現地の動き - Pick Up

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    749. Pick Upで取り上げた気候変動に関する報告書

    令和5年度が始まりました。国際農研Pick Upでは、国際機関等で刊行された多くの報告書を取り上げて紹介しています。令和4年度は23件の報告書を紹介しました。今回は令和4年度に報告した中から気候変動に関する4つを取り上げてまとめました。
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    748. 最近の食料価格インフレと肥料問題

    3月も末となり、令和4年度も終わりをむかえます。この1年間、ロシアのウクライナ侵攻に伴う世界食料サプライチェーン寸断への懸念から、世界食料価格・エネルギー価格・肥料価格指標は史上最高水準まで高騰しました。最近国際価格は落ち着いてはいるものの、世界各国で食料価格のインフレが続いています。また、サブサハラアフリカの小国にとって肥料代替輸入先の確保は困難であり、肥料消費が大きく落ち込んだ可能性が指摘されています。
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    747. リジェネラティブな農業を考える

    近年、民間企業や市民社会を中心に、「リジェネラティブ」を掲げる農業の在り方を推進する運動が高まってきています。リジェネラティブとは、壊れたものを再生し、活性化する、という意味があるようです。たしかに、現在の農業やフードシステムは、気候変動や生物多様性の消失という、現代においてもっとも深刻な環境危機の最大の原因の1つです。同時に、時計の針を単に巻き戻すのではなく、技術・経済進歩を取り入れ、世界各地の事情に応じたリジェネラティブ・パスウェイの模索が必要になります。このたび、アウトドア企業のパタゴニアが、日本において「リジェネラティブ・オーガニック」をテーマにした初めてのカンファレンスを開催します。国際農研からも、今日の農業・フードシステムの在り方を俯瞰する講演を行います。
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    746. 日々の気温の乱高下(day-to-day temperature variability)

    ここのところ、気温の乱高下が続いています。コロナ禍以来、3年ぶりにお花見を楽しみにしていた人々や外食産業も影響を受けたのではないでしょうか。今日は、以前も紹介したNature Climate Change誌に掲載された、日々の気温変動と経済成長の関係性を評価した論文の内容を振り返ります。
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    745. 国際科学諮問委員会(第2回)開催

    令和3年5月の「みどりの食料システム戦略」の策定を踏まえ、農林水産省は気候変動緩和や持続的農業の実現に資する技術のアジアモンスーン地域での実装を促進するため、令和4年度から「みどりの食料システム基盤農業技術のアジアモンスーン地域応用促進事業」を開始し、国際農研が同事業を「グリーンアジアプロジェクト(プロジェクトの略称)」として実施しています。令和5年3月16日、グリーンアジアプロジェクトの活動に助言を行う機関である「国際科学諮問委員会」の第2回会合を開催しました。
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    744. 世界の食料消費が将来の温暖化に及ぼす影響

    農業・食料システムは人為的な温室効果ガスの主要な排出源の一つです。Nature Climate Change誌に今月公表された論文は、食料消費が2100年までに温暖化を1℃高めかねず、その75%はメタン排出源(反芻動物食肉、乳製品、コメ)によるものと推計、同時に、予測される温室効果の55%相当を、生産慣行の改善、健康的な食生活、消費・小売りレベルでの食料廃棄削減、等の対策を実施することで回避しうることを示しました。
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    743. プラネタリーヘルスダイエットでは微量栄養素が不足する

    世界中で反響を呼んだプラネタリーヘルスダイエットを栄養の観点から再評価すると、動物性食品が少なく、ビタミン B12、カルシウム、鉄、亜鉛を十分に供給できません。
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    742. IPCC第6次評価統合報告書 ~気候変動という時限爆弾に対する人類のサバイバルガイド~

    3月20日、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、気候変動の現状・予測に対し、パリ協定に基づき温暖化を抑制するために必要な対策をまとめた第6次評価統合報告書を公表しました。本報告書は、IPCC第6次評価報告書サイクルで公表されてきた報告書の知見を統合した報告書で、気候変動を巡る国際世論に大きな影響力を持ち、グテレス国連事務総長は「気候変動という時限爆弾」に対する「人類のサバイバルガイド」と評しました。
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    741. 世界水の日

    3月22日は世界水の日です。世界水の日は、水と衛生の危機を解決するための変化を加速することを目的として制定されました。3月20日に公表された国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第6次統合報告書も、気候変動に伴い、水関連の課題が増加し、食料栄養・水の安全保障を脅かす可能性を指摘しています。水はすべての人に影響を与えるため、すべての人が行動を起こす必要があります。
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    740. 2023年国際森林デー「森林と健康」

    明日、3月21日は国際森林デー (International Day of Forests)です。2023年のテーマは「森林と健康」です。森林は大切な食料と栄養の源であるだけでなく、気候変動に対する闘いにおいて大きな役割を果たしている一方、人間の経済活動による破壊や劣化の脅威にさらされており、保全・保護のための支援を必要としています。国際農研のチームは、熱帯林資源の持続的な利用と保全に向け、インドネシアでSATREPS「気候変動適応へ向けた森林遺伝資源の利用と管理による熱帯林強靭性の創出」プロジェクトを実施しています。
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    739. 穀物の需給とウクライナの生産・輸出動向

    農林水産省は、毎月食料安全保障月報を公開し、米国農務省(USDA)や国連食糧農業機関(FAO)、各国の報告書の公表資料を基に、農産物の需給や相場について報告しています。2月号の主な内容は、次の通りです。(1) 2月において北半球での収穫は終了。(2) 小麦についてはオーストラリアやロシアの豊作で世界の生産量は前年度を上回る。(3) 小麦の国際相場は、ロシアのウクライナ侵攻前の水準に戻った。(4) トウモロコシについてはアメリカ、ヨーロッパ、アルゼンチンでの乾燥の影響により、世界の生産量が前年度を下回る。(5) 大豆についてはアメリカ、アルゼンチンで減産するが、ブラジルでは増産となる。
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    738. 黒海地域からの食料・肥料輸出に関する国際協調のゆくえ

    ロシアのウクライナ侵攻以来、食料輸出大国である両国からの食料・肥料輸出停滞を巡る不確実性が、今年上半期の食料価格高騰をもたらし、世界の食料安全保障に影響を及ぼしてきました。ウクライナ産穀物の黒海経由輸出を保証する合意が昨年7月に締結され、11月に延長されましたが、その期限である3月18日が迫る中、関係者がロシアとの延長交渉を行っていることが伝えられています。
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    737. 極端気象災害対策~誰も取り残さないために~

    気候変動は極端な気候現象(極端気象:extreme events)の頻度と規模を拡大させ、地域経済、人々の生活、さらに自然環境に多大な影響を与えています。近年、鉄砲水(flash-flood)といった水害が世界各地で発生しています。Nature誌論稿は、乾燥地域において鉄砲水の被害が大きくなる理由として、干からびた土壌ほど水をはじき返すこと、住民は鉄砲水への備えがなく氾濫原に居住する傾向を指摘した上で、住民の暮らし守るための研究プライオリティを提案しました。
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    736. 世界的に糖尿病と肥満のケースが増加

    最近Cell Metabolismで公表された研究は、2型糖尿病と肥満のケースが世界的に上昇しており、とりわけ貧困な社会層の間で急速に増加していることを明らかにしました。研究はさらに、健康寿命は、高所得国で改善しているものの、低・中所得国で急激に肥満によって短くなっていると指摘、ヘルスケアや健康な食、適度な運動に関する格差が代謝関連の負荷を悪化させていることは疑いがないと述べています。
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    735. 人間社会の気候変動への対応が生物多様性の運命を決める

    気候変動は食料安全保障や自然資源へのアクセスに影響を及ぼし、人間社会のリアクションを引き起こします。2月に公表されたPNAS誌の論考は、気候変動が人間社会へのインパクトを通じて生物多様性に及ぼす影響を理解する重要性について論じました。
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    734. 「地球と食料の未来のために」第5期中長期計画のPR動画を公開

    令和5年3月9日、第5期中長期計画(令和3年度~7年度)のPR動画を公開しました。国際農研の役割や研究成果、活動内容、国際共同研究プロジェクトの意義や展望等について、国内外の方々にわかりやすく紹介することを目的に、「プロモーションビデオ」、「環境」「食料」「情報」の各プログラムの計4本で構成しています。今回のPickUpでは、PR動画の企画から制作にあたり、担当者が心がけた点を紹介いたします。

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    733. 2023年3月9日は、雑穀(ミレット)年・雑穀の日

    3月9日は『雑穀の日』です。日付は「ざっ(3)こく(9)」(雑穀)と読む語呂合わせが由来で、一般社団法人・日本雑穀協会が制定し、一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録されました。また、2023年は国際雑穀年なので、2023年3月9日は、『雑穀年・雑穀日』です。今日は雑穀の1つパールミレットの研究を紹介します。
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    732. 健康的な食事のコストのグローバルな指標

    国連食糧農業機関(FAO)の統計データハブ(FAOSTAT)に、健康的な食事のコストとそれを入手できない人口についての指標が公開されました。ラテンアメリカとカリブ海では他の地域と比較して健康的な食事のコストが最も高くなっています。
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    731. 食料システムとシンデミック

    WHOがCOVID-19をパンデミックと宣言してから3年が経ちますが、この間、世界各地でコストプッシュ型の食料インフレが続く一方、極端気象・植物病害虫・家畜感染症の拡大など食料生産にショックを及ぼす異常事態が頻発化するようになり、食料システムをめぐる不確実性が増幅しました。その食料システムは、80億の世界人口のうち7– 8億人が飢餓に直面し、30億人が過体重・肥満を患っているという歪んだ栄養・健康状態にあり、プラネタリー・バウンダリーを超える主要因となっています。言い換えると、肥満・低栄養・気候変動が併存する 「シンデミック (Syndemic)」に人類が直面しています。
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    730. 2023年2月 世界食料価格動向

    国連食糧農業機関(FAO)は、3月3日、世界食料価格動向を公表しました。2023年2月の値は平均129.8ポイントで、前月からわずか0.6%ではありながらも11カ月連続の下落となり、2022年3月につけた最高値から29.9ポイント(18.7%)低い水準となりました。2月の下落は、植物油、乳製品、および部分的な穀物・肉類の価格下落が、砂糖価格指標の急上昇を相殺したことを反映しました。