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1059. 国連世界人口推計2024年版

1059. 国連世界人口推計2024年版
7月11日、国連世界人口推計2024年版(World Population Prospects 2024)が公表されました。世界人口は2024年半ばまでに約82億人に達し、今世紀後半までの約60年間世界の人口は増え続けますが、2080年代半ばに103億人でピークを迎え、今世紀末には102億人に落ち着くと予測されています。
2100年の世界人口規模は、10年前の予測に比べて6%、7億人相当少ない計算になります。この変化の背景に、近年、いくつかの国、とりわけ中国において以前予測されていたよりも出生率が低下したこと、また、女性一人当たりの出生率が低下していることが挙げられます。
報告書は、急速な人口増加に見舞われている地域もあれば、人口減少に直面している地域もあるとし、地域差を浮き彫りにしています。2024年時点で、中国・ドイツ・日本・ロシアを含む63か国・地域で人口が既にピークに達しており、このグループに関して次の30年間で人口が14%減少することが予測されています。ブラジル・イラン・トルコ・ベトナムなど48か国・地域では人口ピークは2025年~2054年に予測されています。インド・インドネシア・ナイジェリア・パキスタン・アメリカなどを含む残りの126か国では、2054年あるいは21世紀後半に人口ピークが予測されており、うちアンゴラ・中央アフリカ共和国・コンゴ民主共和国・ニジェール・ソマリアを含む9か国では2024年~2054年に人口倍増が予測されています。
世界平均余命は、COVID-19パンデミックによって一時的に70.9年に下がった一方、2024年には73.3年に戻る見込みです。2050年代末までに、世界の死亡例の半数以上が80歳以上となる予想です。
2030年代半ばには80歳以上の高齢者が乳幼児(1歳未満)を既に上回る見込みで、2070年代後半には65歳以上の人口が子ども(18歳未満)を上回ると予測されています。成長が著しい国や若年人口が多い国でも、65歳以上の人口は今後30年間で増加すると予想されています。
以上のような人口動態に関する洞察は、持続可能な開発を促進し、資源配分を最適化し、すべての人にとって不可欠な社会サービスへのアクセスを確保しようとする政策立案者に重要なガイダンスを提供します。
(文責:情報プログラム 飯山みゆき)