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79. CGIARシステム: COVID-19に起因する食料安全保障や地域経済のリスクを軽減するために研究情報発信ハブを設立

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行による我々の社会や経済に対する未曾有の危機が現実となる中、特に低―中所得の国々での、食料や栄養、そして水などの共有や人々の健康へのリスクが顕在化してきました。このまま緊急支援が得られなければ、世界では1.4億人が極度の貧困状態となり、数百万人が餓えと食糧不足に苦しむと予想されています。

国際的な農業研究を進めるCGIARシステムは、COVID-19の問題に起因する食料安全保障や地域経済のリクスを軽減するために、世界中で実施される様々な研究とその成果を整理し、世界の各国が適切な対応を行うために役立つ情報を取りまとめた「CGIAR COVID-19 Hub 」を2020年6月 23日に立ち上げました(http://a4nh.cgiar.org/covidhub/)。

このCGIAR COVID-19 Hub は、CGIARシステムの着目する、1)食料システム、2)人間と動物、そして環境を含む健康、3)食料・栄養安全保障に対する包括的な取り組み、4)危機対応、経済的回復、強靭性の向上のための政策と投資、の4つの研究テーマに沿って、研究や関連する取り組みについての情報とコミュニケーションを整理し、提供するものです。

そして、各国とそのパートナー機関が、これらの情報を活用することで、単にこれまでと同様な食料システムを取り戻すのでなく、より良い食料システムを再構築することによって、貧困削減( reduce poverty)、食料安全と栄養供給の向上(improve food and nutrition security)、自然資源と生態系サービスの向上(Improved natural resources and ecosystem services)を達成し、SDGsに貢献する事を目指しています。

CGIARシステムに所属する15の研究機関では、これまでにCOVID-19の緊急対応フェーズに実施してきた最先端の研究や情報の収集を通じ、各国政府が利用できる多くのツールやデータベースを提供してきました。現在のCGIAR COVID-19 Hub では、これら多くの成果のうち、COVID-19 の食料価格や食料輸出、作物生産に対する影響を可視化するツールや、都市部で飼育される家畜の健康面の研究やジェンダーに配慮した社会扶助についての取り組みの情報がハイライトとして取り上げられています。

 

参考文献

CGIAR:RESPONDING TO COVID-19:CGIAR’S CONTRIBUTION TO GLOBAL RESPONSE, RECOVERY AND RESILIENCE https://cgspace.cgiar.org/bitstream/handle/10568/108548/CGIAR-Responding-to-COVID-19.pdf

 

(文責: 村中聡、生産環境・畜産領域)