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87. 世界銀行報告書:COVID-19影響下のタイ国の経済状況

 

世界銀行は、「2020年6月のタイ国の経済状況:新型コロナウイルス感染症影響下のタイ(Thailand Economic Monitor, June 2020: Thailand in the Time of COVID-19)」を発表しました。

2020年初頭にタイを襲った新型コロナウイルスによるショックは、タイ経済が持つ脆弱性を浮き彫りにしました。経済成長は2018年の4.2%から2019年の2.4%に鈍化し、特に2019年第4四半期の業績は低迷していました。成長鈍化の主な要因は、米国と中国の貿易摩擦の影響を反映した輸出需要の低迷、 2020年度予算の通過の遅れによる公共投資の遅れ、農業生産に影響を与えた干ばつの3点です。

新型コロナウイルスショックは2020年の初めにタイを襲い、すでに大きな経済的影響を及ぼしており、2020年の第1四半期には前年比で1.8%、前四半期比で2.2%の急激な成長の縮小が見られました。世界と国内の需要の急激な悪化によりタイ経済は2020年に、この地域で最も急激に縮小して、5.0%縮小すると予測されています。これは、特に観光収入の減少と世界貿易の弱体化による輸出の急激な減少、さらに、移動制限と強制的な事業の閉鎖の影響を反映した内需の鈍化によるものです。世界的にもタイ国内的にも新型コロナウイルス大発生に至る経路の不確実性が高まっていることから、経済的な予測は今後、マイナス方向に修正される可能性があります。

国際農研はバンコクに東南アジア連絡拠点を持ち、国際農研の14のプロジェクトの内、半数のプロジェクトがタイで研究を行っており、タイは長年にわたる共同研究パートナーです。COVID-19によって研究活動も制限を受けていますが、ポストコロナの農林水産業セクター強靭化のために、共同研究相手と密接に連絡をとりながら、新しい研究の在り方について協議を続けています。

 

参考文献

World Bank Group. 2020. Thailand Economic Monitor, June 2020: Thailand in the Time of COVID-19. World Bank, Bangkok. © World Bank. http://hdl.handle.net/10986/34047

 

(文責:研究戦略室 安藤象太郎)