現地の動き - Pick Up

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    290. 世界食料政策報告書2021:新型コロナウイルスパンデミック後のフードシステム変革

    4月、国際食糧政策研究所(IFPRI)から2021年世界食料政策報告書(Global food policy report)が出版されました。副題は新型コロナウイルスパンデミック後のフードシステム変革についてです。食料政策の専門家たちが、特に貧困層や脆弱層に対してのパンデミックや政策対応の影響を調査することで、健康的で強靭で効率的で持続可能で包括的なフードシステム変革に向けて、データに基づくエビデンスを示し政策提言を行っています。
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    289. 米国における気温・降雨量のニューノーマル公表

    新型コロナパンデミックが生活のあらゆる側面に影響を与える中、ニューノーマル(新しい通常・平常・日常)という用語がニュースでも盛んに話題になりました。気象界でのニューノーマルは、30年間の気温や降雨量の平均値や統計値をもとに10年ごとに更新されるデータセットを指すそうです。これらデータセットは日々の気候関連の意思決定を適切なコンテクストで行うことを可能にします。5月4日、アメリカ海洋大気庁(NOAA)は、1991-2020年の30年間の気候ノーマル(Climate Normals)データセットを公表、米国全体でより気温が高く、降雨量が増加する一方で、空間・季節的に大きな差異が観測されたと報告しました。
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    288. 貧困削減における資源安全保障の重要性

    2021年4月にNature Sustainability誌で公表された論文は、貧困撲滅における資源安全保障の重要性を論じました。自然資源に対する人類の需要は、地球の生物学的な回復スピードを次第に上回るようになり、バイオマスを再生するエコシステムの能力-環境収容力(biocapacity)が人類の経済とっての物質的な制約になっています。2017年時点で、世界の多くの人々(72%)が、生物学上の資源の供給が需要に満たない国に暮らしており、低所得国は、エコロジカルな貧困の罠にとらわれています。
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    287. 気候変動サミットへ向けたモーメンタム

    2021年4月下旬、バイデン政権が主催した気候変動サミットにおいて、多くの国が温室効果ガス削減目標値を更新しました。各国による温室効果ガス排出削減目標をもとに、気温上昇抑制効果の推計を行う研究者グループによって運営されているClimate Action Trackerによると、最近のコミットメントを考慮すると、21世紀末までの気温上昇を2.4℃に抑制しうるが、パリ協定の1.5℃ゴールにはさらなる温室効果ガス排出削減が必要であるとしました。
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    286. フードシステムと科学技術

    2021年4月26-28日、オンラインでノーベル賞サミット「Our Planet, Our Future」が開催され、科学者らが気候危機・生物多様性危機の解決にアクション・連携の重要性を訴えました。先日、科学技術週間に合わせて開催された国際農研の一般公開にて行われたミニ特別講演では、20世紀以来のフードシステムと科学技術の展開を踏まえ、プラネタリー・ヘルスのために必要なアクションを解説しています。
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    285. アフリカのイネ生産における低投入、貧栄養土壌の問題点、およびその改善策

    アフリカでは極めて狭い地域内でも地形や土壌条件の差が大きく、地域内で推奨される一定の施肥量に対する収量の応答に大きなばらつきを生み出し、肥料の利用効率を下げています。これに対し、近年ではドローンなどリモートセンシング技術を活用し、地域内での土壌条件の違いを低コストで判別することで、ピンポイントで適切な施肥を実施するための意思決定ツールの開発も試みられています。2019年にPlant Production Science誌で発表された論文は、アフリカのイネ生産における肥料投入力の不足と貧栄養土壌の問題点、およびその改善策を総説し、このたび「第18回日本作物学会論文賞」を受賞しました。
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    284. 野菜と果物:科学者グループから国連食料システムサミットへのインプット

    今年9月、国連食料システムサミットがニューヨークで開催されます。そのサミットに向けてのプロセスをサポートする一つの仕組みとして、科学者グループ(scientific group)が設置されています。先月、この科学者グループから「健康な食事のための野菜と果物:フードシステムの研究と行動の優先事項」と題した論文が発表され、野菜と果物をより入手可能で、アクセスしやすく、望ましいものにするためにフードシステムができるアクションについてとりまとめています。
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    283. WeRise-季節予報を使った天水稲作向け意思決定システム

    お米は世界3大穀物の一つで、世界の半分近くの人口を養う重要な食料ですが、熱帯地域の生産地の大半は天水条件であり、単収は灌漑稲の半分ほどであり、単収を上げるためには水と養分供給の問題を克服しなければなりません。国際農研では、農林水産省による拠出金を通じた国際共同研究事業により2010年から国際稲研究所とWeRiseに関する開発研究、技術実証を行ってきました。このたび、アジアでのWeRiseの実証試験結果をAgriculture誌に公表、天水稲作農家の営農計画改善を可能にすることを示しました。
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    282. 2020年気候変動のハイライト

    2021年4月22日、アメリカ・バイデン大統領主催の気候変動サミットに合わせ、日本政府も大幅な温室効果ガス排出目標を表明しました。その数日前には、世界気象機関(WMO)が 2020年世界気候変動白書(State of the Global Climate 2020)を発表、2020年は人為的な気候変動によってもたらされた異常気象などによって人々の生活が大きく影響を受けた年であったことを強調しています。

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    281. アースデイに考える:世界を救う奇跡の作物 ―キヌアの可能性

    本日4月22日は、地球の日(アースデイ)。地球環境について考える日として提案された、国際的な記念日です。国際農研が取り組む、世界の地球環境問題、食料問題の解決を目指した奇跡の作物”キヌア”の研究について、動画で紹介します。
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    280. 雑草魂で挑む! 東南アジアのエビ養殖研究

    世界でも有数の「クルマエビ消費大国」、日本。私たちが日々食べているクルマエビ類の約94%は海外からの輸入に頼っており、特に東南アジア地域で養殖されたエビが多くを占めています。東南アジア地域に多い零細養殖業者の人々でも継続出来る簡単で安価で持続的な養殖方法の開発を目指した国際農研の研究について、動画で紹介します。
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    279. 川の健康診断 ―ところ変われば「川」変わる?!―

    熱帯や亜熱帯の海岸に多く分布するサンゴ礁は、サンゴという生物が作った地形で、面積としては地球表面の約0.1%しかありませんが、その中に9万種類もの生物が住んでいるとされ、生物多様性の観点から重要な場所となっています。ところが現在、このサンゴ礁が危機に直面しています。国際農研では、周囲にサンゴ礁が分布する熱帯・亜熱帯の島嶼地域を対象に、山林や農地の適切な管理や、作物残渣などの生物資源の有効活用を通じて、陸域からの土壌や過剰な栄養塩類の流出を抑制する技術を開発・実証するプロジェクトを実施しています。令和3年度国際農研一般公開のミニ講演「川の健康診断 ところ変われば「川」変わる?!」では、河川調査の様子や、これまでの調査で分かってきたことの一部について紹介しています。ぜひご覧ください!

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    278. 食べたら双子が生まれる? 西アフリカのヤムイモの秘密

    ヤムイモは西アフリカの最も重要な作物の一つであり、この地域の人々の食料と栄養供給に非常に重要な役割を果たしています。また、伝統作物としてこの地域の文化に深く根付いており、一部の地域では「食べると双子が生まれやすくなる」と信じられているなど、興味深い話がいっぱいです。そんなヤムイモの面白さを皆さんにも知っていただきたいということで、国際農研一般公開ミニ講演の場を借りて「食べたら双子が生まれる? 西アフリカのヤムイモの秘密」を紹介する動画を公開しました。
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    277. おいしくて役に立つ、発酵食品の共同研究

    身近な食べ物を美味しく、長持ちさせる発酵食品は昔から世界中で作られ、今日の私達の暮らしにも欠かせないものとされています。4月12~18日までオンラインで開催される国際農研の一般公開では、東南アジア地域の主要作物であるインディカ米を使った発酵米麺や、ラオスなどの内陸部で特に重要な食料とされる淡水魚を使った魚醤(発酵調味料)についての研究成果を紹介しています。
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    276. 肥料のムダをなくし地球を健康にしよう!

    ヒトが生きるために食べる農作物を大きくするには窒素が必要です。その一方で、まいた窒素肥料(アンモニアの形)の約50%しか作物に行き渡らず、あとの半分は土壌微生物の「硝化(しょうか)」により、アンモニアが「硝酸(しょうさん)」に変わってしまいます。農地から流れ出た硝酸は地下水を汚染したり、温室効果ガスの形で大気に放出されてしまいます。国際農研は、作物自身の硝化をおさえる力に着目し、硝化をおさえる物質を作物から探しています。ヒトと肥料の繋がり、硝化について、硝化をおさえる技術などについて、動画を作成しました。
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    275. 仮想海外旅行 ―空から眺めるアフリカ・アジアの農業と環境

    ちょうど1年前の4月15日、日本政府観光局は、COVID-19拡大を封じ込めるための海外渡航規制の広がりにより、2020 年 3 月の訪日外客数は前年同月比 93.0%減であったと発表しました。 同様に日本からの海外渡航も制限され、1年経っても海外旅行が自由にできる状況からは程遠い状況です。科学技術週間を機に開設した国際農研の一般公開サイトでは、COVID-19以前の海外出張中に国際農研職員によってドローンを使って撮影された、アフリカ・アジアの農業と環境をテーマにした空撮動画を公開しています。ぜひ雄大な大地の映像をお楽しみください。
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    274. 気候変動、食料供給、食事ガイドライン

    フードシステムは、人口増加に応じて食料の生産量を増やし、持続可能な開発目標(SDGs)の達成を支援し、栄養と健康のニーズを満たす必要があります。今回はAnnual Review of Public Healthに掲載された、気候変動、健康的な食事、世界中の栄養と健康を改善するために必要な行動に関する文献の12か月間の包括的なレビューを紹介します。

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    273. 国際農研一般公開

    国際農研は、4月12日(月)から始まる科学技術週間にて一般公開をオンラインで開催し、研究活動を広く国民のみなさまに紹介いたします。この機会に、国際農研と国民のみなさまとの関係がさらに深まり、国際農研の発信する研究情報などが国民のために役立つこと、また、国際農林水産業研究を理解するきっかけの場となることを願っています。

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    272.「農業のコロナウイルス」とも評されるツマジロクサヨトウ

    ツマジロクサヨトウは南北アメリカ原産の害虫ですが、近年、その分布域を急速に拡大しています。本種は、各地でトウモロコシ類を中心に大きな被害を及ぼしており、有効な防除技術の開発が待ち望まれています。日本の主要の食料貿易相手の一つであるオーストラリアでは、ある農家が、本種について「農業のコロナウイルスだ」との比喩とともに、「同国の農業にとって過去最大の脅威である」と評しているようです。

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    271. フードシステムに関する前向きなビジョンと新しい栄養学

    今年は9月に国連食料システムサミット、12月に東京栄養サミットが開催される予定であり、とりわけフードシステムや栄養に注目が集まる年です。これに関連して最近Nature Food誌に掲載された論説では、フードシステムをより栄養価が高く、再生可能で公平なものとする変革に向けた、前向きなビジョンと政治的意思の重要性を説いています