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564. 世界各地で報告される熱波

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564. 世界各地で報告される熱波

世界気象機関(WMO)によると、ここのところ、北米から欧州まで世界各地が熱波に覆われ、夏至以前の時点で既に7月か8月の気温に達しているケースも報告されています。 スペインやフランスでは例年の平均気温よりも10度も上回り、欧州では干ばつが起きています。アメリカでも6月15日の時点で3分の一の人口が何らかの熱波警戒宣言の対象となりました。さらにさかのぼり、3-4月にはインドやパキスタンを熱波が襲いました。

気候変動により、熱波の来るタイミングは早まり、頻度と激しさは増しています。IPCCは、1.5℃の温暖化の世界において熱波の頻度上昇を予測していました。2℃温暖化の世界では、農業および人類の健康にとって熱波が耐えきれない水準にまで達しうることが懸念されています。

最近の研究では、2022年のインド・パキスタン熱波をはじめ、2021年6月の北米北西部、2020年シベリア、2019年西ヨーロッパの熱波エピソードは、全て人為的な気候変動による可能性が高いことを示しています。 

こうした気象の変化は、農業生産へのインパクトを通じ、コロナ・パンデミックに加えウクライナ危機でサプライチェーンの攪乱危機に直面してきた食料システムに打撃を与え、世界の食料栄養安全保障に影響を与える懸念もあります。気候変動適応および緩和の対策が求められます。

(文責:情報プログラム 飯山みゆき)
 

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