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984. 2023年の気候-桁外れな記録

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984. 2023年の気候-桁外れな記録

 

3月19日、世界気象機関は、2023年気候白書を発表、温室効果ガス排出水準・気温・海洋熱・海洋酸性化・海面上昇・南極海氷面積喪失・氷河後退、といった指標が基準値を桁外れに( off the charts)超えたと発表しました。

白書の要点は以下の通りです。

  • 2023年は観測上最も暑い年で、これまでの記録を大幅に上回りました。
  • 海洋熱、海面上昇、南極海氷面積喪失・氷河後退に関する指標がこれまでの記録を更新しました。
  • 極端現象は社会経済開発を覆すインパクトをもたらしました。
  • 再生可能エネルギーへの移行は希望を示しています。
  • 気候変動対策実行のコストよりも、実行しないコストの方が高くつきます。

 

以上の2023年の気候指標に関しては、既に様々な媒体で報道されているところですが、WMOの白書は異常気象による気象災害がもたらす食料危機・強制移動が、とくに脆弱な社会層に及ぼす社会経済インパクトの深刻さに言及しています。

急性の食料危機に直面する人々の数は、COVID―19パンデミック前の1.49億人から2023年には3.33億人へと2倍以上に増加しました。既に食料安全保障は、紛争・経済低迷・高食料価格により悪化していましたが、気候変動による異常気象が追い打ちをかけています。例えば、南部アフリカでは、2023年2月のサイクローン・フレディが、マダガスカル、モザンビーク、マラウイ南部、ジンバブウェに甚大な被害をもたらしました。洪水によって多くの耕地が浸水し、作物生産と経済に深刻な被害を与えました*。


食料安全保障の観点からも、気候変動に対する緩和・適応策の迅速な適用が必要とされます。

 

*一方、国連は、2024年3月時点、南部アフリカはエルニーニョと気候変動による干ばつで深刻な食料危機に直面していると報じています。

 

(文責:情報プログラム 飯山みゆき)


 

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