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821. 世界各地で災害級の熱波

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821. 世界各地で災害級の熱波

ここのところ、北半球で暑い日々が続いています。2023年6月は、記録を開始して以来最も暑い6月であったとされ、7月上旬は史上最も暑い日を数日間連続で更新していましたが、この週末、アメリカ南部・欧州・アジアでも、かつてない強度の熱波が人々の健康、生態系、経済、農業、エネルギー・水供給に被害をもたらす可能性がトップニュースになりました。 日本も7月15日~17日三連休の後半にかけて危険な熱波に覆われ、豊田市の39.1℃など、40℃に迫る高温を記録した地域もありました。


地中海地域では7月上旬の気温が長期平均値を1℃~5℃超えたことが報じられています。 今後も8月にかけて、欧州・中東・北アフリカで高温が続き、森林火災のリスクが高まるとされています。

 

気候変動への対策は果たして手遅れなのかと思ってしまうような暑さです。世界の温室効果ガス排出ですが、中国とアメリカだけで世界の排出の40%近くを占めるとされます。しかし、地政学的な要因から気候変動緩和における両者の協力は1年近く滞っていました。そんな中、北京はここ数週間40℃越えを記録し、16日には中国北西部の乾燥地帯の町で国内最高気温である52.2℃に達しました。アメリカではこの数日間、デスバレーでは1913年に記録された56.67℃に迫る高温を記録する可能性が指摘されています。このようなタイミングで、アメリカのジョン・ケリー気候問題担当大統領特使が中国・北京を訪問し、世界の2大排出国が気候変動対策での協力、および年末にドバイで開催されるCOP28に向けた協調調整のための交渉を再開することが伝えられています。未曽有の高温記録更新ペースが、大国を気候変動対策に動かすか、世界が注目しています。


(文責:情報プログラム 飯山みゆき)

 

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