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596. 食費上昇の生活へのインパクト

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596. 食費上昇の生活へのインパクト

世界食料価格指標はここ数カ月の最高値からは下げてきていますが、 日本でも物価上昇が問題となっているように、世界的に生活費、とりわけ食料・燃料費の上昇は脆弱な社会層の消費者を直撃し、貧困削減の努力を阻んでいます。

国連による報告書の分析によると、食料価格が10%上昇すると、最貧困層の所得を5%引き下げるとし、こうした世帯が通常ヘルスケアに費やす額相当の所得が失われるほどの影響を及ぼします。 パンデミック・ウクライナ戦争・気候変動のインパクトの長期的な影響は、貧困層にさらに試練をもたらすことが予測されています。対応能力の限られた国・社会層ほど、このたびの生活費上昇のあおりを受けています。報告書は、食料価格の高騰、エネルギー価格の高騰、金融状況の引き締め、という三つの経路が交差しあって悪循環をもたらしつつあることを指摘しました。 例えば、高燃料・肥料価格によって農家は生産コスト増に直面し、これが食料価格高騰と収量の低下に跳ね返ってきます。これが一転して家計を圧迫し、貧困の増加と、生活水準の下落、そして社会不安をもたらしかねません。価格上昇が金利上昇圧力につながることで、途上国の借り入れコストがかさみ、通貨価値の下落、食料・燃料輸入のさらなる価格上昇、という悪循環をもたらします。

報告書は、現在の危機は全ての人々が直面する問題でありつつ、そのインパクトを最も受ける社会層のニーズを見極め、国際社会ができることから解決に取り組んでいく必要性を強調しました。

(文責:情報プログラム 飯山みゆき)