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158. 世界銀行: アフリカの鼓動 - 復興への道筋
2020年10月8日—世界銀行は、「アフリカの鼓動:復興への道筋」報告書を発表し、新型コロナウイルス感染症の世界的流行がもたらした景気低迷により、サブサハラアフリカ地域が25年ぶりに景気後退局面に入るとの予測を示しました。パンデミックにより、本地域では2020年に最大4,000万人が極度の貧困に陥り、少なくとも過去5年間に達成された貧困削減の傾向が帳消しになる可能性があります。詳しくは、プレスリリースで言及されています。
同報告書は、域内経済の回復には域内諸国による大規模な投資や国際社会からの財政的支援が必要だと指摘した上で、財政余力を生み出す政策や雇用創出を加速する政策を含む、大胆な改革アジェンダを提案しています。すでに数カ国が、新型コロナウイルス危機を契機として、以前から必要性が指摘されていたエネルギー・通信分野の改革に着手したほか、アフリカ地域の企業の25%がデジタルテクノロジーの使用を加速し、デジタルソリューションへの投資を拡大しました。とくに農業分野において、デジタル技術が、気象・技術情報(改良種子・肥料・トラクターなど)へのアクセスと使いこなし方を示すことで、新しい技術の採択を促しています。幾つかの国では、デジタル技術は市場情報を提供し、グループでバリューチェーンでの交渉力を高めることに役立っています。クオリティ・コントロールやトレーサビリティの分野でもデジタル技術の貢献が期待されています。
参考文献
World Bank. Zeufack, Albert G.; Calderon, Cesar; Kambou, Gerard; Kubota, Megumi; Cantu Canales, Catalina; Korman, Vijdan. 2020. Africa's Pulse, No. 22, October 2020 : An Analysis of Issues Shaping Africa’s Economic Future. World Bank, Washington, DC. © World Bank. https://openknowledge.worldbank.org/handle/10986/34587 License: CC BY 3.0 IGO
日本語プレスリリース サブサハラ・アフリカ地域の経済が悪化 景気回復に向けた政策を提言:世界銀行報告書 2020年10月8日. https://www.worldbank.org/ja/news/press-release/2020/10/08/world-bank-c…
(文責:研究戦略室 飯山みゆき)