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973. 気候変動の不条理なインパクト

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973. 気候変動の不条理なインパクト

 

3月8日は国際女性デー、女性の地位向上、女性差別の払拭等を目指す国際的な連帯と統一行動の日とされています。

農林水産業において多くの女性が従事・活躍していますが、気候変動等のショックを相対的に大きく受けるのも女性です。

国連食糧農業機関(FAO)が発表した報告書(The Unjust Climate)によると、気候変動によって、低中所得国の女性世帯は男性世帯に比べて大きな経済的損失を被る傾向があります。

女性が世帯主の農家の場合は、男性が世帯主の場合に比べ、熱ストレスによる所得損失は8%(83米ドル相当)高く、洪水による損失は3%(35米ドル相当)高く、全ての低中所得国において世帯主が女性の場合と男性の場合の所得格差は拡大し、熱ストレスでは370億ドル・洪水では160億ドルの損失により相当します。

平均気温が1℃上昇することにより、男性が世帯主である農家に比べ、女性が世帯主の農家の場合、長期的に34%所得ロスが生じるとされます。女性と男性の間での現状の農業生産性及び賃金格差について解消するための対策がなされなければ、気候変動の影響は今後も格差を拡大しかねません。

報告書は、農村の人々が直面する資源やサービスへのアクセスといった制約に配慮し、気候に対する多面的な脆弱性への対応に焦点を当てた政策やプログラムへの投資を呼びかけると同時に、適切な社会的な保護措置の必要性を訴えました。

 

(文責:情報プログラム 飯山みゆき)

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