現地の動き - Pick Up

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    787. ゲノム編集でリン欠乏条件での収量性が向上したイネを作出

    分げつはイネの生産性において重要な形質です。国際農研では、ゲノム編集によって分げつに関わるイネの遺伝子OsTB1を改変することで分げつ数が増加し、リン欠乏条件でのイネの収量性を向上させられる可能性を示しました。サブサハラアフリカなど、肥料や土壌からのリン供給が乏しい地域でのイネの生産性向上にこの知見が役立つと期待できます。
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    786. 高α-トコフェロール含量ダイズ開発によるダイズ機能性の向上

    トコフェロールはビタミンEとして知られる脂溶性の抗酸化物質であり、がんや動脈硬化などの生活習慣病や循環器系疾患を予防する生理的な機能を持っています。トコフェロールのうちビタミンE活性が最も高いのはα-トコフェロールです。しかし、ダイズのα-トコフェロール含有率は低く、ダイズの機能性の活用を制限していました。国際農研では、ダイズのトコフェロール生合成経路を制御するDNA領域と候補遺伝子を明らかにすることができました。トコフェロール生合成経路を変化させることで、α-トコフェロール含量を高めたダイズを開発できる可能性があります。
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    785. プラスチック汚染を根源から絶つために

    かつて“奇跡の素材”と称されたプラスチックは、今や我々の無責任な使用方法が原因で、汚染源となっています。本日は、国連環境計画(UNEP)が公表した最新報告書 「汚染の蛇口を止めよう:どのようにすれば世界はプラスチック汚染に終止符を打ち、循環経済を実現できるか」の内容を紹介します。
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    784. 複合的な異常気象の同時発生による作物への影響

    異常気象は世界中のあらゆる地域で観察されています。この異常気象が同時に発生した場合の作物収量への影響については未だ明らかにされていません。アールト大学の研究者を中心とする国際チームは、地球規模の気象データおよび主要作物の収量データを用いて複合的な異常気象の同時発生による影響を推定し、Scientific Reportsに発表しました。
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    783. 4月に観測されたアジアの記録的な高温と気候変動の関係

    2023年4月後半、バングラデシュ、インド、タイ、ラオスなど多くの地域で記録的な高温が観測されました。極端現象と気候変動の因果関係を分析するWorld Weather Attributionによると、インド、タイをはじめとする10か国の科学者たちは、高温が観測された4カ国について気候変動による猛暑の発生頻度と強さについて評価しました。
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    782. 今後5年間に産業革命期の平均気温を1.5℃超える可能性

    5月17 日、世界気象機関(WMO)は、2023-2027年の5年間の少なくとも1年に、産業革命期の平均気温を1.5℃超す可能性が高いと発表しました。一時的にも1.5℃を超える確率が上昇していくことで、人々の健康、食料安全保障、水・環境へ甚大な影響を及ぼすことが懸念されます。
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    781. 国際生物多様性の日

    水・食料・薬・服・燃料・家・エネルギーなど、我々の生活は健全なエコシステムに依存しています。しかし人為的な経済活動は生物多様性を破壊してきました。5月22日は、「国際生物多様性の日」として、生物の多様性が失われつつあること、また、それに伴う諸問題に対する人々の認知を広めるために国際連合が制定した記念日です。
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    780. 黒海穀物イニシアチブの60日間延長

    昨年2月のロシアによるウクライナ侵攻により、主要穀物生産・輸出国からのサプライチェーン寸断への懸念が、2022年の食料価格高騰をもたらしました。状況打開のため昨年7月に締結されたウクライナ産穀物の輸出を保証する黒海穀物イニシアチブは、11月に120日間延長されましたが、3月の再延長ではロシア側が譲らず、60日間のみ有効でした。期限前日の5月17日、ロシアが60日間の延長に合意したことが伝えられています。
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    779. 子どもの動物性食品摂取量(年齢層別・世界/地域/国別)

    子どもの動物性食品の摂取量について、世界・地域・国別、年齢層別に推定した論文をご紹介します。
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    778. 日々の食事の健康・持続性インパクト

    持続的な食料システム転換において、何を食べ、どのように調理するかも解決法の一つであるべきですが、世界の異なる地域において、文化的にも経済的にも現実的な食生活についての洞察も必要になってきています。このたび、Nature Food誌に掲載された論文は、ノルウェー・イギリス・アメリカを対象とし、オンラインや人気の料理本に掲載された600の夕食レシピを分析、この手法が食にかかわる習慣を理解するエントリーポイントとなる可能性を示しました。
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    777. 食と気候のネクサス

    食料システムは気候変動により大きな被害をこうむりますが、同時に過剰な肥料使用や土地利用変化を通じて温室効果ガス排出し、気候変動の原因ともなっています。一方、食料システムにおけるイノベーションを講じることで、気候変動緩和・適応に貢献することも可能です。食料システムと気候変動のこのような双方向の繋がりを、ネクサス、という言葉で表現することがあります。Nature Food誌に掲載された、食と気候、食料システムと気候変動、のネクサスに関する論考を紹介します。
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    776. 世界商品市場価格の動向

    4月に世界銀行が公表した世界商品市場見通しによると、2023年の商品価格は2022年に比べて全体的に21%低水準が予測されており、とりわけエネルギー価格は26%、農産品価格は7%、食料価格は8%、肥料価格は37%の下落が見込まれているとのことです。これら商品価格の全般的な下落にもかかわらず、肥料価格指標と食料価格指標はパンデミック前を超える水準にとどまっています。
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    775. 国際植物防疫デー

    5月12日は国際植物防疫デーです。国際植物防疫デーの目的は、植物病害虫のまん延を防止することの重要性について世界的な認識を高めることです。国際農研でも、世界的に問題になっている植物病害虫の防除に向けた国際的な共同研究を推進しています。
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    774. 食料危機に関するグローバル報告書2023

    2023年版食料危機に関するグローバル報告書によると、2022年時点で2億5,000万人以上の人々が急性的な食料不安に陥っており、過去 7 年間で最も高い数字となっています。
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    773. 2023年のエルニーニョ現象見通し

    5月3日、世界気象機関(WMO)は、今年後半にエルニーニョ現象の影響が増していく可能性についての見通しを発表しました。エルニーニョ現象は、ここ数年間ラニーニャ現象がもたらしてきた天候・気候パターンとは対照的なインパクトを及ぼし、世界の気温をさらに押し上げる可能性があります。
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    772.食品ロス削減によって世界が受ける恩恵

    世界で生産される食料の3 分の 1が消費されずに失われており、人間の健康・栄養だけでなく、経済と環境にも多大な害を及ぼしています。
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    771. 2023年4月 世界食料価格動向

    この3年間、食料サプライチェーンの動向にも影響を及ぼしたCOVID-19ですが、5月5日、世界保健機関(WHO)は、新型コロナウイルス感染症に対する緊急事態宣言を終了すると発表しました。同じく5月5日、国連食糧農業機関(FAO)は、毎月恒例の世界食料価格動向を公表しました。2023年4月の値は前月から0.6%と僅かに上昇、食肉価格指標の反転と砂糖価格指標の急激な上昇を反映しました。
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    770. 脆弱な地域における極端気象のインパクト

    気候変動により、極端ともいえる現象も世界各地で頻発化しています。Nature Communications誌で発表された論文は、これまで極端な気温を経験したことのない地域ほど、いざリスクに晒されたときに脆弱となりうることを示しました。脆弱な地域ほど、十分な適応策を講じられるか見直す必要に迫られています。
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    769.動物性食品は敵か味方か

    動物性食品の健康・環境面での利点・リスクについてはこれまで多くの議論がなされてきました。本日はレビュー論文をご紹介します。
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    768. 連動する気候変動・生物多様性危機と社会的インパクトを克服せよ

    気候変動と生物多様性喪失は、我々の社会および生態系に甚大な影響を及ぼしています。この二つの危機は、共通の因果関係により極めて密接に連動しており、双方の解決に同時に取り組む必要があります。4月、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)および 生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)に係る研究者らが、連動する気候変動・生物多様性危機の双方に取り組む必要性について、Science誌で論文を公表しました。