2020年9月25日、Science誌にて、「海洋熱波は人為的な温暖化に起因するHigh-impact marine heatwaves attributable to human-induced global warming」との論文を公表しました。

人為的な気候変動は大気気温の記録的な高温を頻発化させるだけでなく、以上に高い海洋温度が持続する事象の頻発化ももたらします。人知れず起こる地域的に高い海面温度の持続期間によって定義される海洋熱波は、ここ数十年、発生頻度が高くなっています。論文は、人為的な温暖化のため、これら事象が起こる頻度が10倍になっているとし、産業化以前は海洋熱波は100年から1000年おきに生じていたのが、世界の平均気温が3℃上昇すれば毎年～10年の頻度で発生しかねない、と警鐘をならしています。海洋熱波は、海洋のエコシステムに甚大な影響をもたらしかねません。

参考文献

Charlotte Laufkötter et al.  High-impact marine heatwaves attributable to human-induced global warming https://science.sciencemag.org/content/369/6511/1621

（文責：研究戦略室　飯山みゆき）