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182. COVID-19のインパクト

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2020年11月中―下旬、COVID-19に対する幾つかの開発中のワクチンが医療試験の最終段階で90%の有効性を示すというニュースが伝えられました。しかしワクチンが普及したとしても、このパンデミックによる経済危機の影響は長期化し、貧困層が最も深刻な被害を被ることになりそうです。

2020年11月19日、国連貿易開発会議(UNCTAD)は、「COVID-19のインパクト」報告書を公表、経済危機が世界貿易、投資、生産、雇用、そして個人の生活に及ぼす影響について包括的な分析を行い、コロナ危機の影響はとりわけショックへ対応する資源をもたない世界の貧困層に非対称的に大きなインパクトをもたらすとしました。

報告書は、ワクチン生産と配布は途上国におけるキャパシティ制約を浮き上がらせることになるだろうとしています。例えば、追加的財政刺激策についてみると、先進国においては感染拡大以降一人当たり1,365ドルであるのに対し、最貧国では18ドル、その他途上国では76ドルに留まっており、途上国の危機対応能力の限界を示しています。

参考文献

UNCTAD. Impacts of the COVID-19. Pandemic on Trade and Development. Transitionin to a New Normal. https://unctad.org/system/files/official-document/osg2020d1_en.pdf

(文責:研究戦略室 飯山みゆき)

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