現地の動き - Pick Up

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    539. 健康増進のための十分に活用されていない遺伝資源・アマランサスの今後の展望と可能性

    地球規模の環境変動は、世界の食料安全保障にとって最も深刻な脅威の1つです。また、世界で20億人以上が「隠れた飢餓」と呼ばれるなんらかの微量栄養素不足に苦しんでいます。このような状況において、コメ、コムギ、トウモロコシ、ダイズなどに代表される限られた作物種への過度の依存は、遺伝的多様性の喪失、環境適応における作物育種の脆弱性、偏った栄養バランス等につながる可能性が指摘されています。孤児作物と呼ばれる十分に活用されていない作物や遺伝資源を効果的に利用することは、こうした問題解決の糸口の一つになるかもしれません。このたび、環境変動や栄養問題に対する孤児作物、特にアマランサスの可能性についての総説を発表したので紹介します。
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    538.トマトの熱ストレス耐性付与のための遺伝・分子的メカニズム

    気候変動は、世界の食料安全保障に対する主要な脅威です。気候の変化は、作物の生産を減らすだけでなく、その野生近縁種の遺伝的多様性を減らして、将来の品種育種のための選択肢を制限し、将来のより深刻な課題に適応させるための能力を減らすことによって、現在の食料システムに影響を与える可能性があります。さらに今後予測される気温上昇は、熱波を含む異常気象の可能性を高め、熱ストレスは多くの作物の非生物的ストレスの主要な要因となると予測されます。熱ストレスは、栄養成長および生殖発達の全ての生育段階で、植物の形態や生理に悪影響を与える可能性が指摘されています。特にトマトなどの果菜類は、適度な熱ストレスでも着果および収穫量が劇的に減少し、果実の品質を低下させます。このたび、トマトの熱ストレス耐性付与のための遺伝・分子的メカニズムについて解説した総説を発表したので紹介します。
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    537. 「パームオイル」を通じて考える未来のエコライフ

    不安定な国際社会情勢を受け、植物油、穀物、肉などの世界的な高騰により食料品の値上げが続いています。とくに最近の植物油の価格上昇は著しく、その原材料の植物油脂にはパームオイルも使われています。本日は、パームオイル産業の抱える課題について解説したミニ講演、『「パームオイル」を通じて考える未来のエコライフ』を紹介します。
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    536. 世界の水は、つながっている SDGsとアフリカ農業用水

    国際農研職員によるミニ講演がYouTubeサイトでアーカイブ公開されております。本日は、『世界の水は、つながっている SDGsとアフリカ農業用水』を紹介します。
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    535. 微生物の力で地球に優しい農業を実現

    世界の食料生産を見渡すと、土壌肥沃度・生産性を向上させるために過度の化学肥料を使用するシステムにおいては、地上・地下水の汚染が起こっています。これに対し、土壌中、とりわけ作物の根圏に見られる様々な土壌微生物の中には、作物による栄養分吸収に貢献するものもあることが知られています。有用な微生物の活動を促進することは、作物生産性を強化すると同時に、化学肥料への依存を減らして、間接的に地球に優しい農業を促進することが期待されます。本日は、国際農研職員によるミニ講演、『微生物の力で地球に優しい農業を実現』を紹介します。
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    534. コメのいろいろ~アジアの多彩なコメ文化

    先月、国際農研の一般公開が開催されました。国際農研職員によるミニ講演がYouTubeサイトでアーカイブ公開されております。本日は、『コメのいろいろ~アジアの多彩なコメ文化』を紹介します。
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    533. 農業生産多様性が子どもの栄養状態に及ぼす影響

    栄養不良は、子どもたちに生涯にわたって続く大きな影響をもたらします。今回は、マダガスカルの農村を対象として、各農家の農業生産の多様性、食の多様性、そして子供の栄養状態への影響をみた論文を紹介します。
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    532. バングラデシュにおけるさび病菌の病原性の変化

    ダイズさび病は熱帯・亜熱帯地域の大豆生産において深刻な影響を及ぼします。バングラデシュでも生産の拡大に伴いさび病が問題となっています。本研究では、抵抗性品種の導入によるさび病対策に向け、既知のさび病抵抗性遺伝子に対する病原性を調査しました。その結果、2016年のさび病菌は病原性が弱く既知の抵抗性遺伝子の多くが有効でしたが、2018年と2019年のさび病菌の病原性は非常に強く変化したことが分かりました。その中には既知の7種の抵抗性遺伝子が全く効かない強病原性のさび病菌が含まれていました。抵抗性品種の導入はコストや環境負荷の観点から有効ですが、安定的な効果を得るためには強病原性のさび病菌に対応した遺伝子集積などを利用した抵抗性品種の開発が必要となります。
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    531. 食料システム・気候変動・土地劣化

    5月5日、2022年世界食糧賞(World Food Prize)は、NASAの気候学者であるDr. Cynthia Rosenzweigに与えられることが発表されました。Rosenzweig博士は気候変動の食料生産へのインパクトのモデル化におけるパイオニア的な研究で知られており、食料システム転換に必要なエビデンスを提供することに貢献してきました。同時に、食料システムは気候変動だけでなく、土地劣化や生物多様性喪失の原因となっています。4月27日、国際連合砂漠化対処条約(UNCCD)は、Global Land Outlookを公表、人類の活動が土地にかつてない負荷をもたらしている、と警鐘を鳴らしました。
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    530. 2022年食料危機グローバル報告書

    5月4日に公表された2022年食料危機グローバル報告書(The 2022 Global Report on Food Crises: GRFC 2022) は、2021年、53か国・テリトリーにおける1.93億人の人々が緊急の食料安全保障危機に直面したと報告、前年に比べ4000万人増加し、食料安全保障の危機が過去6年間にかけて上昇してきたことに危機感を表明しました。
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    529. 2022年4月の世界穀物市況

    世界の穀倉地帯であるウクライナ・ロシアで起きている問題により、穀物市場には不確実性が漂っています。世界の食料安全保障にとって、需要・供給に影響を及ぼす主要生産・輸出国の動向をモニタリングすることが極めて重要です。国連食糧農業機関(FAO)の穀物市況に関する4月の月例報告書から、ブラジルのトウモロコシ事情に関する内容を紹介します。
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    528. 食料・エネルギー・金融システムへの戦争のインパクト

    ロシア・ウクライナ問題は、COVID-19パンデミックへの対応に追われる世界にとって、最悪のタイミングで起こりました。食料、エネルギー、肥料価格の高騰は、世界をさらに不安定化させるリスクを高めています。4月13日、国連はグローバル危機レスポンスグループによる報告書を発表、世界の17億人の人々が、ウクライナ戦争による食料・エネルギー・金融システムに波及するリスクのいずれか一つに大きく影響を受けると懸念しました。
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    527. 変わりゆくアフリカ ~研究者が現地で見たアフリカの農業・食料~

    国際農研一般公開の最終日、「変わりゆくアフリカ ~研究者が現地で見たアフリカの農業・食料~」をテーマにパネルディスカッションを行いました。
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    526. 野生種の持続的な利用に向けて

    我々の身の回りに無意識的に日常的に使用している化粧品やサプリメントなどの製品には、野生の植物種を原料として使用しているものが多くあります。近年、野生種の原料への世界的需要が高まる一方、生存圏の喪失や気候変動・過当搾取によって絶滅の危機に瀕しています。国連食糧農業機関(FAO)が最近公表したレポートは、野生種の取引にかかわる全ての人々の認識を高めることで、責任ある消費と生産を通じ、保全に繋がっていくことに期待しています。
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    525. 気候変動に強靭なフードシステム構築における農業多様性の重要性

    昨今、気候変動のもとで、我々のフードシステムは、気温上昇・森林火災・干ばつや洪水などの異常気象や、気温・雨量変化による新たな病害にさらされる頻度が高くなっています。The Guardian誌は食料システムに関する特集記事を組んでおり、中でも4月14日の記事は、遺伝資源の多様性が気候変動適応のカギとなると論じています。

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    524. 国際母なる地球の日(Mother Earth Day)

    本日、4月22日は、「国際母なる地球の日(Mother Earth Day)」です。今年のテーマは、「我々の地球に投資を(Invest in Our Planet)」です。人類と地球の双方に優しい持続的な経済への移行を推進するアクションが求められています。
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    523. 国際農研一般公開:ライブ配信パネルディスカッション(4/24 13:00-14:00)

    現在、国際農研一般公開をオンライン開催中です。最終日の24日(日)13時から、ライブ配信でアフリカについてのパネルディスカッションを行います。ぜひご覧ください。
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    522. スタンプラリーで国際農林水産業のクイズに挑戦

    令和4年度の国際農研一般公開は、4月24日(日)まで、公式ウェブサイトに一般公開特設サイトを設けて、オンラインで開催しています。本日は、国際農林水産業に関するクイズのスタンプラリーと360°動画を紹介します。

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    521. 世界の食料システム研究のギャップ

    侵攻、戦争、パンデミック、金融危機...これら全ての出来事が世界食料システムに未だかつてないストレスをもたらしています。4月12日、Nature誌は、ウクライナでの戦争が食料システム研究のギャップをあぶりだしているとの論考を発表、研究者に食料危機の再来のサイクルを食い止めるアクションの必要性を訴えました。
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    520. 日本人が大好きなエビの養殖方法

    エビ(ここではクルマエビ類を指します)が大好きな日本人。2019年には23万トンを超えるエビを年間に消費 しており、国民一人あたりの消費ではアメリカに次いで世界第2位となっています。政府の統計によると、我が国に輸入されるエビのうち、約70%はベトナムやインドなど東南アジアや南アジア地域で生産されたものです。これらの国では、1980年代まで漁獲されたエビが輸出されていましたが、資源が少なくなったことから、1990年代以降では主に養殖による生産に変化しました。また、2022年は「零細漁業と養殖の国際年」です。今回のPickUpでは、一般的にあまり知られていないエビの養殖方法について、ご紹介いたします。