現地の動き - Pick Up
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964. エルニーニョ現象の終息とラニーニャ現象への移行見込み
アメリカ海洋大気庁は、2023年半ば以来、人為的要因と相まって世界気温を記録的な水準に押し上げてきたエルニーニョ現象について、4月頃には終息して平常常態になる確率が79%、6-8月には太平洋がラニーニャ現象状態に移行する確率が55%、という見込みを発表しました。 -
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963. ロシアによるウクライナ侵攻以来の食料システムリスク
2022年2月24日にロシアがウクライナ侵攻して以来、2年が経とうとしています。2022年の記録的な世界食料価格の高騰は、食料生産が燃料・肥料のグローバルな供給に依存しており、地政学的紛争によるサプライチェーンの寸断が、食料安全保障リスクに直結することを国際社会が再認識するきっかけとなりました。 -
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962.地球と宇宙をつなぐ国際農研の取り組み〜レジリエント作物の新たなフロンティア〜
国際農研が取り組む「気候変動などによる地球環境の劣化に対応したレジリエント(強靭な)作物の生産に向けた研究」は、「宇宙環境に適応した作物の生産を目指す研究」にもつながっています。 -
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961. 転換点に関する最近の研究
地球システムにおいて、人為的な活動のせいで不可逆性を伴うよう大規模な変化を伴う転換点を超えてしまいそうな大規模なサブシステム(ティッピング・エレメント)は、一見バラバラに見えますが、遠隔相関しあい、一つの変化がドミノ倒し的な影響をもたらす可能性が指摘されています。その仕組みについてはまだわからないことも多いですが、最近、大西洋海洋循環とアマゾン熱帯林の転換点が近づいているとする研究が発表されました。 -
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960. ChatGPTはアフリカ水田稲作農家の質問に対して適切な回答ができるのか?
人工知能(AI)を使った会話型のコンピュータープログラムであるChatGPTは、大量のテキストデータから学習し、自然な文章を生成することができるとして、近年大きな注目を浴びています。農業普及員の数が絶対的に不足するサブサハラ・アフリカ地域において、AIは農家の質問に適切な回答ができるでしょうか。国際イネ研究所(IRRI)の齋藤和樹博士らのチームらがナイジェリアの灌漑稲作地域を対象としたChatGPTの評価を行った研究結果が、Scientific Reports誌で公表されました。 -
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959. 低・中所得国での栄養不良の二重負荷に関するシステマティックレビュー
低所得国・中所得国では、栄養転換が急速に起こり、栄養の不足だけでなく過剰も問題になってきた国が少なくありません。本日はThe Lancet Global Healthに掲載されたシステマティックレビュー論文(Escher et al. 2024)をご紹介します。 -
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958. 欧州における気候変動・環境保全対策のゆくえ
欧州はEU域内全体での化学農薬の使用量とリスクを2030年までに50%削減することを目指してきましたが、農家による反発が高まる中、2月6日、フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長は現時点での制定は難しいと判断、取り下げる(shelving)意向を表明しました。一方、同日、欧州委員会は、野心的な気候変動対策を提案しています。国際的な環境政策議論にも影響を与える欧州環境規制動向の背景に関する科学誌の論説を紹介します。 -
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957. 自然気候ソリューションズ ~ NCSの理念
2017年ごろ誕生した「自然気候ソリューションズ」(Natural Climate Solutions:NCS)の概念は、その適用により、前例のない速さで加速する気候変動を緩和し、大惨事の阻止に貢献しうるとして注目を集めています。一方で、NCSついては抽象的な理解も多く、しばし他の気候変動対策概念との間で混乱や誤解が生じることから、明確な概念定義が求められています。今日は、これまでのNCS関連の議論を精査したレビュー論文を紹介します。 -
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956. 産業革命以前比で1.5℃越えを記録
2024年2月8日、EUのコペルニクス気候変動サービスは、2024年1月は世界的に過去最も高い気温を記録した1月となり、8カ月連続で過去最も暑い月別記録を更新、さらに、2023年2月~2024年1月の12か月間は産業革命以前の平均値と比べ1.52℃高い値を記録、一時的にでもパリ協定の目標値である1.5℃を超えてしまいました。 -
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954. 食料システム変革の経済学
1月末、気候変動・保健栄養・農業・自然資源の経済学に関わる著名な研究者らが、「食料システム変革の経済学」と題するグローバル政策レポートを公表しました。報告書は、人類・地球の健康に対する食料システムの負の影響は毎年10兆ドル以上と推計され、食料システムの世界GDPへの貢献度を上回っているとし、緊急な変革を呼びかけています。 -
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953. 温暖化のもとでも極端な寒波は起こりうる
今週初め、関東も寒気に見舞われ、東京の一部で大雪警報が発令されました。極端現象と気候変動の因果関係を分析するWorld Weather Attributionは、2024年1月初旬に北欧を襲った極端な寒気は、温暖化の下でも起こりうるとしつつ、その頻度が減っていく中、寒波を予期できない社会の脆弱性リスクを高めかねない、と発表しました。 -
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952. 2024年1月 世界食料価格動向
国連食糧農業機関(FAO)は、2月2日、世界食料価格動向を公表しました。2024年1月の値は平均118.0ポイントで、砂糖価格上昇を打ち消す穀物・食肉価格の下落を反映し、前月から1.2ポイント(1.0%)下げました。価格指標は前年比で13.7ポイント(10.4%)低い値をとりました。 -
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951. 水不足の解決へ~水資源の拡充と多様化
世界中の多くの国で水不足が深刻化しています。水資源の確保・管理・保全において、より革新的で持続的な利用方法が求められます。今日は国連環境計画が公開したストーリー記事を紹介します。 -
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950. 2月3日は『大豆の日』
明日、2月3日は『大豆の日』です。節分の日に大豆をまいて邪気を払い、年齢の数だけ大豆を食べて無病息災を願うことから、節分になることが多い2月3日に設定されています。大豆の日にちなんで、国内外の大豆の事情および国際農研のダイズ研究について紹介します。 -
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949. アフリカのコメ自給率
今日は、国際農研とも縁の深い齋藤和樹博士が執筆にかかわったNature Communications誌の論文「アフリカ稲作の収量向上により、輸入依存から脱却し、農地拡大による自然破壊を回避せよ」を紹介します。 -
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948. 食料自給率の動向と見通し―食料・農業・農村基本法改正に向けて
日本の農業政策の基本的な方向を示す「食料・農業・農村基本法」の改正法案が、2024年通常国会に提出され審議される予定です。 -
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947. プラネタリー・コモンズ
プラネタリー・バウンダリー概念を提唱した著名な研究者らが、プラネタリー・コモンズという新たな概念を提案し、地球の強靭性と正義を回復し強化するための地球システムガバナンスの必要性を呼びかけました。 -
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946. 未来人(ミライスト)は何を食べる? ~食料研究と有人宇宙開発から覗く未来の食卓~
2月2日(金)に開催される「金夜サイエンスカフェ」(つくばサイエンスツアーオフィス主催)では、国際農研が宇宙航空研究開発機構(JAXA)とコラボレーションします。 -
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945. 気候変動がアマゾン盆地における干ばつの主要因
極端現象と気候変動の因果関係を分析するWorld Weather Attributionは、1月24日、ブラジルのアマゾン盆地における極度の干ばつの主要な原因は、エルニーニョ現象ではなく、気候変動である、とする分析結果を公表しました。