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1089. 2023年の気候に関する記録

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1089. 2023年の気候に関する記録

 

アメリカ気象学会の科学誌(Bulletin of the American Meteorological Society (BAMS))にて2023年世界気候白書が公表され、大気中の温室効果ガス濃度、陸域・海域の世界平均気温、海水面、海洋熱量が過去最高水準を記録したと発表しました。要点の幾つかを紹介します。
 

3大温室効果ガスである二酸化炭素・メタン・亜酸化窒素の全ての大気中濃度が2023年に最高値を更新しました。世界の平均二酸化炭素濃度の増加率は、1960年代初頭は年平均0.6 ± 0.1 ppmであったところ、2014-2023年の10年間は 年平均2.5 ppm でした。 

2023年8月22日、1日平均の海面水温が華氏66.18度(摂氏18.99度)と、史上最高値を記録しました。2023年には、海面の約94%が少なくとも1回の海洋熱波を経験したことになります。

過去半世紀にわたり、温室効果ガスなどによって地球システムに閉じ込められた余剰エネルギーの90%以上が海に蓄えられてきました。全球の海洋熱量は増加を続け、2023年には過去最高を記録しました。世界の平均海面水位も12年連続で過去最高を記録し、1993年の水準を約101.4ミリメートル上回りました。

2023年には、8カ月で海氷面積が月平均最低を記録し、278日で日次最低を記録しました。2023年2月21日、南極の海氷面積は過去最低を記録しました。

 

(参考文献)
Blunden, J. and T. Boyer, Eds., 2024: “State of the Climate in 2023”. Bull. Amer. Meteor. Soc., 105 (8), 
Si–S483 https://doi.org/10.1175/2024BAMSStateoftheClimate.1

(文責:情報プログラム 飯山みゆき)
 

 

 

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