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579. 報告書「2022 年世界の食料安全保障と栄養の現状(SOFI)」キーメッセージ

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579. 報告書「2022 年世界の食料安全保障と栄養の現状(SOFI)」キーメッセージ

先日、国連機関(FAO, IFAD, UNICEF, WFP, WHO)による「世界の食料安全保障と栄養の現状(The State of Food Security and Nutrition in the World Report: SOFI)」2022年版報告書が公表されました。 

先日も簡単に紹介しましたが、FAO駐日連絡事務所の許可のもと、キーメッセージのなかで食料栄養事情に関する部分の抄訳をお届けします。   

2021年には新型コロナウイルスパンデミックから世界が回復し食料安全保障が改善しはじめると期待されていたのに反し、各国間・国内の格差悪化を反映し、世界の飢餓はさらに上昇しました。とくに経済回復パターンが不均衡で、新型コロナウイルスパンデミックの影響を最も受けた社会層が喪失した所得が回復していないことが格差拡大に響いています。

2015年からほぼ一定水準であった栄養不足蔓延率(PoU)は、2019‐2020年の間に8.0%から9.3%に悪化、そして減速はしたものの、2021年に9.8%まで上昇しました。2021年、7億200万人から8億2800万人が飢餓の影響下にあると推計されました。この数は、新型コロナウイルスパンデミックにより1億5千万人増加しましたが、増加数の内訳としては2019-2020年に1億300万人、2021年に4600万人でした。

予測では、2030年まで6億7千万人が飢餓に直面するとされ、世界人口の8%という割合はアジェンダ2030-持続可能な開発目標を開始した2015年と同じ水準です。

中等度および重度の食料不安に直面する人々の数は、2020年に急増したあと、2021年には殆ど変わらなかった一方、既に困難に直面していた人々の状況が悪化することによって重度の食料不安に直面する人々の数は増加しました。2021年、世界人口の11.7%に相当する23億人が重度の食料不安に陥っています。

2020年、世界的にみて、5歳未満の子供の22%が発育阻害、6.7%が消耗症、5.7%が過体重でした。母親が正規の教育を受けていない農村や貧困世帯における子供たちほど、発育阻害や消耗症にかかりやすい傾向がありました。対照的に都市および裕福な世帯の子供達は過体重のリスクにさらされる傾向がありました。

母乳育児に関しては進歩がみられ、2020年には6か月未満の子どもの43.8%に相当し、これは2012年から37.1%上昇していますが2030年目標達成のためにはさらに加速させなければなりません。農村で、より貧しい世帯で、女の子で、その母親が正規の教育を受けていないほど母乳育児を受けている傾向があります。

2019年、世界的にみて15-49歳の女性の3人に1人近く(5億7100万人)が貧血であり、2012年からの改善は見られていません。農村、貧困世帯、正規の教育を受けていない女性ほど貧血になりやすい傾向があります。

一方、新型コロナウイルスパンデミック及びその抑止策の経済的な影響に起因する消費者食料価格のインフレを反映し、2020年には31億人近い人々が健康的な食事を入手できなかったとされ、この数は2019年よりも1億1200万人増加しています。

近年の後退は、飢餓・食料不安・あらゆる栄養不良を解消する上で、政策が十分な追加的リターンを生み出せなくなっていることを意味します。経済が脆弱な政府はアグリフードシステムを転換するにしても厳しい財政的制約に直面しています。今こそ政府は食料・農業部門への現在の支援を見直すべきです。

 

FAO駐日連絡事務所は、他国連4機関と共同で、日本国内向けのイベント(日英同時通訳つき)を7月15日に開催する予定です。次のサイトから是非ご登録ください。
https://www.fao.org/japan/announcements/2022/7152022/jp/

「世界の食料安全保障と栄養の現状:2022年報告」発出イベント
日時:7月15日(金)15:30~17:00
形式:オンライン(Zoom ウェビナー)
言語:日本語・英語(同時通訳)

(文責:情報プログラム 飯山みゆき、情報広報室 白鳥佐紀子)