Iiyama M, et al. (2014) The potential of agroforestry in the provision of sustainable woodfuel in sub-Saharan Africa. Current Opinion in Environmental Sustainability. Vol. 6C, pp. 138-147. http://dx.doi.org/10.1016/j.cosust.2013.12.003

(文責:研究戦略室 飯山みゆき)